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四話 自業自得

 ____お姉様が正式な婚約者に選ばれたのは、それからすぐのことだった。


 私は寂しさもあったけれど、お姉様が選ばれたことを同時に心の底から祝福していたわ。


 …………本当ですよ?


 お姉様を奪われたくないのは嘘じゃない。

 でも同時に、お姉様には幸せになってほしいという気持ちも確かにあったから。


 ……矛盾していますよね。


 大人になった今だったら、もっと素直に祝福できたんだろうな。


 ……なんて、今更何を言っても遅いのですけれども。





 ____それからの生活で想定外だったのは、二つ。


 一つは、正式な婚約者となった二人のお茶会に、なぜか私も呼ばれるようになったこと。


 それもどうしてか、お姉様に招待されることが多かった。


 二人は想いあっている婚約者なのに、私がその場にいたら邪魔じゃないの?って、何度も思ったわ。


 ……今あなた、「どの口が言ってるのよ」って思ったでしょう。私だって自覚していますわ。


 その場でハッキリ断ることが出来たら、どれだけ良かったのかしらね。


 でも、あの頃の私はとにかくお姉様と一緒にいられるのが嬉しくて……誘われるままに、ついつい参加をしてしまっていたのですわ。




 そして二つ目は、お義兄様……ユージン様との文通が思った以上に長く続いてしまったこと。


 正直、私は何回かラリーをしたら終わるものだと思っていたのですけれど……。


 ユージン様ったら変なところで律儀で、全く終わる気配がなくって。


 かといって私から断るのも、失礼にあたるのではないかと思ったら何も言えず……。


 ……誰かに相談出来たら良かったのでしょうけど、『秘密で』と言われたことを律儀に守っていたから、誰にも相談できなくて……。


 結局文通は、私が十二歳になるまでの四年間も続いたんだったわ。


 本当に、何をやっているんだか……と自分でも思うけれど。

 まぁ、自業自得ですわね。


 だってその文通のせいで、お姉様のせっかくの初デートを台無しにしてしまったんだもの。


 あれほど自分の行いを後悔したことはないわ。


 だからこそ、失礼だとわかっていても、『もうこの文通は終わりにしましょう』とハッキリ告げる決心ができたの。


 ちなみに、お義兄様が文通をしていたのは私だけだと知ったのもその時でしたわ。


 ……そうそう、そのついでに、今までお姉様とセットで贈られてきたプレゼントも全部お返ししたんだった。


 正直な話……。

 一度も使用したことがない……というか、立場上使用できるはずのないプレゼントばかりが増えていって、困っていたのです。


 念の為、ですけれども……。

 私だって、「プレゼントは大丈夫ですわ」とやんわり断ったこともあるんですよ?


 でも、「遠慮しなくていい」と返されてしまった時は流石に頭痛がしたわ。


 ……まぁ、結局のところ。

 しっかり断れなかった私の自業自得ということなのだけれど……。

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