Fランク
ギルバートさんギルドカードを持って来いと言われて首に書けてあるカードを手渡すと
新しいカードに革紐付け替えてくれ魔力を流す様にと手元に戻って来た
言われるままに魔力を流すとギルバートサンに
「Fランクに昇格だ」
と伝えられる
「え 本当ですか ありがとうございます」
「半年で昇格するなんて良く頑張った でもこれからもギルドの下働きは続けるだろ 給料もきちんと上げるし休みも増やしていいからよ」
「はい よろしくお願いします」
ギルドカードを見つめるとGランクじゃなくFランクのマークが記されていて年齢が7歳になっていた
熱くなる前の初夏に誕生日を迎えたのだ
マーサに沢山のご馳走を作ってもらいお祝いをしてもらったし今腰に下げてあるベルトと短剣をプレゼントしてもらった嬉しくて思わず触っていたりする
それから2ヶ月が過ぎている
気温も上がり暑い日が続いている
そして少し心配な事が出来た
マーサが体調を崩す事が増えてきている
2、3日休めは良くなるのだが前より頻度が多くなってるから心配
事情を話せばお休みさせてもらえるので助かっている
休みを増やしていいのは本当に助かる
マーサの看病のときに使わせてもらいたいからだ
ギルバートさんに手配してもらった町医者に診てもらったが病気ではないとの事なので安心した
本邸にいる父親にも執事を通して伝えたのだが…マーサの給料と生活費を送って来て本邸から人は出せないこととそちらはそちらでなんとかしろ こちらの事は心配しなくていいと執事から伝えられた
マーサの看病をするのは全然苦ではなく一緒に居られて嬉しいので文句は無いのだが父の乳母と聞いていたので少し憤りを感じる
マーサは本邸の仕事が無くなって楽になったと喜んでいたので良しとした
「よし 早く解体場に行かないと」
慌てて向かうとビルダーさんが声をかけてくれる 「嬢ちゃんFランクになったんだってな 良かったな」
「はい 皆さんのおかげで昇格できました ありがとうございます」
「そんな事はねぇ 嬢ちゃんが真面目にこなしたからだ なあマーク」
「そうですよ 一生懸命に仕事してたからね」
2人は喜んで褒めてくれる
フレイム家の人達と違いいい人達と関われて幸せだなと感じてしまう
解体の仕事は角うさぎとレッドスネークとホーンラビットで10匹を解体していく
手慣れたものでビルダーさんとマークさんは大物のビッグボアやディア等の解体をしている
早く終わらせて解体の見学をさせてもらう
2人とも私が見てる時は分かりやすく解体してくれるので勉強になるのだ
冒険者はその場で解体をする事が出てくる
大きめのマジックバックを持っていたりアイテムボックスを使える人以外は買い取り額の高い皮や角を持ち帰って来ていると教えてくれる
「時間経過するのは血抜きをしたほうが肉は高く買い取ってもらえるぞ」
「そうなんですか でも大物はどうやってするんですか?」
「そりゃあロープで吊るして血抜きするんだぞ」
「…それは大変です」
どうやって吊すか想像していると横からカークさんが
「まだ大丈夫だよ 森の奥に行くときはギルマスかトリスタンさんと一緒だろ」
「色々考えるのは良いことだ 邪魔するんじゃねぞ」
ビルダーさんがマークさんを手でしっしっと追い払う
「水魔法なら楽に血抜き出来るのがあるらしいが…マーサなら生活魔法でも出来そうだけどな」
「そうですね 聞いてみます」
使用した場所や周りを片付けて休憩に入る
マーサと一緒に作ったお弁当を食べていると食堂の方が騒がしくなったので様子を見ているとベアーズさん慌ててギルドから飛び出して行ってしまった
驚いているところにクリスさんが笑いながら教えてくれる
「なんか奥さんが産気付いたそうよ」
「赤ちゃんが産まれるんですか」
「まだ時間はかかるだろうけど今日中には産まれると思うわよ」
出産は個人差があるが早い人でも4時間位はかかるらしい
遅い人は1日かかることもあるそうだ
「今日は食堂臨時休業ね」
クリスさんが2階に上がって行った
残りのでお弁当を食べているとギルバートさんから声をかけられる
「アニー悪いんだが午後は食堂の手伝いに入ってくれるか」
「分かりました」
ベアーズさんには今日から3日間休みを取らせる事になったので以前働いていたギルバートさんの奥さんのアリーナさんが料理を担当してくれる事になったそうだ
夜の下準備が出来いないのでそれの手伝いをすることになった
食堂の調理場に行くとじゃがいもや人参 玉ねぎが木箱で置かれている
食在庫から出されているので皮むきを始める
こんなに沢山の皮むきはしたことがないのでやる気を出す
なんとかじゃがいもの皮むきを終わらせて水につけてた所で人が入って来た
「あら 貴方がアニーちゃんかしら 私ギルバートの妻のアリーナよ よろしくね」
長い髪を後ろで纏めている優しそうな人だった
「こちらこそよろしくお願いします これはどうしたらいいですか」
じゃがいもを差し出して聞いてみる
「半分はフライにして残りはスープに使うから」
と手本を切ってくれた
アリーナさんは向かいで肉を切っていく
じゃがいもを終わらせると人参と玉ねぎも見本を切ってもらいその通りに切り分けていく
アリーナさんは手早く肉を切り分けて調理台でスープを作り始めた
スープ用に切った具材をアリーナさんの近くに待って行き次は野菜炒め用のキャベツ等の葉物野菜を切っていく
スープができる頃にはパンが届いた
「なんとか準備出来たわね アニーちゃん助かったわ」
お茶を入れてくれたので2人で飲む事になった
「立ったままで悪いわね」
「いいえ 美味しいです」
「本当にギルバートに聞いてた通りの子で安心したわ」
なんかギルバートさんが家でも褒めてくれたらしい
お世話になってる事を伝えると笑ってくれた
少し仲良く慣れた
ウェイトレスのお姉さんが来たので交代してクリスさんの手伝いに入ることになった
最近は外に出て汚れた人にクリーンをかける事が増えて来ているのですぐに受付に呼ばれる
いつものカーゴさんとキキさん夫婦だった
「お帰りなさい お疲れ様でした」
「ただいま 今日もお願いね」
「頼む」
返事をしてクリーンを発動する
「やっぱりアニーちゃんのクリーンはさっぱりするわ」
「そうだよな」
「ありがとうございます」
銀貨1枚の料金だが毎日利用してくれるのはこの2人ぐらい
銀貨1枚あればギルドでもエール1杯と夕食を食べれるので気になる時だけの人が多い
安い宿屋にも泊まれる値段らしい
でもその値段では部屋は借りれないので大部屋に雑魚寝になってしまうそうだ
興味しんしんで聞いていたらクリスさんにお金に困ってもそんなに所に宿を取っては駄目だと言われた
そんなに困ることになったら先にクリスさんかギルバートさんに相談することを約束している
その後も怪我をした人にファーストエイドや要望の人にクリーンをかけながら買い取りした素材を片付けていく
「アニーちゃんそろそろ時間よ」
「はい この分だけやります」
「ありがとうね」
仕分けを終わらせ掃除して帰る準備を終らせると受付のお姉さん達に声をかけてお弁当を受け取りにいく
「あらアニーちゃんお弁当用意出来てるわよ」
「ありがとうございます」
「また明日もよろしくね」
「はい また明日お願いします」
ギルドを出て家路を急ぐ
探索で周りを確認しながら帰る
これも訓練になるとマーサに聞いたので出来るだけ使う事にしている
今日は帰ったらビルダーさんが言ってた血抜きの事も聞かないといけないしFランクに昇格出来たことも報告するからいつも以上にうきうきしながら帰ることになった




