序章(3)
運命は決まっているわけじゃない。努力すれば運命は変えられるんだ。なんて言ってる人をよく見かける。まあ、強ち間違いではない。そう考えるのも何ら不思議ではないだろう。
未来は希望に溢れているんだぞ!と叫ぶ人もいるよな。明るい未来に向かってダッシュだ!なんて言って終わる漫画も存在するくらいだ。
だが、俺に言わせてもらえばこれはどちらも間違っている。
運命なんて残念ながら変えられない。これは断言する。明るい未来なんてどこにもない。待っているのは苦労と挫折の日々だなのだ。これについても残念ながら断言できる。少なくとも俺は。
俺たちにはどうしようもない。運命は、神様がいれば神様が、お天道様がいるのならお天道様が予め握っているのだ(俺は無宗教派なのでそこのところは分からないが)。未来も同じ。運命が決まっているのならその運命に従って未来は既に決まっている。
だが、一つだけ言っておく。俺だってそんなことは言いたくない。断言したくない。俺も信じたいよ。運命は自分自身で変えられるって思いたいし、明るい未来が待っているって信じたい。
しかし、俺はこう言わざるを得ない。本当に嫌だ。嫌だけど、信じたくないけど、この世界ではそう思ってしまう。その原因は
魔術師と超能力者の存在だ。
だからこそ、俺はこれが運命だったのかもしれない。こんな形で対立することも、そしてこんな形で――――――――
再会することも。