十八話 表面上の幸せ
ユージン様からプロポーズをされた後、二人で話し合って結婚式は一年後に決まった。
両親、そしてビアンカにプロポーズと結婚式のことを伝えると、大層喜んでくれた。
どうやら、私達の間が少しギクシャクしていることに気付いていたらしい。
母に「心配していたけど、上手くいっているようで良かったわ」と言われて、私は苦笑することしかできなかった。
それからの一年間は、月に一度はお茶会とデートをするようにした。
契約結婚だと割り切ってしまえば、案外気持ちも楽なもので。
気付けば私はユージン様の前で、以前よりも自然に笑えるようになっていた。
ビアンカもそんな私達の様子を見て、「ようやく想いが結ばれたのですね」とほっとしてくれていたけれど……。
そんなビアンカに対して、「ユージン様はあなたのことが好きなのよ」とは、口が裂けても言えなかったわ。
ちなみにユージン様は、お茶会の度に「今日はビアンカはいないんだな」と確認してくるものだから、わかりやすすぎてもはや笑ってしまった。
私が「ビアンカもお呼びした方が良かったですか?」と聞くと、「いや、いい。二人で大丈夫だ」と強がるのが少し不思議だったけれど。
……それでも、相変わらずクッキーは美味しそうに食べてくれるので、ついつい毎回作ってしまうのよね。
そんなわけで一年経った頃には、私とユージン様の仲はそれなりに良好なものになっていたのだった。
***
……瞑っていた目を開ける。
ここまで、長かったわね。でも、この式が終われば、ようやくユージン様に伝えられるのだわ。
「……それでは、新婦の入場です。皆様拍手をお願いいたします!」




