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渡された服はカビ臭さもどこへやら、色もきれいになって戻ってきた。着てみると、袖も裾も短くも長くもなくちょうどよかった。
「では仕事を始めます。最終的には一人で動けるようになってもらいますが、しばらくは私とともに行動して、仕事を覚えてください。」
「はい」
アレッタ先輩についてまわり、仕事を覚えるついでにお城の間取りも覚えていく。
一人で仕事できるようになるには、まだまだかかりそうかな…。
お城は私達の世界で言うロマネスク様式に近く、縦よりも横に長い。石を積み上げて造られているため、布製の壁紙が貼られている各部屋と違い、廊下や階段は冷たく重々しい雰囲気がある。
お城の外はすぐに森が広がっている。
建設当時は戦いのために作られていたのか、このお城は隠されるように建っているようだ。一応木々の隙間にできる空間に建てられているようだが、小高い丘というわけでもないので、すぐ近くまで森が迫っているように感じる。
エプロンドレスを洗ったときにチラッと確認した森の奥は、光が届かないせいか鬱蒼として不気味だった。昨夜は窓を見なかったから夜はどんな様子か分からないけど、お昼でこれだとより怖いんだろうなあ…。
私たちの仕事は、この城で使われている居室のベッドメイキングや掃除とのことだ。洗濯や料理などの仕事をする人たちは別で働いているらしい。
私は主に大きい荷物担当としてシーツを抱え、先輩は箒やちりとりを持つ。水拭き用の水が入った重いバケツなどは台車に乗せて運び、部屋を巡った。
とりあえず先に部屋を整え、使用済み物品は廊下に出しておく。後で洗濯担当のところへ廊下を掃除しつつ持っていくらしい。
様々な部屋を巡ったが、どの部屋もギルバートさんと使っているところより大きいものは無く、家具や装飾品も歴史はあれどシンプルなものばかりだった。
もしかして、あの部屋本来なら私が使えるようなところじゃなかったんじゃ…? と少し不安になったが、あえて気づかないふりをすることにした。使わせてもらえるなら有難く使わせていただこう。




