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かざぐるま

作者: まえとら
掲載日:2021/06/11

あの子が生きてりゃ。ちょうどこの子と同じくらいになってたはずだよ・・・

女は宿場町で仲良くなった坊やに風車を買った。


ご飯に箸を突き刺すことは、この世とあの世との橋渡しという意味で良くない。お葬式でお供えするやり方だ。

めしやで目の前の椀に血が滴っている風車が突き刺さった。

「お願いだよ。坊やを助けておくれ・・・旦那・・・」

腹を刺された年増の女が涙ながらに懇願した。

他人との関わりを極力避けて生きているあっしの目の前に酔っぱらった男が刀を振り回し暴れていた。坊やの頭に刀が振り下ろされようとしたその瞬間。あっしは坊やを抱えて飛び退った。


「なんだぁ?てめえは!」

刀を振りかざしてきた男。あっしはその横を走り抜け、すれ違いざまに愛刀で脇腹を切り裂いた。

飯代を払うと、

「ごめんなすって」

あっしはドスの効かない声で立ち去った。


女の埋葬された土の上に刺さった風車が、風に吹かれて回った。

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