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少しして考えがまとまったらしく、クロウさんは顔を上げた。
「これだけ互いの常識が違うのなら、君の挙動不審さも得心が行く。」
「そんなふうに思われていたんですか…。」
心外だわ。
「私としては、クロウさんの見た目は日本ではよくいる感じのだから、通じると思ったんです」
つい目を細め、口を尖らせる。
こんな美形は珍しいけど、髪とか目の色とかね。惚れ惚れするほどの艶は男性には珍しいかもだけど。
「この見た目が? 普通?」
「ああいえ、髪や目の色がですね」
美形の自覚ありか。そりゃあるよね。幼い頃から片鱗ありそうだもん。
「まさか、“これ”が当たり前とは…。」
しかし、クロウさんの驚きは収まらなかったようだ。どころか目を見開き、ここ一番の驚きようである。
「いやしかし、君の髪も黒ではないじゃないか。」
「…え?」
え?
いや私まだ染めたことないから自前の涅色のはず…。
髪に手を入れ、梳くように一房視界に入れてみると…
「ええええええ!? なにこれぇ!?」
それは見事な藤色になっていた。




