帰り道
掲載日:2026/03/05
雲のない夜は空の月を眺める。
雲のある夜は横の川を眺める。
私の帰り道のルーティンは専らそんな感じだ。
近頃は快晴の夜が続いていたが、今日の空は完全に雲に覆われていた。
月はいい、一途に地球の周りを回っている互いに唯一無二の存在だ。
川は得体が知れない。私が今見ている君は一体、何回目の君なのか。そんなことを考えてしまう。
川の水は常に循環し続けている。たとえその川が枯れたとしても、そこで流れていた水は場所を変えて生き続ける。しかし、川は川でなくなってしまう。そんな曖昧な関係性が川の中にはある。
自分の浅はかな感性に呆れながら、雲の向こうにある月を見る。
しばらくは月を見ることはなさそうだ。




