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三話 馬鹿な子供だった

 ……本当に、馬鹿なことをしたと思っているのです。


 それでも、子供だった私は嫉妬してしまったの。

 八年間ずっと一緒に暮らしてきたお姉様が、ぽっと出の男の子に心を奪われてしまったことに……。


 だから、ほんの少しだけでもお姉様に私を見て欲しくて、邪魔をしてしまった。


 二十六歳になった今でも、あの頃のことは後悔しているし反省しているわ。


 私がここで乱入なんかしなければ……お姉様達の関係があれほど拗れることは、なかったんじゃないかと思うから。


 ……正直に言うと、この時の私は見くびっていたのです。


 ……お義兄様のとんでもない不器用さと、お姉様の健気さを……。



 だってまさか、お茶会の数日後に私にも手紙が来るなんて、思わなかったんですもの。


 普通、こういうものは婚約者候補にだけ送るものでしょう?


 しかも、お姉様には便箋一枚で、私には便箋二枚だなんて……。


 いくら手紙の内容がお姉様に関わることばかりだとはいえ、これではお姉様が不安になるのも仕方ないわ。


 でも……同時にこの人は……ユージン様は、お姉様のことを強く想ってくれている。

 その気持ちは、私にも理解出来てしまったから……。


 だから私は、お姉様には内緒で、ユージン様との文通を始めたのです。


 そもそも高位貴族に手紙で『内緒にしてほしい』と言われた以上、私には約束を守る以外の選択肢がないのですけれども。


 まぁ、お姉様のことが好きな者同士、ご友人としてお姉様の話が出来たらと思って……。


 それに、未来のお義兄様候補ですもの。

 少しでも仲良くなれた方が、家のためにもお姉様のためにも良いと、あの頃の私は思っていたんだわ。


 ____そう、これが、私の二度目の大失態になるとも知らずに……。




 ……というかそもそも、私は一つ勘違いをしていたのですわ。


 ユージン様は、私だけじゃなく当然お姉様とも文通をしているものだと思っておりましたの。


 普通に考えて、婚約者候補とは文通せずに、その妹とだけ文通をしているなんて思うかしら?


 もちろん、私は思いませんでしたわ。


 …………まぁ、結局こんなのは言い訳にしかならないのですけれど。


 とどのつまり何を言ったところで、私のしたことは馬鹿なことで、未熟な子供だった、ということですわ。

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