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「あなたがそんなにも髪が好きだったなんてちょっと気持ち悪…じゃない、えっと…そう、びっくりしたのだけど」
「今ほぼ言いましたけどね」
「それだけの熱を込めて言えばさすがのギルバート様でも気持ち悪…、きも、嫌がる…」
「先輩、せんぱい。泣いちゃう」
「まあいいと思うわ。今の全部捲し立てて、気持ち悪さを演出するのよ」
ついに言い切ったな。
まあね、私もただ髪愛でさせてください、って言うよりも、気持ち悪さで交換条件のハードルは高くなると思いますよ。アレッタ先輩の反応がそれを雄弁に語っていると思います。
「じゃあ、今回の家出はこれで決着でいいわね?」
「はあい」
「じゃあそろそろ寝ましょう。明日に響くわ」
「よし! じゃあぎゅ〜っとハグしましょうね!」
「だからハグはいいって!」
手足をばたつかせてアレッタ先輩は抵抗するが、体格の大きい私から逃げることはついぞ叶わず大人しく抱きしめられることとなった。とはいえ抵抗も全く痛くはなかったので、形だけのものなのかもしれない。
先輩ったら照れ屋さんなんだから。そんなところもかわいい。
結局ハグする私とそれに背を向ける先輩が同じ方向を向いて眠る形で落ち着いた。
そういえば、何かが物足りない気がする。何か…。うーん。先輩を抱える腕の力を少しだけ強くして先輩と密着すると、少しだけ解消された感じがした。
うん。これなら落ち着ける。いつの間にか可愛らしい寝息をたてていた先輩の後頭部を見つめながら私も微睡んだ。




