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小話05 エド様は振り回される

小話 05


私の名前はエドウィン・レンジー。

この国の宰相の一人息子で、この国の王子ダリアン様の従者兼幼馴染みでもある。

ダリアン様はいつもふわふわと笑っておられて一部の貴族からは“頼り無い軟弱王子”と呼ばれている。しかし、近くにいればわかるが王子は大変な努力家であり1日たりとも怠ることはない立派なお方だ。


15になってから学園に通うことになり王子の素晴らしさはやっと全貴族に伝わるようになった。これで、王子の次期国王としての基盤は整ったに等しい。そして、私も次期宰相になるべく勉学に励み人脈を築いていった。









2年生の学園祭後半の日。王子がポツリと呟いた。


「そうだ、街へ行こう。」


私が耳の確認をしている間に王子は素早くシャツとズボンのみというラフな格好に着替えていた。


「殿下、街へ行かれるのですか?」


「ああ、民の営みを知るのも大事だからな。」


説得力はなかった。どう見ても祭りへ行く気満々だった。確かに学園祭はつまらなく街の祭りの方が面白く抜け出す生徒も少なくはない。だからと言って王子が護衛も無しに行くなど・・・。


「では、行ってくる。」


「え!? 私もお供します故暫し待ってもらってもよろしいでしょうか?」


「ああ、わかった。早く着替えてこいよ。」


こうなったら私1人でもついていった方がいい。連絡は後だ!すみません父上!!






##########







「ほお、人がたくさんいるのだな!」


キラキラした顔の王子を初めて見た。

勢いに任せてきてしまったが王子のこんな顔が見れるのならば来てよかったのかもしれない。1日ぐらい休んでも問題はない。いや、休んでなどおられない。これは視察なのだから。


あれこれ見て回るもののこういうのが分からない我々はふらふら歩いているだけだった。こうなるのはすぐに分かるのだから商人の子の1人でも連れてくればよかった。

王子もそう思ったのか、スライムを頭に乗せたものに声をかけた。ってダメだろ!人の楽しみの邪魔をしたら!止める前に相手は反応してしまった。せめて学園の生徒ならばよかったがどっからどう見てもただの平民。とスライム。


「きみが良ければ案内してくれないかい?」


「しかしっ・・・」


手で制されてしまった。従者である俺にはどうすることもできない。頼む、断ってくれスライム少年。


「まあ、大丈夫です。」


あああああああああああああああああああああああああああ!!!

すまないスライムくん。これが終わったらすぐに解放してあげるから。サアモンポテト食べる?ああ、もう食べてるんだっけ?


「もしよければこのまま一緒に回らないかい?男2人で華はないけど1人で回るよりはマシだろう。」



王子っ!!!

空気読んでください!スライムくん嫌そうですよ!スライムくんお願い断って><


「あ、はい。大丈夫デス。」


ごめんねええええええええ。奢るから奢ってあげるから!!

エド様視点でした。そして、いきなりのネタバレ!

いつ投稿するか悩んだけどちょうど今お祭りに乗じて投稿しました。

ハラハラ従者とマイペース王子をどうかよろしくお願いします。

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