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彼は海に溶けて消えた。  作者: よん
1/2

「人が恋に落ちるのは万有引力のせいではない。」

「お互いの愛を信じなさい。」

「戸惑えば戸惑うほど、それは愛してるという事なの。」

「ほどほどに愛しなさい。長続きする恋はそういう恋だよ。」

時々劈くような肌寒い海風が吹く桟橋で私の声は溶けて消えた。



ー御蔵島ー

 人口300人程度で島民がみんな顔見知りの小さな東京の離島でそんな島で生まれ育った私は折角の夏休みだといのに朝から晩まで家の民宿の仕事を手伝わさせられている。

 「海香、今日から長期で泊まってくださるお客様がいらっしゃるから2階奥の部屋に布団を2組持って行って置いて。」母さんは父さんが釣って来た魚を捌きながら今日も私に仕事を押し付けてくる、どうせイルカを見に来たカップルが気まぐれで長期で泊まるだけだろう、青とピンクのカップル用の布団を抱えてブツブツ文句を言いながら部屋に布団を嫌みで重なるほど近づけて敷いた「わざわざ何時間もかけてくるなって馬鹿な奴らイルカ以外何もないのにどうせすぐ飽きるわ爆発しろ」「あー私も彼氏欲しい、。」


 民宿の手伝いを終わらせて民宿と繋がった自宅の居間で最近流行っている少女マンガを読む「はぁーカッコイイ尊いわぁなんせ小さな島子供なんて数える程いないし同級生の男子も1人だけ全然魅力的じゃないし早く中学を卒業して高校に行きたい高校に行けば高校のないこの島を出る事も出来るし何より母さんから顎でつか変われずに済む「海香、父さんがインストラクター終わったらそのままお客さん連れてくからそろそろこっち来て準備手伝って。」「了解マンガ片付けたらそっち行く」母はそれだけ言うとスタスタと民宿に戻って行った。

 「母さん来たけど何すればいい?」「看板ライト。」台所で夕飯の準備をしている母はまるで私は仕事しています忙しいですと言うアピールが凄いが「夏休みになってからはご飯の準備以外私がしてるじゃん」って思ったけど怒りを買うのが目に見えていたのでそっと胸にしまって外の看板のライトをつけに外に出るとちょうど脇にライフジャケットを抱えた父が帰って来た、父の少し後ろから高そうなカメラを首からぶら下げた40代くらいであろうおじさんと

差し込む夕陽に反射してキラキラと輝く金色の髪に少年から青年に変わる可愛らしさと美しさが混ざり合う顔の整った16.7位の少年がやって来た。


「人が恋に落ちるのは万有引力のせいではない。」

担任が授業の際に言っていた偉人の名言ふと思い出した。

この言葉が何で頭に浮かんだのかは解らないし誰の名言なのかも解らないが

14年間の人生で初めて異性を意識し一目惚れの存在を信じた瞬間だった。

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