ヒロインさん..ごめんなさいね。貴女に興味がないの。
長編作を放置状態で、ご覧頂いている方、大変申し訳ないです。
ちょっと息抜きに短編書いてみました。
短編の方が向いてるのかな、、、汗
また、長編の方も再開したいと思っております。
宜しくお願い致します。
「リズリー・ユリフェンド伯爵令嬢!!婚約破棄する!!そして、新しく、マリリン・ドナン男爵令嬢との婚約をここで発表するっ!!!」
大広間は戸惑いの声と共に騒めいた。
ピンクのフリフリドレスを着たマリリン嬢は、王子にぴったりと寄り添いながら、大広間の中央でにやりと笑っていた。
「リズリー、お前はマリリン嬢を様々な方法で虐めていたらしいな!」
王子は、軽蔑の眼差しで冷ややかにリズリーを見ている。
「王子様ぁ〜。私とっっても怖かったんでぇすぅ〜っっ。」
えーん。と言いながら、マリリン嬢は引き続き王子にべったり。だ。
「妾はそんな事はしておらぬ。」
リズリー嬢は、反論した。
「はぇっ?わらわ、、、?悪役令嬢ってそんな言葉使いのキャラだっけ。。。?」
ぽそっとマリリン嬢は独り言を言ったが、ぶんぶんと顔を横に振り、気を取り直した。
「王子様ぁ〜。嘘ですぅ〜。私、ドレスも破かれたし、階段からも突き落とされたり、ヒドイコトばっっかりされたんです〜っっ!」
王子の腕に寄りかかりながら、上目遣いで訴えている。
「マリリン嬢はこう言っているのだから、お前が色々と手を回し、マリリン嬢を虐めたのは明確だ!!そんな女とは結婚したくない!!よって、婚約破棄だ!!」
王子は、自分の発言に自信を持っているのか?大声で発言した為、その言葉は、大広間に響いていた。
王子の横には、側近である令息達が大きく頷きながら、
リズリー嬢を見下していた。
「妾はそんな事はしておらぬ。」
リズリー嬢は、再び反論した。
「妾は、その娘を虐める理由などない。」
リズリー嬢は、そう付け加えた。
「リズリーっ!!!お前は嫉妬に狂い、マリリン嬢に恨みを持っていたから、虐めたのだろう!!理由は明白だ!!俺の婚約者なのだから!!」
王子は、マリリン嬢の髪を優しく撫でながら、素早く反論した。
「いくらぁ〜王子様にマリリンがぁ〜愛されてるからってぇ〜、嫉妬で虐めるなんてぇ〜、性悪ですぅ〜。ヒドイぃ〜!!」
調子が出てきたのか、マリリン嬢のねちっこい言葉使いはパワーアップしてきた。
「妾は、その娘を虐める理由などない。」
「妾は、同性愛者だ。」
「「え゛え〜〜〜〜っっ!!!??!」」
王子は顎がハズレそうなぐらい、あんぐりして放心している。
マリリン嬢は「嘘?!この乙女ゲームの悪役令嬢にそんな設定なんかなかったハズ、、、?!」とブツブツ言いながら、考え込んでいる。
「まあ、政略結婚だからのぅ。貴族たる者、仕方がないと思っていたのだが。。」
ふむ。。。と両腕を組みながら、何故妾が虐めた話になったのかのぅ。と考えているようだった。
「…それにの…妾は…」
「同性愛者なのだ。虐めるとしたら、王子の方じゃ。」
た、確かに…。と。大広間の全員が頷いた。
「王子とは婚約していたが、男には興味が全くないからの。惚れるとしたら、王子の隣におるマリリン嬢の方じゃ。それならば、邪魔な王子を虐めるじゃろ?」
大広間の全員が納得する。
王子とマリリン嬢、側近達は何も言えず唖然としていた。
「じゃが…。」
「残念ながら、マリリン嬢は妾の好みではない。」
「ぺちゃパイ、幼女体型じゃからなっ!」
リズリー嬢は苦笑いで言った。
「なっなっ!ひ、酷い!!!!みんな可愛いって言うのにぃ〜っっ!!」
マリリン嬢は真っ赤になりながら、両胸を隠し、プルプル震えている。
「マリリン嬢、すまぬな!妾の好みの話じゃ!しかし、ささやかな胸を好む者もおるからの!」
うんうん。とリズリー嬢は真面目な顔で頷いた。
フォローしたつもりだろう。
しかし、マリリン嬢には更に恥ずかしく感じたようでワナワナ震えている。
「そうじゃの、、妾の好みはのう…。」
「…ライラ。」
「はい。リズリー様♡」
薄いベージュの髪を緩く巻いた、ライラ嬢と呼ばれた女性が控えめに現れ、リズリー嬢に寄り添った。
「ライラは可愛いな。控えめで妾の後ろでしっかりフォローしてくれる。…はて。どこかの令息の婚約者だったような??」
「騎士団長の令息であられる、ライアン様ですわ。リズリー様。けれど、先日婚約破棄されましたわ。」
ライラ嬢は、冷やかな目で1人の令息を見ていた。
「そうじゃったの。王子の横におる側近のライアン様じゃったか。」
ライアン令息は王子の横で、きょとん。としていた。
「ライアン様は、勿体ない事をしたのぅ。ライラ嬢は、普段はこのように発言も装いも控えめじゃが、それを解くと、妾好みに乱れて、堪らんのじゃ。」
リズリー嬢はくすり。と笑った。
「婚約破棄された事がショックで私が落ち込んでいた時、慰めて下さったリズリー様、、、素敵でした♡」
ライラ嬢はうっとりとした顔でリズリーを眺めている。
ライアン令息は真っ赤な顔で、アワアワしている。
「それにの……シルビア、ユリア。」
「「はい。リズリー様♡」」
長身ですらっとした美女のシルビア嬢と、クリクリとした大きな瞳が可愛いユリア嬢が、リズリー嬢の横にすっと現れた。
「お主らも先日、そこにおられる王子の側近達に婚約破棄されたそうじゃの。」
「「はい。」」
「話によると、皆、マリリン嬢から、みんなで仲良く王子を支えていこう!その為には婚約者は足枷になると言われたそうじゃ。」
「それをマリリン嬢は『逆ハーエンド』と言ってたらしいのぅ。」
よくわからんのぅ。うーん。とリズリー嬢が考えている横で、ユリア嬢は「今日のリズリー様のドレスも素敵♡」とクリクリな瞳をうるうるさせていた。
今日のリズリー嬢は、サイドに深くスリットが入った赤いロングドレスだ。
溢れそうな胸。大胆なフロントカットに胸の谷間には大きなダイヤモンドが輝いている。
「スリットから見える御御足も素晴らしい。その肌に触れたくなります♡」シルビア嬢もうっとりとリズリー嬢を見つめている。
「そちらが、その『逆ハー』とやらをするならば、こちらはもう関係ないのぅ?婚約破棄も構わぬし、好きにさせて貰うの。」
リズリー嬢が王子とマリリン嬢に向かってにっこりと微笑んだ。
リズリー嬢達が大広間から退出しようと扉へ向かおうとした時、王子が意を決して、こちらに声をかけた。
「ちょっと待った、、、、。いや、ちょっと待って下さい。女王様。」
「「「????女王様????」」」
「…リズリー様。女王様!!!!俺、、いや、私も一緒に連れて行って下さい!!!お願いです!!!」
蕩けるような目で王子は懇願した。
「……出来るなら、女王様に縛って欲しい。」
王子の瞳はドロドロとした欲を光らせてこちらを見つめている。
「……まあ、よかろう。ただし、王子は傍観者だ。縛った上で、私達の戯れを見るのみよ。それでもよいな?」
「…は、はい♡女王様!!!ただ、たまに女王様にヒールで蹴って頂きたいです♡♡」
「それは、お主次第じゃの。まあ、よい、来い。」
王子は、犬のように嬉しそうにリズリー嬢の後ろについていった。
「え??なんなのこの茶番劇!!!乙女ゲーム!!!
これ、何エンドなのよーーーーーー!!!」
マリリン嬢の叫びが大広間に響いていた。
うーん。
悪役令嬢、ハーレムエンド?
+マゾ王子?!
リズリー様は某姉妹+某海賊アニメの蛇女帝をイメージ(笑)