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帰り道。



なぜか先輩に連れられ、公園のベンチにいます。



「さっきはさ、本当にありがとうね。酔ってたからついあんな事しちゃって…。でも八目君、かっこよかったよ!」


途中に寄ったコンビニで買った、お茶やお菓子や缶チューハイやビール。

何でいきなりこんな事になってるんだろう。

動揺して何を渡していいか分からず、全て手に持ったまま。


『…そ、そんな事ないです。先輩が庇ってくれて嬉しかったし、かっこよかったというなら森野君です…。』


自分で言いながらシュンとしてしまう。

僕もあんな風にスマートにできたらなぁ。


「森野君と話すとねぇ、八目君の事ばっか。」


クスクスと笑う先輩に、どきりとする。


「やっぱ男だからなのかなぁー?八目君の造形がカッコいいだの、それなのに謙虚で努力家でいじらしいだの、もう、大好きみたいよ?八目君の事。」


『…森野君はとっても気が利いてて、いつも助けられてるのでそんな風に思って貰えてるなんて信じられないです…』


「そーお?他の皆も八目君の事大好きだよ。もちろん、私もね?」


『えっ…』


先輩と目が合えば、ニヤリと笑われる。


「あれだけ毎日熱心に見つめられたらねぇ?」


『あっ?!えっ、…その…すみません!!』


どうしよう、どうしよう、バレていた。

きっと、いや絶対気持ち悪い思いをさせてしまった。

どうしよう。


「…仕事、嫌だなーって本当に悩んでた時があってさ。」


『え…』


「残業で帰りが遅い時は、気付けばいつも少し後ろから見守ってくれて。私が課長に怒られてたりすると、八目君が挙動不審に落ち着きがなくなるから課長が毒気抜かれたり。」


思い出したように先輩はクスクス笑っているけれど、なんて拷問だ。

改めて先輩の口から聞くと、僕はまるで本当にストーカーじゃないか。





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