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よくあるTL小説  作者: かなりあ
2章:要塞での生活
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2節

 アレッタ先輩に連れられて来た部屋は埃っぽく、うっすらとカビの匂いがした。

 光は明かり取り用の小窓からしか入ってこないようで薄暗く、少し不気味。


 その雰囲気に私はたじろいだが、アレッタ先輩は構わずに進んでいってしまった。


「……とか、これ……」


 奥まで行ってしまってとっくに姿の見えない先輩の声が部分的に聞こえる。私の服を選んでくれているようだ。


「サクラ、何してるんですか。はやく」

「はっ、はい」


 先輩の咎めるような声が聞こえてきて、私も覚悟を決めて足を踏み入れた。

 うっ。でもやっぱりこの匂いは厳しい!

 袖を引っ張って鼻に押し当ててなんとかごまかす。


「これなら入りそうですね」


 彷徨いつつなんとか先輩を見つけると、特に気にする風でもなく、先輩が一着の黒ワンピースを差し出した。


 先輩の着るエプロンドレスとほぼ一緒だけど、付属のブラウスは襟ぐりが細かなドレープのついているものになっている。

 先輩の見立ては正しく、胸に当てると、ちょうど良いサイズのようだ。

 すでに先輩が見つけていたらしいセットの装飾品の箱の中に、髪留めやチョーカーのための黒いリボンもいくつかあった。


 サイズはたしかにぴったりで仕立ても良さそうな感じなんだけど、すぐに着るのは躊躇われるなあ。

 だってほら、ここカビの存在感がすごいから…。

 服も、ねぇ?


「なに? 気に食わないの?」

「いっ、いえ! 先輩のお見立てさすがです! 服自体というより、カビ臭がちょっと……」


 私の口答えに、先輩の顔が顰められていく。

 うわあごめんなさい先輩、でもこれはちょっとやだ…。


「じゃあ簡単に洗濯するから。それでいいですね?」

「はい、ありがとうございます。」

「じゃあこれとこれ、持って」

「はい」


 ブラウスにワンピースにエプロン、装飾品とを渡される。

 ふぉあカビの匂い! せんぱい容赦ない!


「こっち」

「はいっ」


 先輩の声に誘導されて、ふらふらと歩き回る。たまに「ここで待ってて」と言われ、入り口で立ち止まる。先輩は何かを探しては集めているようだった。

 それをなんとか繰り返してついに外へ出てきた私達は、井戸の前で立ち止まった。





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