一時の休息
僕は委員長と協力の約束をした。
これは大きな前進だ。
二人なら計画にも幅が出来て色んな策を練りやすい。
校長の周りには悪魔の力によって校長にメロメロな女子生徒と女教師がいる。
このハーレムの前で校長を殺そうとすればおそらく邪魔をされるはずだ。もし、それで彼女達の誰かにケガをさせるのは僕の気持ちが許さない。何せ彼女達には罪はないのだから、そんな罪の無い人を傷つける事になってしまう。それに遥のいる前で殺人など出来ない。
僕は何とかして校長をハーレムから切り離さないとならない。
それが多分一番大変だろうな。
どうするかな。
僕がそんな事を考えていると悪魔は僕に話かけてきた。
「大丈夫なの?そんな難しい顔してたら思い付く策も思いつかないわよ。少しは落ち着いて息抜きくらいしなさいよ」
悪魔は僕にそう言うと指をパチンと鳴らすと缶コーヒーを出して僕に差し出した。
「サービスよ。まぁ、缶コーヒーくらいなら安いものだわ。どうせあなたからは何年分かの寿命を貰うのだから」
僕は悪魔から貰ったコーヒーを飲んだ。
その味は苦かったがでも、おいしかった。
そして、暖かった。
4月のこの時期には少し熱いが、それでもその暖かさが何か嬉しかった。僕は遥の手の温もりを思い出していた。
こんな缶コーヒーの温もりと比較にもならない優しい温もりを。
僕は取り戻すんだ校長から遥を。
僕はコーヒーを飲み終えると、とりあえず前に友達から借りた本を読みあさった。
今はなにも考えずに何かに没頭したかったのだ。
遥の事を考えれば考えるほどに今すぐにでも校長を殺しに行きたくなる程殺意が芽生えてしまうのだ。
しかし、無策で奴の元に行けば奴を殺すことに失敗して、更に相手の警戒を強めてしまってはマズイ。
だから、心を落ち着かせるために本を読もうと思ったのだ。
しかし、友達から借りた本はかなり友達の趣味によって種類が偏っている。
確かにライトノベルは大好きだ。それに委員長の契約内容を当てれたのも友達に借りた本の中に委員長が読んでいたのがあっからだ。しかし、流石にそんなにライトノベルだけ渡さなくても良かっただろうに。
まぁ、ライトノベルは大好きだから良いかな。
僕はとりあえず片っ端からライトノベルを読んだ。
晩御飯を食べてもすぐに自分の部屋に行き、ライトノベルを読みあさった。
夜がどんどん更けていくのにも気がつかずに読んでいたのだ。
僕が全ての本を読み終えると朝になっていた。
悪魔は横で呆れていた。
眠い。ただそれだけだった。
流石に朝まで徹夜していたのは体にキツイ。
まぁ、どうせ女教師の授業は行われなずに自習になるのだから、その時に寝ればいいな。
僕はそんな事を考えながら教室に行った。
すると、男子生徒全員が僕に向かってまた土下座をしていた。
「徹様、どうか我々のためにこれを来てください」
男子がそう言って差し出して来たのはチャイナ服だった。




