目覚めの時
静かで緑豊かな地。
光を浴びることのない、この深い深い地に墓標が3つ。
左から『ルー』、『イテロ』、『クイト』。
かつて恐れられながらも尊敬されていた英雄。
1000年程前に存在してたであろう王国、【クァリス】。
その時代を【錆金時代】と呼ぶ。
錆金時代には多くの英雄や戦士、賢者などがいた。
その中でも特に名の知れた者達がこの3者だ。
『支配のルー』、『創生のイテロ』、『破滅のクイト』。
3人は常に一緒にいて【神の一歩】という組織の創立者達だ。
今の時代にも【神の一歩】という組織が存在する
だが今の組織は昔のように善ではなく悪だ。
世界中を恐怖に陥れた組織。
絶対的強者であり、絶対的な悪の象徴。
世界が平和になることを願っていた英雄達。
3人の墓には金色の文字でこう書かれている。
世界が平和になるように。人々が困り困っていたなら、人々の生きる道筋になりなさい。貴方達は私が育てた優しい心。
恐怖を感じた時、金色の文字は紫色の文字に変わる。
墓に掘られた文字は紫色に光り、墓はギギギと音を鳴らしている。
墓から白く輝く手が見える。
手の次には腕、胴体、頭と足が露わになる。
墓から起き上がった者は首をポキポキと鳴らし言った。
「よく寝たわ、フワアァァ!」
「まだ肉を食っていたんだが。」
「起きたてだよ!?もうちょっと状況把握がんばろうよ!」
と。