宿し2
「準備は整った?」
「僕は?」
「目が覚めた?」
「さっきの」
後ずさりをする
「ごめんね、さっさと連れて来たくてつい力が入いちゃったの」
「大丈夫だ、そこ方は俺の主になるお方、お前に魔物の王になってもらうからな」
「ちょっと待ってくださいアリー様」
「なんだ嫌なのか?」
「そうではありません、いくらなんでも急すぎて状況が飲めないのです」
「そうか、飲み込まなくていいから、王になれ」
「どうしてそんなに急ぐのです」
「俺は前からマリー様の配下になりたかった。だか、魔物の王である以上ここを離れるわけにはいかなかったわけだ。そこで俺は考えた、王に相応しい奴を見つけて叩き直せばいいと思っいお前をしごき抜いていたわけだ」
「そうだったんですね。そのおかげで毎日毎日死にかけていた俺は大変だったんですよ」
「たしかに死にかけていたな、死んでないからいいだろ」
「僕の気持ちも考えてください」
「よし考えた、王になれ」
「いや、それ考えたんですか?」
「そうだぞ、これでお前も王になれる。よかったな」
「だから聞いていますか?」
「グタグタ言ってないでなれ」
「アリー様は一度言い出すと僕の話聞いてくれませんから、もういいですよ、なりますよ」
「わかっているな。さすがだ」
「それ、褒めてます?」
「もちろんだ」
「始めるぞ」
「はい!」
アリーが魔物の王の刻印を額に施した
「これでいい」
「マリー様、お待たせしました」
「終わったのね」
「はい、これでこいつは魔物の王になりました」
「この子の名前はあるんでしょう?」
「はい、こいつの名はイケルと言います」
「これからよろしくねイケル」
「こちらそこよろしくお願いします」
「私達もそろそろ行きましょう」
「アリー様、お気をつけて」
「イケルもな」
「はい」
「イケルついでに少し頼まれてくれるかしら?」
「なんでしょうか?」
「ここにこの人達を置いていくから私が呼び寄せるまでの間まもってて」
「俺たち置いていかれるの?」
「こんなに乗れないから、向こうについてから呼ぶわよ」
「待っていればいいんですね」
「おい!」
「それでいいの?」
「今更だろ、それにこいつに勝つ自信でもあるか?」
「あるわけでないでしょう、バカ言わないで」
「なら、待つだけだ」
「マリーさん俺たち待っているよ」
ゴン!
「いってぇなぁー」
「マリー様だ、さまわかったか?」
「いちいち殴るな、言えばわかる」
「今度からそうする。最初からにして欲しかっよ」
「私達行くわね」
「目的地は?」
「地下よ」
「わかりました、では入り口まで飛んでいきます」
「イージェス行くわよ。アリーもついてきてね」
「はい、イケル頼んだぞ」
「お任せを」
勢いよく飛んでいった
「本当に呼び寄せるのか?」
「さあな、俺に聞くな」
「信じるしかないだろうが」
「どの道死んでいた命だ、今更心配しても仕方がない」
「そうだな、呼び寄せるのを待つしかないな」
「そうね」
学民は仕方なく待つ事にした
「ここら辺ですね」
猛スピードで飛んでいったお陰でそんなにはかからなかった
「到着したわね、さあ、入りましょ」
「はい」
下って行く
「おい!」
「何かしら?」
後ろを振り返る
「落し物だ」
そう言って近寄って来ると
ブスッと腹部を刺された
「これでいいんだろう、約束は果たしたからな」
男がそう言った
「お!お前」
「マリー様!?」
駆け寄る2人に手で静止させる
「ですが、腹部から血が」
「ふふふ」
にっこり笑うと
男がその後立ち去ったのはいうまでもないが、マリーがその場から姿を消し、奴を連れて帰って来たのほんの一瞬の出来事でもある
「ジャジャーン!お腹に刺されたのは嘘でした」
「これすごいでしょ?」
あの時、へんな汗をかいているのに気がついたマリーが全身に保護魔法を施してあったからだ、そう簡単にこの保護魔法が破られる事はないが念の為に強化していた
「ビックリさせないでください」
「そうです、心臓に悪いですよ」
「お前は何者だ」
こいつは化け物だ、気がついた時にはここにいた。それが意味するのはどんなに頑張っても勝てる相手ではないのだけは嫌でもわかる。そしてこの結界だ、見たことがない結界を張ってあるが、下手をすれば死ぬ可能性も考えないといけない。ここは大人しく捕まっている方が無難だ。どうせ死ぬなら、もがくのもいいが様子を見てもいいと彼は思った。死ぬのが先送りになったに過ぎないが、どうも様子がおかしい。頭のいい彼は彼らの会話に耳を傾ける
「シー、貴方は少し黙った方がいいわよ」
そう言うと刺そうとした男に結界を張る
「なぜそんな真似を?」
「そのまま黙ってついて来るといいわよ」
「俺をどうする気だ」
「答えは簡単」
「そうか、結局死ぬんだな」
「私殺すとは一言も言ってないけど?」
「なら」
「貴方の返答次第で半殺しで済むわよ、殺す事はないから安心して」
「何も安心なんてできるか」
「まずは、あそこに行く事にしましょう」
「マリー様あそことは?」
「イージェス貴方忘れたの?」
「え!もしや」
「そのまさか」
「さっさと行くわよ」
以前イージェスと出会った場所に行く事にした
捕まえた彼の胸に例のものがあるのね。殺すのは簡単だけど話を聞いてからでも遅くはない、それにしてもこの刻印をする知識を持つものがまだいたとは、いやもしかして奴がここに戻って来ている可能性を疑うべきかしら
移動を始めながらマリーの頭の中で思考を巡らしている間に到着する
「ここなら、大抵の攻撃なら防げるし、動きも取りやすいでしょ?」
「流石はマリー様だ」
「イージェス何がだ?」
「ここはな以前マリー様と再会した場合何だよ、そしてマグマがすごく近い場所でもある、熱くないのは俺がここにいるお陰でなんだが、それだけではない。マリー様の魔法も施されているから熱さを感じないんだ」
「なるほどな」
「アリーとストラスは初めてだからな」
「俺はどうなる」
「返答次第よ、まずは私の質問に答えて」
「答えられればな」
「まず1つ、なんで私を襲ったか、次に約束を果たしたからと言った理由、もう一つは私を知っていた理由、最後にそれを指示した奴は誰?」
「答えないとダメなんだよな」
「そうよ」
「わかった、質問の答えだ、一つ目は勿論指示した奴に頼まれた、次に約束とは家族を解放してもらう為、指示した奴に教えてもらった、最後はどうしても言わないとまずいか?」
「そうだけど、その前に胸を出して、あるのでしょう刻印?」
「お前、なんで知っている?」
「マリー様だからだ」
「答えになっていないだろ」
「いいから出せと言っているさっさとしろ」
「アリー、そんな言い方は良くないわよ」
「申し訳ありません、つい以前のクセが出ていたようです」
「いいの、アリーも私の配下になったからにはちゃんと学ばなければいけないのよ学ですか?」
「ええ、次に同じ過ちを繰り返さないようにする為に、ね」
「わかりました。俺もそうさせてもらいます」
「そうして」
「さあ、出して」
「わかった」
胸のボタンを取る
「これでいいか?」
「ええ、そのままじっとしててね」
手のひらを刻印に当たる
あの時とは少し違う?盗聴魔法と追跡魔法がないわね、代わりに別の魔法が。えっとこれは、、、毒魔法ね。後は麻痺魔法もあるのね、声が出なくなる魔法もあるわ、結構あるわ、1つずつ解除していけば?げ!全部繋がっているよ。これは大変ね、帯状に絡めて取るのできないかな?
それにこの子!
解読し終えると作業に取り掛かる
これとこれ、あれとあれ、そっちとそっち後はあの帯状の魔法陣に刻印してとそれをロール状に巻き取れば
「やったー」
彼の胸からは刻印が姿を消していた
「どうされました?」
「イージェス、見てみてこれ!」
「何ですかそれ?」
手にロール状に巻き取られた魔法陣ある
「これ?刻印よ」
「はぁ?」
「アリーも間抜けな声出さないのよ」
「言っている事を理解できずにすいません」
「見ればわかるわよ」
手に巻き取られた魔法陣を空中に広がると
「これは!」
「うん、帯状の魔法陣に移したのよ。出来るかなってやってみたのよ。そうしたら出来たわけ、ダメなら違う方法にしたんだけど」
「今、初めてやったんですか?」
「そうだけど?」
「それ、今試す事何ですか?」
「逆に言えば今しないでいつ出来るのよ、そうそうこんな機会なんてないでしょう?」
「それは理解しますがマリー様に何かあれば」
「俺はいいのかよ」
「お前はどうでもいい」
「ストラスも言葉には気をつけて」
「すいません」
「これで名前が言えるでしょう」
「すまない」
「いいのよ、この刻印がなんなのかを知っていたって事でしょ」
「そうだ、知っていたと言うより知らされた、奴にな」
「奴とは誰?」
「名を確かケミラとアシアと言ってカリドの配下と言っていたな」
スルトやはり奴が関わってきたわね
「それで、貴方の家族は?」
「どこにいるかは突き止めてある」
「どこに?」
「実はここなんだ」
「あらやだ、素敵じぁない!私って感がいいのね」
「マリー様ですからね」
「そうだ」
「そいつのアジトとかはないの?」
「そいつらは、俺にこれで刺してその後ここに来れば家族に会えると言っていた」
「そう、それじぁ調べないとね」
「調べる?どうやってここはとてつもなく広いんだぞ、どこまでこの空間が広がっているかは検討もつかない程だ、未だに調査が終わっていないん所なんだぞ」
「イージェス、出来るわよね」
「もちろんでございます、要望とあらばすぐにでも」
「ならお願い」
「では早速」
「大丈夫なのか?」
「誰に言っている。見てろ」
「この中で一番弱い奴が何を」
「何を言っているの?この中で一番弱いのは2人よ」
「まさか!」
「そんな」
「ここはイージェスの庭みたいなもの、貴方達では手出しすらできないわよ。始まったわ」
イージェスの体が地面へと吸い込まれていった
「どこへ」
「マグマの中よ」
「マグマですか?」
「もうすこしすると出てくるわよ」
「そんなに早くに」
「アリーもストラスも知らないから教えるけどイージェスは」
「マリー様、見つけました」
「話す前に帰ってきちゃったわね。この話はまた今度ね」
「そこまで話して止めるとはマリー様もお人が悪い」
「そうです、俺たちのこの気持ちはどうするんですか?」
「今度ね、イージェスどこ?」
「ここから前方1キロほどの所に2人います。それ以外はいないようですね」
「そう、イージェスここに連れて来れそう?」
「容易いかと、ですがそれがこいつの家族とは限りません、ただ敵出ないことだけは確かです」
「その理由は?」
「服装が農民の格好をしていた、魔力の量が戦う奴にしては少なすぎるって所です」
「そいつの格好だか、緑色の上着に黒の半ズボン、頭はハゲているやつか?」
「そうだ」
「それが俺の家族だ」
「よかったわね。イージェス」
「ただいま!」
「もうじきくるわよ、でも悪いけど気絶してくるからね」
「なぜだ」
「イージェスがここに連れてくるのには意識があってはいけないから、マグマの流れの中を進むのだけれども早すぎて普通は出来ないの。でも意識がなければ物として運ぶ事は出来るからね、それに目が見えなくなってしまうよりはマシでしょ」
「それは困る」
「だから気絶させている間ここまで運んでくれるし、その方が早いからね」
「わかった、死んではいないんだな」
「それはないから安心して」
「マリー様、連れて参りました」
ボコボコと音ともに2人が地面へと浮き出てきた
「親父!お袋」
「しっかりしろ」
「ちょっとどいて」
「何をするんだ」
「大丈夫よ意識を取り戻してあげるだけだから」
「わ、わかった」
回復魔法を始めるマリー
何者なんだ、それにこいつの連れている奴らは一体
「「うっ!」」
「親父、お袋」
「それじぁ、約束は果たしたわ。今度は貴方の番よ」
「好きにしてくれ」
「いいの?」
「覚悟は出来ている」
「それなら配下になって」
間抜けな顔をしてマリーの方を向く
「ふふふ、何よその顔」
お腹を抱えて笑うマリー
「いや、半殺しにするんじぁ?」
「しないわよ。元々する気はあまりなかったのよ」
笑い続けるマリー
「あー、お腹痛い」
「大丈夫ですか?」
「アリー今の見た?間抜けな顔!」
ゲラゲラを笑う
「見ましたがそんなにですか?」
「そうよ、普段見ないでしょあんなに間抜けな顔なんて」
「それはわかりますが」
笑いが治る
「面白かった」
「そんな笑わなくても」
「ごめんなさいね、久々にドツボにはまったわね。まだお腹痛いもん」
「それで俺が配下になればいいのか?」
「その通り、それに貴方宿しでしょ?」
「マリー様こいつがですか?」
「聞いていませんよ」
「俺もです」
「言ってなかったかしら?」
「一言も」
「そうですよ」
「いつ気がついたんですか?」
「いつって今?」
首を傾げるマリー
「なんで疑問なんです」
「嘘よ、刻印を解除した時よ」
「それを早く言ってくださいよ」
「そうです」
「マリー様がすごい方なのはわかりますがせめて教えてください」
「わかったわよ、忘れていたけどこれなんとかしないとね」
指を指したのは空間に漂う帯状の魔法陣だった
「どうするんです?」
「そうね、本の中に入れちゃおうか」
「本?」
手のひらを上にすると突然本が実現する
「この中よ」
「どっからそれが」
「この本?頭の中よ」
「なんで頭の中なんです?」
「この本、知識書なの。見えるように具現化しているやつね」
「簡単具現化って言われても」
「アリーには難しいわね」
「待ってくださいよ、アリーだけではないですって俺も無理ですよ」
「イージェス出来なかったけ?」
「出来ませんよ」
「それはダメよ、エブァンに頼んで教えてもらいなさい、貴方私の配下の中でも6人の中の一人なんだから」
「俺それに入っているんですか?」
「なんだそれ?」
「私の側近と呼ばれているのがそこにいるイージェスを含めて6人いるのよ」
「なんだって、俺もそれに入ることは出来るんですか?」
「そうね、アリーは知識が足らないからまだね。エブァンを紹介するからその時にでも教えて貰うといいわ」
「そしたら」
「頑張ってね」
「もちろんです」
マリー達が話している間に親子が話を終えた
「それでこれから俺たちは?」
「川の向こう側に行って貰うわ」
「川の向こう側っていけないんじゃ?」
「行けるのよ、そこでファティマに色々教わってね」
「あそこは学民達がひしめく町になっているからきっと気にいるわよ。それと貴方の両親は学民ではないわね」
「そうだ、俺はこの両親に拾われ育ててもらったからな」
「もちろん、俺が学民だった事を知ってても育ててくれた俺の大事な両親でもある」
「それなら両親にも学民になって貰わないとね」
「!?なれるのか?」
「私ならね」
「頼む」
目の色を変えて訴えた
「お二人とも初めましてアンダーマリーと言います。これから貴方達に学民になってもらいますがよろしいですか?」
「これはご丁寧、息子が世話になったようで申し訳ない」
「この子を助けてくださってありがとうございます」
深々と頭を下げる両親に
「親父、お袋!」
「お前を頭を下げろ」
頭を押さえつけられ、下げさせられる
「痛いって親父!」
「そもそもお前とゆう奴は」
「説教は勘弁してくれ、さっきも謝っただろ」
「それでは足らん、今回ばかり許さんぞ」
「あなた、許してやって、私達を守ろうとして」
「お前も甘やかしてすぎだ、俺たちを守ろうとして自分の命を疎かにする奴があるか!」
「だから許してくれ、もうこんな事は二度としないと違うから」
「二度もされてはこっちの身が持たん」
「あのーその辺で」
「おお、これは申し訳ない」
「学民になるのは大丈夫ですか?」
「はい!好きになさってください。マリー様には返しきれないほどの恩があります」
「そんな大げさよ」
「大げさではありません、息子を助けてくれたばかりではなく俺たちまで」
「そうです。こんな息子ですが私達にとっては大事な息子ですので」
「こんなって」
「お前は黙ってろ」
「わかりました、では胸に手を当てさせてもらいます」
「はい」
「よろしくお願いします」
学民のかけらを魂と結びつける
「これで終わりです」
「何が変わったのでしょうか?」
「変わったのは次につながる力ですよ」
「次に繋げる力?」
「同じ過ちを繰り返さないようになったと言うことです」
「きっとその意味がそのうちわかります、この扉からどうぞ」
目の前に扉が出現する
「これをどうやって」
「親父、マリー様はこういうお方だ」
「そうか」
「お袋、親父いこ」
「これからよろしくお願いします」
「こちらこそ、そういえば貴方の名前聞いてなかったわね」
「俺の名はペタル、これからよろしくです」
「よろしく、ペタル」
扉をくぐり川の向こう側へ向かった
(キリウス、悪いんだけどそっち3人向かったからファティマに説明とかをお願いして)
(わかりました、伝えておきます)
「次に行くわよ」
「あの人達の家族迎えに行かないといけないしね」
「次ですか?」
「そうよ、次は中央都市ウォンよ」
3人は次なる宿しと魔物の山に置き去りにされた奴らの家族を迎えに行くのだった




