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8.隠蔽魔法

ぽかんとしながらも目で内容を追うと、白字で書かれているのは私の名前や生年月日、属性とスキル、魔力値と体力値だった。


え、これステータスだよね? なんで出てきたんだろう、まだ洗礼式やってないのに。

あ、もしかして自力で魔力感知したから?


ステータスの内容は、イケオジ神様に言われた通り、月属性と四大属性、魔法創造と身体強化のスキルだった。


改めて文字で見ると、この国の人からしたらこれめちゃくちゃチートだわ。

これが洗礼式で明るみになったらって考えたら……


私はまた囚われの宇宙人の絵図が頭に浮かんだ。

ぶんぶんと頭を振る。


よし、魔法創造スキルで隠蔽の魔法を創ろう!

えーっと魔力値は……ん? いち、じゅう、ひゃく、せん、まん……


……16000。お母様のより多い。私まだ4歳なんだけど。

ちなみに体力値は3300だった。少なっ。


私は魔力値の高さに遠い目をした。


まあ、最初から多いほうがありがたい。月属性の浄化魔法は途轍(とてつ)もない魔力消費だって女神様言ってたし。途轍もないって、数字だとどれくらいなんだろう?


私はなんとなくステータスにある「月属性」の文字をタップしてみた。

すると、もう一つ小さな画面が出てきた。

そこには3つそれぞれの魔法名と消費魔力値が書いてあった。


お、なになに……結界魔法『月の祈り(ルミナス)』は2万、治癒魔法『月の涙(ラクリマ)』は3千から4万、なんだこの範囲は。えーっと、浄化魔法『月の焔(ミカエラ)』は12万……


私は途方もない数値に思わず天を仰いだ。


気を取り直して。


結界魔法は2万か……2万ならあと少しだしいけると思う。

事が起きた時最悪結界は張り直して浄化が使えるようになるまでの時間を稼ぐしかない。

でもあくまでも目標は12万魔力値よ。いや、浄化魔法使ったら魔力が残らなくなるから15万にしよう。


女神様が言ってた15年後、いやもうすぐ5歳だからあと10年くらいで結界が崩壊してしまう。

そんなことを起こさせないために魔力値15万の獲得。魔法を常に使う環境、何にも縛られない自由な環境、つまり……冒険者に何がなんでもなる!!


私はガッツポーズをした。

しばらくして、静かにそれを解く。


……さて、さっさと隠蔽魔法を創ろう。


さっき本当に私が全属性かどうか確かめたとき、魔法創造スキルのおかげでそれぞれイメージしたらできたから、隠蔽の魔法もイメージすればできるんじゃないかな。


ステータスの属性欄にある月属性に手を(かざ)し、魔力を込める。イメージしたのは、◯リー・◯ッターの透明マントだ。それを(かぶ)ったり被せたりすると見えなくなるやつ。


手の平から金色の魔法陣が現れた。

どの属性にも当てはまらないからなのか、白字で書かれた「月属性」がみるみるうちに消えた。


一瞬(のど)が冷える。


……見えなくなっただけだよね? なくなったわけじゃないよね?


内心焦り、月属性があった箇所をタップすると、さっきの3つの魔法と消費魔力値が書かれた画面が出てきた。


ふう、びっくりした……でも成功したみたい。

そうだ、今ので魔力はどのくらい減ったかな。


魔力値を見てみると、16000から15400になっていた。そんなに減らなかったことにほっとする。


うーん、どの属性を残そう。二属性にするか、三属性にするか……三属性人口は少ないみたいだから無難に二属性にしたほうが目立たなくて良いかも。

火属性は攻撃力が高そうだから残すとして、あと一つは……土属性にしようかな。芽が出た青薔薇を咲かせたいし。


そう決めた私は水属性と風属性を隠蔽魔法で見えなくした。


よし、これで二属性になったわ!

でも文字を見えなくしただけだから不自然に間が空いたところが気になる。

これだと家族がこれを見た時変に思うかもしれない。


なんでもかんでも試してみるのが私の前世からの性格なので、ここでも思いついたことを試してみる。


私は火属性を長押ししながらスマホのアプリの並べ替えの要領でドラッグして、属性欄の一番先頭にもってきた。


ふふ、何でもまずはやってみるものね。


同じように土属性を長押ししながら火属性の次の位置にドラッグして並べた。

チートスキルの魔法創造も忘れずに隠蔽魔法を施し、身体強化スキルをスキル欄の先頭にもっていく。


これで完全に私が二属性でよくあるスキル持ちだと判明されるわ。

はあ、これで平穏が保たれる……


ひとまず安心したので、後でと思ってスルーしていた四大属性の詳細画面を開く。見えなくなってもタップすればちゃんと出てくることは月属性でわかっている。


それぞれの属性の詳細画面には初級・中級・上級と項目があって、その項目ごとにたくさんの魔法とそれぞれの消費魔力値が書かれていた。


水属性の初級魔法の項目に私が初めて使った魔法があった。『水球(アクアボール)』。そのまんまだ。

初級魔法は当然だけど消費魔力が少ない。私の魔力は16000あるから中級もいくつか使えるようだ。上級だと今の魔力値では1、2発しか打てない。しかも水属性の上級魔法には氷魔法まであるし、風属性の上級魔法には雷魔法もあった。雷魔法は治癒魔法と浄化魔法を除くとどの魔法よりも消費魔力値が高く、35000も必要とした。


これ使えるの魔法師団長って人しかいないんじゃない? お父様の魔力値を知らないからお父様はどうかわからないけど。


気を取り直して月属性の魔法説明が気になったので見てみると、結界魔法は害あるものから隔絶することができるようだ。おかげで魔獣を森に閉じ込めておけるみたい。

治癒魔法は切り傷や擦り傷程度なら3千の魔力値で治せるみたい。怪我の具合によって消費魔力値が変わるんだけど、4万だとなんと欠損部位を蘇らせることができ、どんな病気も治すことができるようだ。


まるでエリクサーね。魔力値が高いはずだわ。


浄化魔法は、文字通り清めの魔法。そして月の満ち欠けを順番に詠唱すれば、広範囲に浄化できるようだ。

なんだこの長ったらしい詠唱は。覚えられる気がしない。


そういえば月属性のこの3つの魔法は漫画とかだとよく光魔法に分類されているわよね。光魔法があるなら反対の闇魔法もあるのかな。

まさか女神様の弟の黒竜が闇魔法を使ったりして……ま、今考えても仕方ないか。


魔力が上級魔法の消費魔力値よりもっと増えたら、上級魔法のさらに上の魔法をスキルで創ってみても良さそう。万が一のために。


シェリーが晩ご飯で呼びに来るまで、私は気になった魔法を一つひとつ詳細を確認していった。

一部内容を修正致しました。

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