追って
真紀の手のひらに乗せられたものは石だった
手元に持ってきてそれを見る
(へぇー考えたわね。まさかこの石の中に刻印を施すなんてね。この知恵誰から授かったのかしら?)
(それは、カリドから聞きました)
(これは預からせてもらうわね)
(はい)
(自分勝手な事でここに来て私に助けを求めるのもどうかと思うけど?)
(来たいとは思いません。なんでもします、ですから向こうに返してください。貴方しか頼れる人がいなくて)
(散々好きたい放題して、今入っているその体の本当の持ち主の人生をめちゃくちゃにしてよく言うわ)
(どうすればいいのです、こんな事なら最初からやらなければよかった)
頭を抱える
(そんな風に思えるのだったら、次はしない事ね。甘い話には裏があるそう学のであれば返してあげる)
「本当ですか?」
子供が手招きしているので立ち上がり側に行く
「ママ、これなんかどお?」
「そうね、もう一つ買ってあげる、選んできて」
「やったー」
以外安いの選んだわね。値段を見ると120円だった
子供はもう一つ選びに店に入っていった
ベンチに座り話の続きを始める
(今夜、23時にここへ来て、このショッピングモールの建物の外で待っている。残りの話はそこでするわよ)
(ありがとうございます)
真紀は子供の元へ戻っていった
「ママこれなんかいいよね」
「いいわね、これは?」
「それもいい」
子供とショッピングを楽しみ自宅へ帰った
結局2個買って帰ってきた
「楽しかった」
「本当に」
「また、連れてってね」
「そうね」
いつもの日常が始まる
深夜20時を回り、子供が自室にいる頃石を調べ始めた
この石を割ると効果がなくなるのね、この石の中に刻印をするには穴を開けてその中に入れる必要があるんだけど、どこかしら?
石を回しながら見ていると
!?
これ石だとばかり思っていたけど違う
石に見せかけた魔法陣を丸めたもの、どこまで奴は魔法を極めるのよ。厄介なのにどんどん強くなってない?とにかく丸まっている魔法陣の最初を見つけないと
えっと、ここでもなくて、こっちでもない。どこかしら?
こう言うの苦手なんだけどな。
魔法陣の塊を見ながらため息をつく
「はぁー」
なにかいい方法ないかな。
魔法陣を解くんでしょ?それには最初の出だしがあるんだから。
あ!そうか
台所に行ってボウルを用意した、そこに水魔法の応用でボウルの中に魔力を入れ、そこに魔法陣の塊を入れてと混ぜる。
やっぱ!
魔力を弾いて解け始めた。
なんか料理しているみたい。出だしが出たのならこれを取り出すだけ。
うわ!
ここで出すんじゃなかった。
部屋の天井を覆い尽くした
これはまずい、子供に見られたら大変
この魔法の術式を丸暗記して破壊した
ドン!
音でかい!やっぱこうなるよね
「ママ!なんの音?」
子供が入ってきた
「風船を膨らませたのは良かったけど割れた」
慌てて引き出しにあった風船を取り出した。
危機一髪、危うくバレる所だった
前に子供に買った風船の残りがある事を思い出して取り出していたのだった
「なんで膨らませたの?」
「思い出して膨らませてみたのよ」
「そう言えばすごいねだって買ってもらったのに結局浮かない事に気がついてやめたんだったね」
「そうそう、あれ特殊なゴムじゃないといけないからねぇ」
「その時の残りをママはやってみたんだ」
「どこまで膨らむかやってて、これ以上はって思った所で止めたのに割れたのよ。ママ、びっくりしちゃった」
「ママ子供みたい」
「たまにはいいでしょ」
「そうだね、私もやる」
「これが最後」
「そんなに少なかった?」
「これ3個しか入ってなかったやつだからね」
「そうか一つは前に使ったから、さっきママが壊したのでこれが最後なんだね」
「そう」
子供と遊んで
「ママ私寝るね」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
子供が自室に戻った
時間を見る
22時40分だった
部屋の電気を消して部屋に入る
魔法陣を起動して目的の場所に移動した
とんだハプニングに時間を取られちゃったな
記憶した魔法陣を展開した。
これを反応するようにすればいいのよね。
記憶した魔法陣を感知魔法に組み込んでおけば反応するわね。
試してみよう
記憶した魔法陣を起動
ピィン!
ちゃんと反応してる、これでよしと。
魔法陣を貼り直した瞬間
ピィン!ピィン!ピィン!ピィン!ピィン!
げ!多くない?
反応がかなりの数を示した
はぁーなんか嫌になってきたよ
そんな事をしていると
「言われた通りきました」
「こんばんは」
「それで」
「聞いてもいいかな」
「何をです?」
「貴方の後ろにいる5人はどういう事かしら?」
「え!」
振り返る
そこには5人の人とが居た
「いや、俺は知らない」
「ご苦労だったな」
「誰だお前は」
「俺か?お前に答える義理はない」
「知り合いではないようね」
「当たり前だ、俺は帰りたいだけだ」
!?
慌てて口を捧ぐ
「お前が今そこの奴に話したのが原因だ。始末しにきた」
「そんな事で始末されてたまるか」
「契約にちゃんと記載してあっただろ?他の奴に話したら殺す。とな」
「そんな契約した覚えはない」
「そうか?ならこれはどう説明する」
紙に刻印された魔法陣を見せつける
「ねぇあれ書いたの?」
「はい」
「バカな人。しょうがないわね。私がなんとかしてあげるわ。そのかわり私の条件を飲んでもらうわよ」
「なんでもする。殺されなければなんでもする。だから」
「いいわよ」
パチンと指を鳴らした瞬間紙の刻印は破壊された
「何をした?」
「なにって破壊よ」
「何者だ」
「貴方達の言葉で言うなら、それを答える義理はないだったわね」
「ふざけているのか?」
「ふざける?そんな必要がどこにあるの?」
「お前いい加減にしろよ」
「その言葉そのまま返すわよ」
こいつはやばい奴だ。
1人が逃走を図った
あ!逃げちゃった。後で追うのなんて簡単だし後でもいいかな
視線を他に向ける
「死ね!」
言葉を合図に魔法を放ち始める。
傲慢ってこう言う事を言うんだろうな。それにこの人達が異世界に帰ったとしてもろくな事にはならない気がするからこのまま始末するのがいいかもね
全てを無効にし背後に立つ
「まずは1人目」
背中に手をつけると異世界の魂が粉砕する
バタン!目の前で1人の男が地面に倒れる
「こいつ」
さらに魔法が放たられるが真紀はそれをものともせずに交わしながら
「これで2人目」
1人の女の右に立つと異世界の魂が粉砕する
バタン!地面に倒れ込む
「なにをしているんだ、俺はこっちからやる」
「わかった」
同時に魔法を放つ
「無駄よ3人目」
男の左に立ち魂を粉砕する
「残りは貴方だけ」
「ふざけるなぁー」
魔法の連打が来るが
「これで終わりね」
目の前に立ち、胸に手を当てると魂を粉砕して終わりを告げる
「ふぅーやっと片付いたわね」
ドシ!
帰りたがって居た男が尻餅をついていた
「あら?どうしたの?」
「な、何者なんだ。こんなに強いなんて聞いていなかった」
「ボロが出たようね」
!?
「ダメよ私に嘘は」
ゆっくりと近づく
「よ、よるな。バケモノ」
尻餅をついたまま後ずさりをする男
「バケモノとはひどいじゃない?」
「よるな、来るな」
はいはい状態で逃げる男
「それで、私の条件飲んでもらうからね」
トン!
「うぁー」
男の目の前に立つ真紀
「何が望みだ」
「だ、か、ら、私の条件飲んでもらう代わりに助けたでしょ?」
「条件はなんだ?」
「居場所、あの人達の本当の居場所よ」
「本当の居場所?」
「そう、ここに来た最初の場所よ」
「そんなのみんなバラバラだ」
「それも嘘」
「そんなの嘘吐くわけないだろ」
「なら、本当の事しか言えないようにしてあげようか?」
「そ、そんな事出来るわけない」
「ほらね、嘘だって今言ったわ」
!?
「わ、わかった、わかったから」
男の顔を覗き込む
「俺に何を望むんだ」
「もー、さっきから同じ事ばかり」
ちょっとイラッとするわ
男のお尻の下に魔法陣を描く
青白く光る魔法陣が男を恐怖に落とし入れた。その結果男はお漏らしをして気絶した
「あ!ちょっとやりすぎたかな?」
「情報を仕入れてから異世界に返してあげてもいいけど」
流石に手を打たないとね。
手をかざし魂を取り出すとそこに魔法の要素を取り除き異世界へ帰した
これならいいわね。後はエブァンに任せましょう。
見つけられるように印をつけるのも忘れなかった
それにしても逃げた奴、察しがいいわね。気をつけないと私がやられる事も考えないと異世界がそれこそ大変になるわね
満点の星空を見上げながら自宅へ戻った
布団に入って横になる。昨日向こうで何が騒ぎになっていたようだから見に行こうかな
異世界に魂を移動させた
ベットから体を起こし下に降りる
騒ぎになっていたのは前に戻したやつを見つけて連れてきたからのようだ
「騒がしいわね」
「マリー様、聞いてくださいよ」
イージェスがマリーに詰め寄る
「どうしたの?」
「こいつを俺に見ろって言うんですよ。俺は無理だと言っているのに」
連れてきた奴を指差してマリーに言う
「マリー様、適任だと言っているのに聞かないんです」
エブァンが言うのだから何があるのだと思い聞いてみることにした
「それでエブァンなぜイージェスなの?」
「こいつの操る魔法が炎だからですよ」
「なるほど、それ以外に何が使えるの?」
「それがそれしか使えないようで」
「ふーん。ちょっと待ってね」
手の平に魔法陣を出しそれをそいつに放つ
「マリー様何を」
「見てなさい」
そいつの頭の上に扱える魔法が出始める
「この人、光使えるわよ」
「え!」
「俺、光なんて使えない」
「エブァン、使えるからコクに頼んで預けてみるのもいいかもよ」
「わかりました。ではコクを呼びますね」
「ええ、そうして。それとイージェス貴方はもっと人に教えられるぐらいにならないとダメよ」
睨みを効かせるマリー
「そ、はい!」
どうせそれは無理だと言うつもりだったのでしょうがそれは許さないわ。学びに反しているのだからね
「問題は解決したようだし、私部屋に行くわね。それともう1人探してね。エブァン」
「は!」
一礼してコクの場所に行った
「イージェス頑張ってね」
まんべんな笑みを浮かべてその場を後にした
今回は簡単に済んで良かった
魂を現代へと移動する
ピピピピ!
携帯のアラームが鳴る
もうー朝!早すぎる。異世界に行くのはいいけど時間差を考えないと、会話や行動は現代で言えば、自動で行なってくれてはいるのは理解している訳なんだけどそれでも処理能力が劣っているせいなのかな?それあるかも。かなり能力も増えた事だし一度見直さないとダメね
家の家事を終わらせて自分も仕事に行く
仕事場に到着して仕事を開始するも、考え込んでいた
逃げた奴この仕事場から近いわね。何か企んでいそうなんだけど。だからと言って今動けないし、奴の行動を見張る必要がありそうだわ
脳裏に反応を浮かべたまま仕事をこなす。こう言う時勝手に仕事してくれる体って便利ね
動いた!
また違う場所にとどまっているのね。さっきの場所といい今の場所といい何かやっていそうだわ。今日辺りに確認するとして、まただ。移動が多いい、まさか魔法陣を貼っているんじゃ?
12時になり体が休憩室に向かおうとしていた
丁度いいわね。体に意識を持っていきトイレに駆け込む
まずは光と音を遮断魔法を発動!魔法陣を展開して確認をとる。
うーん、私の気のせい?でも奴の行動が魔法陣を描く時の動きに似ていたのよねぇ。私の知らない魔法陣だったらどう?それの方がしっくり来るかも。今日中に行かないとまずいかな。
悩む真紀
魔法なら反応するように結界を変えればいいわね
急いで組み合えを行い発動する
!?
やっぱり私の感鋭いかも
反応を示し始めた
家に帰る前に魔法を破壊する必要がありそう。
そうこうしているうちに昼休憩が終わりを迎える
仕事に戻り夕刻
「私先に帰らせてもらいます」
「待ってくれ、これの件はどうなっている」
「その答えは全て終わっています。それとこの件についての資料も出来ています。後この資料をもとに案件も作成していますので確認をしてください。明日確認していただいた物を手直ししますので。それではお先に失礼します」
上司が呆気にとられているうちにタイムカードをかざし会社を出る
「あのー」
!?
資料に目を通すと
「たしかにやってあるようだな」
独り言の上司の言葉が聞こえたのはその場にいた人達だけだった
真紀はバレないように誰も居ない所を見つけては移動をする
「あった」
真紀の目の前に魔法陣が仕込まれていた
こんなのなんで貼るのかしら?とにかく暗記してと。
見えないように手の平に防音魔法と光遮断魔法を両手に同時に出し両手を合わせて魔法陣を組み換えを行う
手の平を地面につけると同時に発動
体を起こし魔法陣を破壊!
ドン!
真紀の耳にのみ音が聞こえた
次ね
歩き人気のない建物の路地に行くと左右上下を確認し移動する
公園のトイレから真紀は出てきて魔法陣がある場所に向かう
ここも、さっきのと同じ魔法陣ね
同様に次々と破壊をしていった
奴の行動がここで切れているわね
最後の魔法陣を破壊して帰宅する
家事を済ませて自室の布団に横になる
やっぱ何か企んでいるのは間違いないようね
奴の痕跡が消えたのも気になる。気がつかれた可能性が高い、そう考えて次なる手を打ってくるかもしれないわ、今は取り敢えず休んで体の休憩に専念しないと。異世界とは違う訳だし
そう思い体を休める事にした
翌朝
いつものように携帯のアラームがなる
家事を済ませて家を出た時だった
何あれ?
空がほんのり赤くなっている事に気がついた
早朝や夕方ならともかく7時頃だと言うのにこんなに赤いわけがないのだ。7月だから余計に変なのは言うまでもない。
遠くの方が真っ赤になっている
冬ならわかるけど7月であの赤さはない
今日仕事休んで今赤くなっている所向かわないとまずい
会社に電話を入れて休みを取った
急がないと取り返しのつかない事になる
人の目を気にしている場合ではなく一瞬でその場所に行く
「ねぇーママ。人が消え始めたよ」
「どこに?」
「ほらあそこ」
指を指す子供だが母親が見る時には姿が消えていた
「どこよ?どこにもそんな人居ないわよ」
「本当なんだってば」
「はいはい、わかったわ。行くわよ」
「ママ信じてないでしょう」
「信じているわよ」
間一髪の所で大人に見られずに済んだ。ただその事に真紀は知らずにいる
到着した真紀はびっくりしていた
嘘でしょ!
真紀の目の前に巨大な魔法陣が発動している
驚くのも無理はなかった。なんせ海の上に2キロに渡って魔法陣が描かれており、それが発動しているのだから
「よくもここまで巨大な魔法陣を描いたわね」
「へーこれが見えるんだ」
!?
声のする方に向きを変えた
「貴方は?」
「僕?僕はカリド様のしもべ、アンヘルよろしくね」
「アンヘルなにが言いたいのか私にはわからないわね」
「誤魔化してもダメだよ。さっき魔法陣って言ったでしょ?」
「そうだったかしら?現実離れしている単語を言われてもわからないわね」
「しらを切るのは勝手だけど。本当にいいのかな?」
「どういう事?」
「ほら、あそこ」
指差す先に見てたのがやばかった
「アンヘルなんて事をしてくれたのよ」
「ほら、やっぱり見えているじゃないか」
巨大な魔法陣から魔物が現れたのだからこっちとしてはあってはならない事だった
「余計な仕事増やしてくれたわね」
一瞬で移動し出始めている魔物もろとも消し去った
「すごい!」
アンヘルの目の前にやってきて
「いい度胸ね、覚悟は出来ているんでしょ?」
「ごめんね、僕行かないと。流石にこれはぶが悪いから帰るよ。また会おう真紀さん」
!?
名乗った覚えはない。
隙を突かれてその場から消え去った
「あー、もー、また逃げられた。今度こそって思ったのにやられた」
結界を見るがすり抜けたようで反応をしない
なんなのよぉー。空を見上げる
!?
あれって異世界?
空に異世界が見えたように見えた。
目をこすり再度見上げると消えていた
目の錯覚?いや、干渉し過ぎてたせいかも。でも目の錯覚かもしれないし、落ちついて一呼吸を置く。取り敢えず今は平気なんだから、気のせいよね。
言い聞かせて帰宅した




