或る少年
ある所にとある少年がいた。彼は内気ではあったが友達は多く、いわゆる一般的な学校生活を送っていた。ある日、少年はある女子に恋をした。少年は彼女に振り返ってもらうために様々なことをした。彼にはその時彼女のことしか見えていないのだろう。友達も徐々に変わりゆく彼を見て、彼女にしか興味のない彼の姿を見て離れていった。しかし、彼がそのことに気づくことは無かった。そんな日々を過ごした後、少年は彼女に告白をした。少年少女の恋愛沙汰である。特別少女が愛する人がいない限り了承されるようなものである。当然彼もその通りであった。彼は結ばれた。しかし、所詮子供の恋愛である。簡単に結ばれ、簡単に解けるのが一般的である。例によって彼もそうであった。半年もせぬうちに彼は別れを告げられた。少年は誰が見ても明らかなように悲しんだ。なぜ別れを告げられたのか、それすら分からないままただ1人で悩み続けた。少年はそれでもなんとか立ち直り、日常を過ごしていた。彼は1人で日常を過ごし続けた。彼が孤独に気づいた頃には、もう桜の花が咲き、同じ学校の人々は散りゆく頃であった。