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16 実験開始

16




「やっほー!待ってたよースライムくんたち!!」


「はあ、さっさとはじめよう。手持ち無沙汰が一番嫌いなんだ。」


「やあ、よく来たね。今日から賑やかになるようじゃよ。」


「トリノくん、マルコくんこんにちは」



「あれが協力者なんだって。スライムかわいいー。」

「これから俺の時代が始まるんだ・・・!」


わらわらと集まっている生徒。そこから出迎えてくれる見覚えのある2人と知らない2人の教師らしきふたり。


「こちらの先生方が研究に協力してくれるそうじゃ。

薬学科のアリス・レンジー先生。

魔導具科のジェームズ・カーボンド先生。」


「きみが協力者で発案者のトリノくんだね!?私のことは気軽にアリス先生って呼んでね!」


「俺はジェームズ先生と呼んでくれ。よろしく」


見覚えのある赤髪緑目で元気が吸い取られそうなほど元気なアリス先生に、黒髪紫目の実際に吸い取られているのではないかと思うジェームズ先生。

落ち着いてみると2人の横にはっきりと白衣の集団とつなぎの集団に綺麗に分かれている。薬学科の生徒は女の子が多く、反対に魔導具科の生徒は男の子ばかりだ。


「あ、はい。よろしくお願いします。」






##########






「ふむ、それでは皆が揃ったところで今回の合同研究の流れと目的について話そう。


事の発端は祭りの前にあったグランウルフをスライムが倒したことじゃ。その場でそのスライムはグランウルフを倒し進化した。グランウルフの方が強いのだし当然よの。そこで、ここにいるトリノくんが同じように自分のスライム、マルコくんを進化させようと思いラビビットを与えたが調達が難しくなった。


そこで、魔法を食べさせることにしたのじゃ。スライムは、皆が知っているように魔法が効かない。それはスライムが魔法を食べているからではないのか?そう考えた。

残飯などの処理を行うゴミ処理場のスライムは、とても長いこといるが進化はしない。しかし、グランウルフを食べたスライムはすぐに進化した。

人の放つ魔法をグランウルフの魔力が同じ系統のものだとして、薬草などの植物の持つ魔力は別の系統のものだとする。

そう考えると、君たちの持つ薬学と魔石は相容れないという大前提を崩せるのかもしれない。


そして、この研究の目的は動く物の魔力動物性魔力と植物性魔力の証明とその性質調査を合同研究とする。参加する科は、モンスター科を筆頭とし薬学科魔導具科とする。」


マグワースさんの長い話を中庭で座って聞いていた。外で授業することを青空教室というらしい。話を聞き終わった生徒たちの目は輝いていた。


「まずは、摂取前後の魔力量の測定から入ります。スライムや牛の単純に摂取前後の魔力量の変化を調べていきます。スライムの研究は土と日の日のみ。それ以外の日は牛や鶏で実験をしていきます。これを第一段階としていきます!」


「次は双方の魔力の違いを見つけていく。同時進行になるかもしれないが摂取後の変化のしかた、何かしらの特徴を探していく。我々魔導具科と薬学科はそこで得た特徴を用いてさらなる発展をすることが目的だ。」


「えっと、モンスター科は魔力定義の方に力を入れていきます。性質や融合するかどうかなどを調べていきます。はい」


アリス先生、ジェームズ先生、フランくんの順で話していく。フランくんお疲れ様。




「ふむ、それでは質疑応答の時間としよう。」


俺にはわからない難しい話口調でみな質問していく。既にどうしたらいいかわかる奴もいるみたいだ。頭がクラクラしながら午前中は過ぎていった。







##########




午後は、早速研究を始めていくことになった。


実験台は俺のかわいいマルコ。実際に実験すると言ってもコツコツ行うこととなるらくそんなに過激なことはしないらしい。



ゴウンゴゥン・・・ゴウンゴゥン・・・




中庭に俺と同じくらいの大きさの機械が現れた。半円状の頭に筒状の胴体。横には物騒な手のような物が二つ。


「じゃあ、これから実験をはっじめるよー!

まずは簡単にスライムに薬草のヨモッギ100gと頑張って入手した2歳のラビビット1匹体重4kg推定魔石量200マクベルを食べてもらってどう魔力量が変化するか見てみようか!

とりあえず3の刻ごとに与えてみよう!」


「あ、あの!!」


マルコの幸せを願うものとして聞かなきゃいけないことがある。


「はいはいー、なにかな〜?」


アリス先生が答えてくれるみたいだ。


「あの、この機械を使うんですよね?」


「そうですよ〜」


「使って大丈夫ですか?何か副作用があるとかは・・・」


「あるの〜?」


「無いわけではないが、ちょっとチクッとするぐらいだ。入学時に生徒がやるのと同じものだから心配はない。」


「あ、ありがとうございます。」


準備を終えたジェームズ先生が答えてくれた。なんか、俺警戒されている?そして、それを見てニヤニヤする生徒たち。一体何なんだ??


「まずは基本の量を調べていく。532マクベル。スライムの基準が確か300前後だから多いな。」


あの手みたいなものに挟まれたときちょっとぷるっとしたが特に問題はないようだ。よかった〜〜〜。痛くない?大丈夫?大丈夫だった?よかったね〜!


「はい、それじゃあヨモッギどうぞ。器は食べないでねー。」


マルコのむっちりとした体がヨモッギに少しのっかり食べていく。かわいい!!!!!!そして、ヨモッギを求めてゆっくりと動いていきお皿に乗っかるのはキュート!!食べちゃっていい?いただいちゃうよーーーー!!!!!


「じゃあ、今から3の刻ねー。」






##########






というわけで、実験をしていった結果わかったことがあった。マルコが吸収するのは動物だけだということ。薬草の方は全く増える気配はなかった。そして、その吸収の方法にも発見があった。

動物性魔力(仮)は魔導具科の永遠の悩みであった魔力の消費スピードと吸収スピードが同じだったのだ。もし、この研究が進めば解決するのではないかと期待が高まった。


「これはこれは興味深い。これが成功して植物性魔力と融合出来れば小型が一気に進む。世界が変わるぞ!!!ハッハハハッハハハ!!」


「よかったのー。」


午前中はあんなに堂々していたマグワースさんはいつものマグワースさんに戻っていて一歩離れたところで見ていた。






はい、ここからマジもんの行き当たりばったり行きます。完全に想定外!!今年中に目標まで行くか?


アリス先生はイメージが太陽。ジェームズさんの名前の由来はそのまんまでイメージは理系です。

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