肉に喰らいつけ! バーガーとの戦い
読み返したけど、歴史要素がほとんどありません。
勢いで書きました。スミマセン。
肉に喰らいつけ! バーガーとの戦い
1
オレは年に2~3回ほど、バーガーが食いたくなる。
バーガーといってもチェーン店のやつではない。
オレはもう長らくマク○ナルドなどのバーガーを食っていない。
この味を知ってから、チェーン店に行く足はパッタリ止まった。
1000円台後半から、2000円越えの本格高級バーガー専門店だ。
そして今日。久しぶりにお気に入りのハンバーガー店に入る。
平日の昼とあって、客は少ない。
開いている席に着く。テーブルの上に置かれたメニューを開く。
そう、レジに並んで注文するスタイルではないのだ。
一番安い、辛うじて2000円を超えない「ベーコンチーズバーガー」と「コーラ」を店員に頼む。
クラフトビールもあるが、別にオレは某イノ○シラさんと違って下戸ではない。
300ミリリットルでは、あまり飲んだ気がしないので、オレはバーガー店ではコーラを注文する。
注文を受けてから奥のキッチンで調理が始まる。
オレは店内を見回す。
一言でいえば、「アメリカン」。
店の外観や入り口からしてそうで、50~60年代のアメリカンな雰囲気に溢れている。
例えば、壁には額に入った当時のチラシやポスター。
音量を抑えて流れる音楽も、古き良きオールディーズだ。
おっ、オレの好きなバディ・ホリーが流れてきたぞ。
2
大皿にベーコンチーズバーガーとコーラ、そして会計用紙が置かれた。
で、でかい…。あいかわらず圧倒される。
自家製のバンズに挟まれた、厚いベーコンとトマトとチーズ、そして分厚く焼けた粗挽き肉のパティ。
それらをレタスが受け止め、全体に特製BBQソースがかけられ、崩れないようにピンがブッさ刺さている。
全高20センチはあるんじゃねーか。
スマホを取り出す。
バーガーは真横から撮るべし。
「こちらにつつんでお食べください」
店員さんがこのバーガーを入れる白い薄い紙をオレに渡す。
いつも思うがオレはこの紙につつんで、きれいに食べきれたためしがない。
また、皿にはホクホクの「フレンチフライ」数十本がバーガーの周りに盛りつけられている。
フレンチフライは通常でついてくる。
オレはこのフレンチフライ(ズ)を、ソースやチーズを皿にこぼした時のふき取り用として食べる。
あっ、ちなみに「フライドポテト」って和製英語だからね。
ややこしいのはイギリス英語だと「チップス」なんだよなぁ。
ごたくはいいや。さてピンを取り紙袋にバーガーを入れる。「いただきます」。
3
「ガブリ」。うおっ!いきなりベーコンがずり落ちそうになったぞ!
このままベーコンだけを食べるか。
おっと!今度はチーズが紙袋の中に落ちて行った。
これは後でフレンチフライですくって食べよう。
早くも手はべとべとだ。
これは…、バーガーとオレとの戦いである。
ぼたぼた皿に落ちるソースとチーズ。ついにレタスまでこぼれそうだ。
メインの肉にかぶり付く。
熱々でジューシーだ。
トマトと何とか残ったチーズとバンズで一緒に食う。
「うまい…!」。この手づかみで食べるという行為は、遥か昔の人類の記憶を呼び起こす。
…とは言い過ぎか。
4
ハンバーグにパンを挟んで生まれた「ハンバーガー」の起源は諸説あるらしい。(「ハンバーグステーキ」自体の起源じゃないよ)
一番有力な説は、フレッチャー・ディヴィスという人が、分厚いパンにハンバーグと玉ねぎのスライスを挟んだ食べ物を売り出したそうだ。
これを1904年のセントルイス世界博覧会の飲食ブースで披露すると、一躍大人気になったそうな。
まぁ、要するにパンで具材を挟む食べ物、サンドウィッチの一種だ。
そういえばサンドウィッチって、サンドウィッチ伯爵がカードやりながら手軽に食べるために開発したんだっけ?
何か鉄火巻みたいな話だが、サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギュー(1718年~1792年)が発明した食べ物ではないそうな。(鉄火巻が賭場で生まれた説もどうも怪しいらしい)
そうそう、「なろう」でサンドウィッチの起源についての詳細なエッセイがあったような気がする。
「ジャガイモ」・「トマト」・「サンドウィッチ」。なろう三大ツッコミ食べ物(食材)だ。
この三大ツッコミとオレは格闘をしている。
例のエッセイは家に帰ったら読もう。
今、手がべとべとでスマホ触りたくねーし。
5
ふぅ、皿に落ちたソースやチーズをフレンチフライ(ズ)でふき取りながら、どうにか全部食べ終え、最後にコーラを飲み干す。
ところで、この種の店で手を拭くのって、あの薄いパッケージに入った消毒液が浸み込んだ紙おしぼりが大半なんだよなぁ。
この手のギトギトを落とすには、最低でもこれが5つは必要だぞ。
なので、支払い前にトイレで入念に手洗いをする。
しかし、だ。
サンドウィッチを初め、この種のパンで挟んだ軽食って、手を汚さないために開発されたのでは?
多分、フレッチャー・ディヴィス氏が出していた「ハンバーガー」は、分厚いパンに挟まれたハンバーグをかぶりつきながら、博覧会を楽しむものだったのだろう。
何故、「ハンバーガー」はこのような重量感あふれるモノへと変化したのか?
そう、「(本格)ハンバーガー」は料理へと昇華されたのだ。少なくとも軽食ではない。
お会計をする。
コーラと消費税込で2500円を超えていた。
バーガーで2500円も出す奴なんて、バカだと思うだろう。
だが、バーガーはオレにとってもう料理なのだ。
蕎麦屋で天せいろと冷酒一合を頼んで2500円を払うなら、誰もおかしいとは思わないだろう。
それと同じ事だ。
まぁ、料理なんだから、お手拭きは紙おしぼりでなく、デカいタオルのおしぼりにして欲しいところだなぁ。
支払いを済ませ、「ごちそうさま~」と、このアメリカンの素敵な空間をオレは出る。
あーっ、食った、食った。また数カ月後に来よう。
肉に喰らいつけ! バーガーとの戦い 了
最後は孤独のグルメのEDのBGMが流れている感じです。
作中のサンドウィッチについてはこちらのエッセイになります。
・サンドイッチという名の由来とサンドイッチ伯爵という人(ななみや様) → https://ncode.syosetu.com/n4191hp/
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