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氷花薔薇の女騎士  作者: 花月夜
2/2

機械に恋はわかるまい


      人は愛憎に狂い、愛憎に支配されている。






森の中を歩いていく


足場には、薄っすらと水が張り

森が反射して、一層深く感じる

しかし、思いのほか歩きやすい


我が国の森だが、水がどこからでも湧く不思議な森だ

おかげで稲作は助かり、水不足になりにくい


しかし、そういったところには必ず ”魔物”がいる。


神秘的な自然、魔法の力場、闇深き場所

魔のエネルギーを元にした生命体は肉体とはいえない、魔力の光の粒の集合体で構成されている。



「先頭は任せていいかな?」


「ああ、いつもの事だ」



薔薇の騎士として、私は部隊の先鋒を務める事が多い


私の持っている道具の索敵能力

私の俊敏性と高い機動力がそれに向いている。



『26回』


「は?」


『本日、シャガリアンティリウス様が あの方を目で追った回数です。』



私の横に浮かぶ白色の丸い物体が私に話しかけてくる


これが索敵を行える道具、”機械”という奴だ

魔法界では魔神マシンと呼ぶ者もいる。


「うるさい、壊すぞ 作戦に関係ある事以外は喋るな」


『はぁ、まるで10代に満たない小娘のような恋愛ですなぁ じれったい』


「機械如きに恋愛の心の機微がわかってたまるか、女も男も無いんだからな!」


『人工知能差別ですよ! まぁ確かに特定の性別は私には先天的にプログラムされてませんが

 ある意味、最もニュートラルな存在です。』



なぜ、道具にこんな会話機能なんて付いてるんだ…煩わしい…



後ろを付いていく他の騎士団員と、団長はその様子を見ながら歩いていく


「だ、団長殿…あれがキカイというヤツですか? 私、初めて見ました」


いつもの王国直属護衛師団ではない、今回の会合で一緒になった別地域の地元騎士だ


「ええ、あれを使えるのが我が団の近衛隊長シガの強みの一つです、超未来文明の技術だそうです。」


丸い機械は宙を浮きながら、薔薇騎士の回りを飛び回り 何かの言語を話している


「それは本当なんですか…?未来から来たなんて?」


「大国では時の魔法の研究もかなり進んでいるそうですよ、最も あの機械は未来の業でここに来たそうですが」



コイツの言語は今のところ、私にしかわからない

情報の機密性をあげる為に、私が手に入れた時に私にしかわからないよう

私の身体に何か細工したらしい


勝手に人の身体に何かしよって、そのせいで何か異常が現れたら分解してやる…


『あなたの言語理解中枢を少し拡張しただけです、物理的接触はせず、光学式テクノロジーで痛みなく脳に特定の生態回路を増幅しただけですので、ご心配なく』


何を言ってるかわからないが、頭の中に勝手に何かしたって事だろう?

人の心の無い所業だ、クソ機械め




『待って、敵がいます 前方20m先に3体…』


発見したか、もう随分近いじゃないか


『魔法生命体は特定が難しいのです、私の世界には無かった力ですのでデータが少ない』



こいつは未来から来たが、次元も世界すら異なるところから来たらしい

よって、私らの世界に対しての予言などは出来ないという事だ。


私も気配を感じた

後ろに合図を送る。


団長、あいつは既に止まって 余裕の顔でこちらを見ている

あの野郎、ずっと前から敵に気付いてたな、化け物め


団長の危機察知能力は、臆病なネズミ以上だ

が、もちろん大将に先陣を切らせる訳にはいかない

時と場合によるが


敵の影が、森の奥から覗き込む

人型に近い、猿か それに近い系統



私は、波紋を水面に起こさずに踏み込む

予備動作なし


「消えた…?」

騎士の一人が呟く


スン スン


二振り、剣を抜いて斬る



ズシぃぃいいン


まずは、木が倒れた

続けて、三体の魔物の身体がゆっくりとズレ始め

魔力の光となって消え去る


近くに固まっていた二体は同時に仕留められた


剣を納める、元の位置に戻りながら


薔薇の花弁が舞った


「あれが、彼女が薔薇の騎士と呼ばれる所以です。 彼女の魔力はまるで薔薇の花びらのように結晶化して見える…」



世界で最も美しい剣技、と称される流派だ



任務完了。




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