ショピングセンター
仕事が終わり帰宅し子供の世話を済ませて布団に入る
今日はエブァンの所に行かないと迎えに行かせないといけないからだ。向こうは昼過ぎ、行くならちょうどよかった
魂を移動させて異世界に移動した。
部屋から出てエブァンの元へ行く
情報は頭の中に流れているお陰で慌てる事は特にない。
かなり進んで建物を建てている。
「マリー様こんにちわ」
「こんにちは」
エブァンの元に行こうとするが色んな人に捕まり中々進まない。
面倒だな。呼んだ方が早い
(エブァンいますぐ来て)
最初からそうすればよかった。詳しく中まで見たかったがそれをすると間違いなく日が暮れる
(は!)
来るのをただ待つのもね。あ!武器屋見つけ
マリーは武器屋に入った
「マリー様、いらっしゃいませ」
「少しお邪魔するわ」
「何かお探しで?」
「特には、人を待つ間見たかったの」
「そうですか、それならマリー様に見てもらいたい物がありまして」
「何かしら?」
武器屋の店主がアクセサリーの箱を持ってきた
「これなんです」
目の前で箱を開ける
「これなんですが、こないだ俺と弟子で作ったのです」
お!これはなかなかだわ。
付属魔法が3種類ついているアクセサリーは普段見ることがないせいぜいついてても2種類が限界
「とてもいいわね」
「そうなんですが、余りに強力になってしまって使いこなせずに戻ってくるんです」
手に取り魔法構成を見る
ここだわね。これが暴走する可能性があって扱いが難しくなってしまっているのね
「これ私が手を加えてもいいのかしら?」
「いや、売れないのでマリー様に差し上げます」
「それなら私が手を加えて売れば?」
「いえ、出来れば俺たちで作った物を売りたいです」
「そう、それなら私がこれ買うわ」
「え!マリー様が」
「そうよ」
「滅相もありません。マリー様に買って頂けるなんて恐れ多いい事です。それに俺たちに居場所や店まで持たせてもらって買ってもらうなんて」
「いいのよ」
マリー様がお会計のテーブルにお金を置いて出ようとすると
「お願いです、どうかお返しします」
そう言って引き止められた時
「マリー様お待たせ致しました」
「ちょうどよかった」
エブァンが姿をあらわす
「どうかされたのですか?」
「それがね」
事の次第を話した
「店主、マリー様のご厚意受け取るといい」
「ほら、エブァンもそう言っているじゃない。受け取りなさい」
「ですが」
「もーエブァン後は任せたわ」
そう言ってアクセサリーを持って店を出た
「いいんだよ。マリー様がいいと言えば。それにマリー様はそのお金で次なる武器を作って欲しいと言っているんだ。受け取るといい」
「そうだったんですね。それではこれでまた作りマリー様にお見せいたします」
「そうしてくれ」
エブァンも話をつけ外に出る
あれ?マリー様は?
辺りを探すと出店の前に立って並んでいた
何を?
近くにより並んでいる行列の先を見るとそこは果物が容器に入って売られていた出店だった
「あのーマリー様?」
「あ!エブァン時間かかりそうだったからこの店やっと出来た出店でしょ。こないだから楽しみにしていたのよ」
そう言いながら並んでいた
「マリー様用があったのでは?」
「あるわよ、その前にこれ食べたい」
無邪気なマリーの顔を見るとダメとは言えず
「わかりました、それでは先に買って参ります」
エブァンが行こうとするとエブァンの手を握り止めた
「ダメよ、ちゃんと並ばないと」
「マリー様がわざわざ並ばなくても」
「はぁー私だから言い訳ないでしょ。誰であろうと並ぶのよ。みんな平等よ」
「でも」
「あのねぇ。そんな事はしているからこの世界がおかしくなるんでしょ。エブァン学びなさいよ」
頬を膨らませたマリーが可愛すぎて顔を覆い
「はい」
こうなっては無理だ。諦め一緒並ぶ
しばらくして店主の前に立つ
「あ!マリー様」
「これ2つちょうだい」
「言ってくれれば先にお出しできたのに」
「エブァン!ちゃんとみんなに平等になるように教育しないと」
今度は怒りの魔力をエブァンに向けて出す
まずい
マリー様の前に跪き
「申し訳ありません。早急に対応させていただきます」
「そうよ。それでこそエブァンね」
別に平等でなくてもいいとは思うが、マリー様にとっては大事な事なのだと思い最優先事項に加わる案件となった
「これ2つちょうだい」
果物の容器を2つ受け取り
「これエブァンの分ね」
そう言うエブァンに渡す
「俺にもですか?」
「そう」
「店主手を出して」
「はい」
手の平にお金を置いて
その場を後にしようとするとまたしても止められる
「お金はいただけません」
「なぜ?」
「マリー様は俺にこんな立派出店くれたではないですか。それでまたお金まで」
「いいのよ」
川の向こう側の連中はどうも何かを勘違いしているわね
「エブァン、悪いけど帰るわ。後で私の所にきて」
魔法陣を展開してその場から消えた
頭が痛くなったぞ
武器屋の店主と同じように答えすぐマリーの元に向かった
大広間に到着し扉を開ける
「マリー様、お待たせ致しました」
テーブルと椅子を出して買ってきた果物を頬張っていた
「きたわねぇ」
もぐもぐ!これも美味しい
機嫌が良くなっていたのでホッとしながら自分の持っている容器をテーブルに置きお茶の準備を整えお茶を出す
「エブァンも座って食べたら?」
「はい」
席に座って食べると
「うまい!」
「そうでしょ、ここまで良く採取したと褒めてあげたいわ」
果物は森の中まで取りに行かないといけないのだが、これが骨が折れる。ある場所も限られているせいでもあるからだった
「エブァン、果物の森みたいなの作らないのかしら?」
「果物の森ですか?」
「そう、これだけの種類を揃えるのに大変でしょ?だからそんな森あれば簡単に取れると思わない?」
「まー、たしかにそうですが」
「やっぱり無理よね」
「方法はなくはないですが」
「あるの?」
「種があれば作れます。ただすぐに実る訳ではないのでそれこそ時間がかかります」
「それでもいいわよ。誰かにやらせて」
「わかりました」
(コク聞こえる?)
(マリー様どうしたの)
(今から呼ぶけどいいかしら?)
(マリー様なら大歓迎)
手の平にコクを呼び出した
「マリー様」
ほっぺたに抱きついた
「コクくすぐったい」
「どうしたんですか?急にコクを呼び出すなんて」
コクは光の人魚。この子がいないとここに返した魂の印に気がつかない
「エブァンあのね」
事の次第を話す
「そうでしたか、それではその者を見つけ出し、ここに連れて来ればいいのですね」
「ええ、出来れば見張りに気がつかれないようにね」
「わかりました」
(キリウス)
「お呼びですか」
目の前にキリウスがやってくる
「キリウスも連れて行くといいわ、何かあればすぐに私を呼んで」
「そこまで警戒が必要ですか?」
「ええ、カリドを侮ってはダメよ」
「では警戒を怠らずに行って参ります」
「そうして、明日に出発して欲しいの。出来れば早朝で」
「何故ですか」
「その方が奴も動く前になんとかなるはずよ。もし動きがあったとしても対応が出来る」
「なるほど、わかりました」
「コクも一緒にエブァンと向かってね」
「マリー様は?」
「私はどうしてもいけないの。コク頼りにしているわよ、エブァンやキリウスを助けてあげて」
「マリー様の頼みじゃ仕方ないな。わかったわ私も力を貸す」
「心強いなコクは」
「エブァンそんなに褒めないで」
照れているコク微笑んで見るマリーはその場を後にし自室に戻ろうとする
「マリー様どこへ?」
「部屋に大量の書類がたまっているのよ。それをやらないと」
そう言う自室に戻る
「各自で明日ここに集合だ」
「はーい」
「わかった」
その場から姿を消した
エブァンはマリーの後を追う
コンコン
「エブァンね」
「は!」
「マリー様は現代に戻られるのですか?」
「エブァンはよく気がつくわね」
「なんとなくです、いつも確信して話している訳ではないですよ」
「ふーん、他の人には気がつかれないのにエブァンだけ気がつくなんて」
私が魂で戻ってきたのがエブァンにはわかる
「いえ、実はマリー様の配下にはわかるようなのです」
「どう言う事?」
「ここ何日かマリー様の魂がいなかった時に直属の配下7人と使い魔人魚達、物達が気がついたようでかなりの勢いで迫られました」
「それ大変だったのではない?」
「はい!」
「マリー様」
ものすごい勢いでマリーの部屋に押しかけてきた
タイミングバッチリね
話が進む前に全てがマリーの部屋に集まった
「ゔぅ!狭い」
部屋を埋め尽くさんばかりに入り込んできた
「お前たち、大広間に移動するぞ。ここは狭すぎだ」
「でも」
「押しつぶされているではないか」
「エブァンはやく、重すぎ」
「大変だ、みんな移動して」
ようやく部屋から配下が出て行った
「エブァンこれはどう言うことかしら」
「いやーそれが来たら連絡する手はずになっていまして、それでなんとかなったと言うか」
目をそらしながら言うエブァン
「説明しなかったのね」
「説明をしたんですよ、納得しなくて」
慌てて言い訳を始めるエブァン
「それなら、私からなら納得するわけ?」
「はい」
「あっそ」
半分呆れてそっけない返事をしてしまった
大広間に行く
「マリー様エブァンの言っていることは本当なんですか?」
「ええ、本当よ」
「俺たちもいけないのですか?」
「無理ね」
「なぜです?」
「世界の干渉するから」
「もし、マリー様に何かあれば」
「無いわよ。それにここに来ている時点でおかしいでしょう。それも今更なんだけどね」
「何か手伝える事は無いのですか?」
「無いわよ、今貴方達がする事はここのちゃんとした街にすることよ。それを最優先にして欲しいの」
「エブァン、イージェス、キリウス、ファティマ、クオン、イブリース、アリー、ストラス貴方達が中心になってやらないとダメよ」
「それと物達もそれに協力してあげて」
「ですが」
「私は私のやることをやるだけ、貴方達もここをしっかり作って。わかった?」
「はい」
「私は部屋に戻るわ、それとエブァン頼んだ事はしておいてね」
「は!」
自室に戻る
「マリー様」
部屋に行きベットに横になった私に話しかけてくる
「コクどうしたの?」
「いつもマリー様だけ大変な思いしててなんか出来ないのかな?手伝いたいと思うのはみんな同じなんだよ」
「そうね、私もそうして欲しいと願うけどそれをしたらダメなの。気持ちだけもらっておくわ」
「なんでダメなの?」
「さっきも言ったでしょ」
「そうなんだけど」
「これ以上先を話すのも出来ないのよ」
「なんかもどかしいんだね」
「そうね」
「私エブァンの所に行くね」
「そうして」
コクが姿を消した。
私も戻ろう、えっと今向こうは仕事が終わって帰宅中なのね。丁度よかった
そう思い魂を現代に移動させた
夕暮れの電車の中
電車に揺られて乗り降りしている人を見送り数駅過ぎた所で気がついた
あんな所にショッピングモールが出来ていたんだ、行ってみたいな
電車を降り帰宅する
ご飯の支度をしていると
「ただいま」
子供が帰ってきた
「お帰り」
子供が自室にいく
ご飯の支度が終わり子供を呼ぶ
「ご飯できたわよ」
「はーい」
子供が部屋から出てきて食事を始める
「そういえば今日ショッピングモールが新しく出来たみたいなのよね」
「本当!」
「うん、明日休みだから行く?」
「行く行く!」
「美希学校の部活は?」
「明日あるんだよね」
「1日?」
「午前中で終わる」
「なら、その後行こうか?」
「うん、急いで帰ってくる」
「わかった」
食事を済ませて子供が自室に戻る
片付けを済ませて洗濯物を畳んで戻しお風呂にはいる
「はぁー」
お湯に浸かりながらのんびり
「やっぱりお風呂はいい」
つい独り言が出てしまう。
私も年だな
目をつぶり癒される
風呂から上がり布団に潜る
昨日と一昨日と連続で異世界に返して体が疲れてから今日はいいかな。でも念のために確認だけしておこうかな
魔法帯を天井に出し反応がないかを確認する
特に変わった事は無い見たい
魔法帯をしまい、次に感知魔法陣を出し確認する
これも平気ね
どちらも、異世界の魂が真紀の貼った結界に触れると反応するように出来ているお陰で確認が簡単に済んでいた
さっき異世界に戻った時に魔力もついでに回復しておいて正解ね。これでしばらくはゆっくり体を休められる
!?
なんか異世界の方が騒がしいわね。でもエブァンがいるから大丈夫ね
エブァンからの連絡もないみたいだしのんびりさせてもらおう
そう思いゆっくりと目を閉じて体を休ませるのだった
翌朝
携帯のアラームが鳴る
もう、そんな時間なんだ
寝てはいなくただ体を休められるだけの時間だったのだか、思いのほか休めた気がした。
暇って言ったら暇だったのだけど、頭の中で魔法の組み合えをしていたりして意外に暇では無かったりする。体は暇って感じでなんとも不思議な感覚がした。
体を起こし子供の朝食を作り子供を呼ぶ
「美希起きなさい、ご飯よ」
「うん」
しばらくすると部屋から子供が出てくる
「おはよう」
「おはよう」
軽い挨拶を済ませて目ぼけまなこで朝食を食べる子供
「ママ、ちゃん覚えてるよね」
「覚えているわよ」
「ママ忘れっぽいから」
「早く帰ってきなさいよ」
「わかってる」
食事を済ませて学校へ子供を見送り洗濯、掃除、洗い物を済ませて横になる
なんだろ?やたらと体がだるい。そんなに動いてはいないんだけどな。
横になりながら子供の帰りを待つ
お昼過ぎ子供もが帰宅する
「ママただいま」
「お帰り」
「行こう」
はや!
「はいはい、今支度するから美希も支度しなさい。学校の制服のままでは出かけないわよ」
「わかってる」
身支度を済ませていこうとすると
「ママ、その格好はやめてよ」
そこらへんにある物をきたのだがどうも子供には不評だった
「なら美希が選んだよ」
子供も大きくなり服のサイズが同じになったお陰で着るものは子供と同じな物を交互に来ている
「ママ、これと、これ。それにこれね」
渡された服を着てショッピングモールに出掛ける
仕事の時と同じ電車に乗り3駅目で降りた
「本当だかなりでかいね」
「そうでしょ、調べたんだけど先月オープンしたばかりみたいなのよね」
「なんか楽しみ」
「何が入っているのかも楽しみね」
「うん、私の好みの物があればいいけど」
「これだけ広ければありそうだけどね」
「うん、入り口とかにパンフレットあるといいね」
「あるわよ」
会話が弾み入り口に到着する
「ほら、ここにあるわよ」
「本当だ」
パンフレットを広げて確認を2人で行う
「ママ、ここと、ここは絶対行くからね」
「よかったわね、美希のお目当てのお店が入ってて」
「よかったよ」
パンフレットで確認した所に向かう
「ママ、あったよ」
「ええ」
店の中に入って品定めをしている子供、それを外のベンチに腰掛けて見て待っていた。ベンチは背中あわせに二脚並んでる規則正しい間隔で通路の端に並んでいた
!?
こんな所で反応とかやめてよ
辺りを見渡すが見当たらない。
どこよ
その時
(貴方が異世界から来た人なのですか?)
いた
真紀の座っている反対側のベンチに腰掛けて話しかけてきた
(異世界から来たのでは無いけど、それに近い存在なのは確かよ)
小声で話しを始める2人
(私に何がようかしら)
(私も帰してくれるのであれば帰りたいのです)
(帰りたいのなら、最初から来なければ良かったのでは?)
(はい、その通りです。ですが帰れると言われたので来たのに帰らないとわかり泣きたくなる程に後悔をしました)
(おいしい話には必ず裏があると学んで)
(本当にそうだと思いました。もう二度とこんな思いをしたくありません)
(1つ聞いてもいいかしら?)
(はい)
(なんで結界に引っかからないで私の側まで来れたのかしら?)
(その答えはこれです。手を出して下さい)
真紀は手を肩に乗せて手のひらを開くと手の上に物が乗せられた




