クラス一かっこいい人からの告白
その日、私は紅く染まる夕日の中で人生で初めての告白を、受けた。
告白の相手は、同じクラスの結城司くん。頭が良くて運動も出来る、私から見ればめちゃくちゃすごい人なのに、何故私に? 何かの罰ゲーム? と疑ってしまったが、どうやら、本気で私のことが、好きらしい。
二年生に上がり、一ヶ月ほど経ったばかり、結城くんと私は、一年生から同じクラスだった。中学校は、違う学区だったの面識は無い。告白の理由が、来年も同じクラスになれるか分からないから、と言うことらしい。
すっかり、葉桜になってかなり、寂しくなった響高校の桜。一番大きな古木の桜の木の下は、告白すると、幸せになれるって言うジンクスがある。かなり恥ずかしいジンクスだけど、日が傾きまだ、肌寒いこんな時期だと、通りがかる人なんてほとんどいない。見られたら明日が怖い。だって、結城くんはすごくモテる。
「秋月?」
「ああ、ごめんなさいっ」
現実感のなさに、私は、おろおろすることしかできない。結城くんのことは、嫌いじゃない。ただ、雲の上の人なので、すごく困った。私なんかと付き合ったら結城くんを、好きな他の子にすごく悪い。
「結城くんのこと、よく分からないよ?」
「これから、知っていけば、いいんじゃないかな。俺だって、秋月のこと、ほとんど知らない」
「それじゃあ…」
「でもね、君が優しく思いやりのある子だって言うことは知ってる」
「ほんとに、罰ゲームじゃないの? 私なんて、地味で何にも得意なことなんてないのよ?」
「そんなことないだろ。秋月は、何でも効率的に取り組んでいて、すごいなって思う、無駄がないっていうのか? それが、すごくかっこいい」
「ちょっ、それ誉め言葉ぽくない。まぁ、無駄なことは、嫌いだけどね」
「俺の告白も無駄なことだと思う?」
そう、さらりと聞かれたら余計に、困ってしまう。そんな、わけない。ぶんぶんと首を左右に振ってまるで子供みたいだ。全然、余裕なんてない。結城くんはすごく、冷静で羨ましくなる。
「考えてくれる? 俺のこと。付き合って俺のこと、分かってよ。少しでも俺のこと気になってくれているなら、仲良くなれる気がするんだ」
爽やかな笑みでそんなこと言われたら落ちない人なんていないと思う。クラスのみんなは優しいから私と結城くんが付き合い始めても祝福してくれるかな。そうだと嬉しい。
「勘違いしてると思うから言っておくね。秋月が何を気にしているのか分かる。俺の周りの女の子達は、俺じゃなくて、俊目当てだよ。俺は誰とも付き合っていない。それだけは、はっきりさせておきたい」
「松本くん目当て?」
松本くんはいつも、面白くてみんなを笑わせてくれるムードメーカー。顔は良いしスポーツが出来るタイプだけど、勉強の方はいまいちだ。
何かがすとんと、胸の奥に収まった。松本くんのことなど、何にも気にしていなかった。それは、きっと、私にとって、松本くんよりも結城くんが気になっているから。
「宜しくお願いします」
と私が告げると、結城くんはとても、嬉しそうに笑ったのだった。私はきっと、この笑顔がとても大好きなのだ。
そして、二年生の春。私に素敵な彼氏が出来た。
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