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今日の終わりのおはなし

作者: 雨原

古い扉がギイと鳴り、開いた隙間からおしまいの時間がひたひたとやってきます。

先程止んだ雨の名残が夜中の匂いを連れて部屋を静かに満たします。


この先に進むものはありません。

時計の針も、誰かの夢の切れはしも、

真綿のような暗がりに包まれて、

残りはみんなおしまいです。


1日育てた寂しさも、

ひとかけ残った幸いも、

今日のところはおしまいです。


さあさ早くお休みなさい。

扉がばたんと閉まったら、今日のおはなしはおしまいです。

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