1話 ここは………?
初作です。よろしくお願いします。
ここはどこだ?
目を覚ますとそこは木が生い茂った森だった。薄暗くて少し不気味な場所のようだ。
辺りを見渡して見ても木しかなかった。
どうやら俺はとんでもない所に居るらしい。考えるにここは、森の奥より深い所だろうか?
いつまでも考えていても仕方がないので、俺は辺りを探索しようと思い立ち上がろうとする。
しかし——
ん?感覚はあるのにこれ以上伸びないぞ?
俺は不思議に思い、下を見る。
そこにあったのはモフモフの毛に覆われた前足だった。
は?
なんだこれ?こ、これは肉球?まさか!おもむろに後ろをみる。
そこにはなんとくねくね動く可愛らしいしっぽがあった。
ま、マジか。俺、ね…ね…ね…………
「にゃぁぁぁぁぁあああああ!!!」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
よし、取り敢えず落ち着こう。まず俺は目が覚めると知らない森の中にいて猫になっていたと……………
「にゃぁぁあ!」
しかし、なぜ猫になってるんだ?俺は死んだはずでは?信号無視したトラックに撥ねられたはずでは?
そうか、これ。異世界転生とかの類だな?でもそれならせめて人間にして欲しかった。寄りにもよって猫とか………
そういや、チートみたいなの無いのか?そもそも、俺のステータスとか見えねぇのか?
ブォン
ん?なんの音だ?お、この目の前の板みたいなのは………
名前:なし 性別:メス
種族:???
年齢:1歳
ステータス:
Lv:1 HP:18 MP:14 STR:6 VIT:16 DEF:8
INT:24 DEX:7 AGI:24 LUK:16 EXP:6/6
スキル:
『鑑定』『強奪之牙』
称号:
《転生者》《強奪之王》
ん?まてまて!性別メスだと?マ…マジかよ………
しかもスキルのこれ『強奪之牙』ってなんだ?鑑定してみるか。
[スキル鑑定]
『強奪之牙』:このスキルを使用し牙の攻撃をすると相手のステータスやスキルを奪うことが出来る。大罪スキル。ユニークスキル。
うお、強いなこれ。制限ないのかなこれ?流石に何か縛りみたいのはあるよね?
ん?よく見ると出来るの上に小さく書いてあるな。そりゃそうだよね。何もなかったら噛んで、はい終わりー。みたいな感じになるもんね。
ちなみにこの森にはこのステータスで殺れる魔物みたいなのは居るのだろうか?
そんな事を考えていると後ろから——
ガサガサ
! なんかいる!
俺は急いで振り返るそこに居たのは…………
ポヨん
へ?スライム?なんか拍子抜けしたな。
ビュッ!
安心したのもつかの間、スライムが何かを俺に吹きかけていた。
ん?なにこれ………?
「——にゃ!」
く、クソ!なんだ…いてぇぞ………まさか酸か?取り敢えず鑑定をしてみねぇ事には分かんねぇ
名前:なし 性別:不明
種族:ブルースライム
ステータス:
Lv:1 HP:8 MP:6 STR:2 VIT:7 DEF:5 INT:3
DEX:8 AGI:14 LUK:6
スキル:
「酸攻撃Lv1」「自己再生」「軟化」
よし、勝てなくは無さそうだな。でもどうすれば?爪で攻撃したら行けるかな?試しに………
ザクッ!
お、ポヨんポヨんしてるから無理かと思っけど意外と当たるな。でもHPあと3残ったな。くっ!またあの酸かっ…!避けねぇと。
ヒュッ!
うお、あぶね。危うく掠る所だった………
次で決める!
ザシュッ!
プルプルプル デローン
うお、急にプルプル揺れたと思ったら溶けた。もしかして倒した?
俺は確かめるために前足でつついてみた。
ふむ、大丈夫そうだな。それじゃあスキル使ってみるか。
『強奪之牙』
ガブッ
[ステータス、スキル「酸攻撃Lv1」「自己再生」「軟化」を奪いました]
よし、問題無さそうだな!ちなみにどうなってるんかな?
名前:なし 性別:メス
種族:???
年齢:1歳
ステータス:
Lv:1 HP:26 MP:20 STR:8 VIT:23 DEF:13
INT:27 DEX:15 AGI:38 LUK:22 EXP:6/4
スキル:
『鑑定』『強奪之牙』「酸攻撃Lv1」「自己再生」「軟化」
称号:
《転生者》《強奪之王》
おお、少ないけどステータスも上がってるね!スキルも追加されてるし!このまま行けば世界最強、なんてのにもなれそうだな………
ま、取り敢えず森の中歩いてみるか。なんか見つかるかもしんねぇしな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
んー?なんも無いな。マジで何もないなこの森。さっきのスライムはたまたまか?こんな薄気味悪い森に居そうなモンスターが居ないんだけど。
あれ?なんだ向こうの開けた所。声?明らかに人間の声ではねぇなあ。モンスターだろうな明らかに。
俺は若干不安に思いながらも向かった。
案の定声の主はモンスターだった。
「グギャ」
「ギャグャ」
「グャギャ」
モンスターと言えばのゴブリンさんである。しかも三体か……。さっき手に入れた酸攻撃を試すチャンスだな。っと、その前に鑑定しとかねぇとな。
名前:なし 性別:オス
種族:森ゴブリン
ステータス:
Lv:2 HP:24 MP:14 STR:21 VIT:27 DEF:14
INT:12 DEX:16 AGI:17 LUK:18
スキル:
「投擲Lv1」「棒術Lv1」
名前:なし 性別:オス
種族:森ゴブリンメイジ
ステータス:
Lv:2 HP:21 MP:24 STR:14 VIT:24 DEF:16
INT:25 DEX:12 AGI:19 LUK:12
スキル:
「杖術Lv1」「魔力操作Lv1」「火魔術Lv1」
名前:なし 性別:オス
種族:森ゴブリンシーフ
ステータス:
Lv:3 HP:16 MP:14 STR:29 VIT:17 DEF:16
INT:17 DEX:24 AGI:28 LUK:19
スキル:
「短剣術Lv1」「隠密Lv1」「気配察知Lv1」
ふむ、なかなか強いな。これ一撃じゃ無理だな。しかも厄介だな。魔法使いに盗賊か……。ゴブリンもここまで揃ってるときついね。取り敢えずシーフから殺るか…………
「グギャ?」
不味い!シーフに気づかれた………!
一か八か酸を出すしかないか。
ビュッ!
「グギャャャャヤヤヤヤ!!!」
うわ、うるさ。よし、この隙に!
ヒュッ! ザシュッ!
「グュ……」
よし、一体いけた。次は魔法使いだけど………魔法使ってくるよね。
「グギャグギャ……ギャ!」
ゴブリンが何か言った後に杖の先から丸い火の玉が出てきた。そしてそれは明確に俺の事を狙っていた。
ゴォォォォ!!!
うおっ!あぶね意外と早くて焦った。でも、避けられるならこっちの勝ちだ。あ、そうだ。爪に酸纏わせて攻撃出来ないかな?
……………よし、何とかなりそうだな。それじゃ行くぜ!
ヒュッ! ザシュッ! ザシュッ!
よし!終わったー!それじゃ奪うとしますか。
『強奪之牙』
ガブッ
[ステータス、スキル「投擲Lv1」「棒術Lv1」「杖術Lv1」「魔力操作Lv1」「火魔術Lv1」「短剣術Lv1」「隠密Lv1」「気配察知Lv1」を奪いました]
おお、沢山ゲットしたぜ!だけど……ほとんど使えない…………
まぁ、いいや取り敢えずステータス確認しとこ
名前:なし 性別:メス
種族:???
年齢:1歳
ステータス:
Lv:2 HP:96 MP:78 STR:77 VIT:95 DEF:64
INT:85 DEX:71 AGI:107 LUK:75 EXP:15/4
スキル:
『鑑定』『強奪之牙』「酸攻撃Lv1」「自己再生」「軟化」「投擲Lv1」「棒術Lv1」「杖術Lv1」「魔力操作Lv1」「火魔術Lv1」「短剣術Lv1」「隠密Lv1」「気配察知Lv1」
称号:
《転生者》《強奪之王》
おお、ステータス大分高くなってきたな!AGIなんて3桁行ったし!やっぱりステータスも奪うの強いな………
よーし!この調子でどんどん狩って強いスキル奪うぞー!
ある日から森の生態系がバランスを崩れたらしい。それを知る由もない1匹の猫はスキル集めに勤しんでいた。
後書きに今回で出てきた色々について書いときます。
まずスキルについて
「」←このカッコはノーマルスキル
『』←このカッコはユニークスキル
ノーマルは特定の行動を沢山行うと取得出来る。
ユニークは進化スキルなので基本持ってないのが大半。
スキル紹介
『鑑定』その名の通り鑑定出来る。見破れない物は殆ど無い。
『強奪之牙』主人公のチート能力。基本的にこのスキルが物語のカギを握る。
「酸攻撃」酸を出せる。
「自己再生」簡単な傷は治る。
「軟化」とにかく柔らかくなる。使い所が難しい。
「投擲」物を投げる時に安定しやすくなる。Lvが上がれば更に良くなる。
「棒術」棒の扱いが上手くなる。Lv…
「杖術」杖の扱いが上手くなる。Lv…
「魔力操作」魔力を操作出来る。このスキルがないと魔法は使えない。きっとゴブリンは頑張って獲得したんだろうな。
「火魔術」基本属性の魔法。他にはあと6種類基本属性がある。
「短剣術」短剣の扱いが上手くなる。Lv…
「隠密」相手に気付かれずに行動しやすくなる。Lvが上がれば上がるほど気付かれずに行動出来るのでなるべく上げたいスキルではある。
「気配察知」気配に敏感になる。他にも察知系のスキルがあれば………?