闇への招待状?
イブリースは悪魔だから追跡の方は得意ではないから仕方ないんだよね。
26時を回る頃
漆黒のドレスに着替えたマリーは闇へと足を進めた
「イブリース来たわよ。あら、スルトもいたのね」
「はい」
「ただいま戻りました」
「カミラ!久しぶりにあったけど元気そうだね」
「マリー様、お久しぶりでございます」
「ん?スルトなんか、でかくなってない?確か私の身長より少し上ぐらいだったような?」
ドキ!体が半分以上なくなってしまって別の死体をくっつけたなんて言えない
「おい、マリー様が聞いているだけ答えろ」
嘘を吐けばこっちがやばいし。どうにかなるなら、ちゃんと話す方がいいな
「えっとですね。力が入りすぎて下半身が吹き飛びすぎて元に戻らなかったので別の死体の下半身をくっつけたんです。報告が遅くなって申し訳ありません」
「なんだもっと早く言えば入れ替えたのに」
「え?」
「私変な事を言った?」
「入れ替えるとは?」
「スルトは貴方達と違って宿の者だから、体変えられるのよ」
「それなら死なないって事ですか?」
「いいえ、死は全ての者にあるわよ。私以外はね」
「それはどういう事でしょうか?」
「私のことはいいから、スルト死体あるでしょう」
「はい」
「それなら、カミラの体入れ替えましょう」
「マリー様お待ちください」
「嫌だった?」
「いえ、嫌ではないのですがせっかく慣れた体なのでこまままでいいです」
「カミラがいいならわかった。それでも上下がずれやすいからこっち来て」
「はい」
「ここに立って」
マリーの前に立つ
「そのままじっとしててね」
「はい」
マリーがカミラに抱きついた
「「あ!」」
「え?」
つなぎ目の所に手を当ててつなぎ目に魔法帯を貼って一周かせた
これでいいわね。
「カミラ終わったわよ。カミラ?」
「…………」
なんで固まっているのかしら?もしかして帯に異変でも出たのかな?一周して確認をしたが特になかった。
「ちょっと聞いているの?」
「……はい!」
いや、びっくりした。いきなり抱きつくんだから、せめて一言欲しかった。
あいつだけ。クソが後で半殺しだな。
2人で顔を見合わせて頷いている事に気がつく事なく話が進んでいる
「よしこれである程度の戦いは平気になったわよ」
「ありがとうございます」
「イブリース、何があったの?」
「スルト」
「はい、実は闇が訪れてまもなく闇の中を蠢く黒い物体が
闇の中を動き回っている事に気がついてここに来たのですが、その前にスルトが気がつき追いかけていたのです」
「それが俺にもわからないんです。追いかけているのですが気配に気がつくと逃げられてしまってそれの繰り返しなんです」
「気配消せば?」
「しててもそれなんです」
「ちょっと2人ともやってみて」
「「は!」」
2人は気配を消し闇に紛れる
わかったわ。これではいくら消しても捕まるわけがない。私の考えが間違っていなければね。
「2人共、それで全力なの?」
「「いえ」」
これでどうだ。
こつん!、こつん!頭を叩いた。
「これではダメよ」
「マリー様だから見つかるんですよ」
「なら、その状態で捕まえてきて」
「わかりました、スルト行くぞ」
「は!」
カミラが動こうとすると目の前にマリーの腕が目に入る。
「カミラはここにいなさいよ。体が私の魔法帯を吸収するまでは」
「え!これ吸収するんですか?」
「そう」
「吸収したら、いつも通りに動けるから。しばらくはじっとしてなさいよ」
「はい」
マリー様はとんでもないものを施すな。俺には考えもつかないような事を普通にこなすからな、すごいお人だ
1時間が経過
「「はぁ、はぁ、はぁ」」
2人が戻ってきた。
「得体の知れない物体は?」
「それがあと少しの所で」
「だから言ったのにな」
「「申し訳ありません」」
「私が見本見せるから、今度から自分達で頑張ってね」
「待ってください。マリー様はすごいんです。俺たちが真似できるとは到底思えません」
「そうなのね。今から教えるから私が捕まえて来るまでの間に練習して」
「わかりました」
2人に魔法の取得するために教える。
「こんな感じね」
「私行ってくる」
「マリー様よろしくお願いします」
「ええ」
声と共に姿が消えた。
「え!」
「カミラどうした」
「マリー様が消えた」
「お前には消えたように見えているのか。俺たちは今マリー様が中央付近で何かをなさろうとしているのが見えるな」
「カミラはこれからマリー様の動きが見えるように修行だな」
「イブリース様、マリー様よりしばらくの間じっとしていろとの命令がありまして」
「なんだ、それならスルト後でカミラに教えておけよ。このままマリー様の元へは連れて行けないぞ」
「わかりました」
「始めるぞ」
「は!」
2人はいいよな。俺も同じぐらい強くなりたい。このままでは今でも2人には追いつかないからな。
カミラが思っていると2人の魔法取得に向けて修行が始まった
得体の知れない物体ね。ここでじっとしていれば見つかるかしら?
気配を悟られないように魔法を張りる。それに加え500メートル程に警告魔法を施した。
私のテリトリーに引っかかってくれるかしら?
ただじっと待っていると、マリーの耳に警告が聞こえた。
ここから450メートルぐらいの所にいるわね。お利口さんね。わざわざ来てくれるだ。
300メートル
200メートル
100メートル
その調子、そのままここまで来てね
50メートル
10メートル
9、8、7….2、1
マリーが両手を伸ばし素手で掴んだ。
「捕まえた!!」
!?
「オマエハダレダ!」
よく見るとフクロウ?いやコウモリ?なんとも不思議な生き物がを捕まえてしまった。
しかも話すとはね。
「話できるのね、貴方名前あるの?」
「オマエハダレダ」
姿はフクロウなのに真っ黒な体、羽はコウモリなのよね。こんな生き物聞いたことないわよ。
「私の名前はアンダーマリー。貴方名前は?」
「ナマエナイ」
「そう」
とりあえず、イブリースの所へ戻りろう
「ただいま」
「マリー様早すぎですよ」
毎回思うがどうしてこんなに簡単とばかり物事を済ませてくるのか。
「それで、こいつが?」
「そう、わざわざ行かなくても来てくれたわよ」
「ですから、それはマリー様だからですよ。いい加減にわかってください。マリー様は特別なんですってば」
「スルト、そんなに私って凄いの?」
「うー。自覚ないんですか?」
項垂れているスルトの肩に手を置くイブリース
「諦めろ、これがマリー様だ」
「はい」
諦めの言葉を漏らしていた
「それでマリー様、それが?」
「そう。なんか変な生き物ね」
「俺も始めてみました」
「俺もです」
「あのー、それ、もしかして」
「カミラ知っているの?」
「多分ですが、そいつは闇への招待諚だと思いますよ」
「普通招待状って紙だよね?」
「そうですね」
「マリー様、イブリース様それは紙を表す方ではなく、諚の意味を持つ生き物何ですが、俺も始めてみました。誰もあった事がなくて、伝説上の生き物と思っていたのですが」
「それがこの子って事?」
「そうだと思います。あくまでもだと思うって事ですが」
「この子が招待諚ってことは何かの諚を招待するって事でしょ?」
「俺が聞いた話によると招待諚が現れし時、掟を破る者現れ、そのものを掟の牢獄へ取られると聞いています」
「それならこの子一体どこから来たのかしらね」
「それは俺にもわかりません」
「マリー、コイツダレダ」
「こいつ、マリー様を呼び捨てにしやがって」
ゴン!
「こら、イブリース殴っちゃだめだよ。可愛そうよ」
「ですが、どうしても許せないんです」
「イブリースには困ったわね」
「マリー、、、サマ?」
「そうだ、それでいい」
「あれ?この子何か紋章?らしきものが体についている?」
「あ!」
マリーがそれに触れるとフクロウもどきが宙に浮かび上がる。
《これよりアンダーマリーを主とし、つかえるもの生涯使い魔となる、我は招待諚、名を付けよ》
どんどんでかくなり3メートル程の大きさになった
「大きいし、可愛くなくなってるよぉ」
「マリー様、どうなさいますか?」
「どうと言われてもね、あの紋章らしきものに触れなければよかったわよ」
「マリー様には見えていたんですね。俺には見えませんでしたよ」
「イブリースには見えてないの?」
「俺もです」
「スルトも、それじぁカミラも?」
「はい、俺も見えなかったです」
「私だけが見えていたって事よね」
「そうなります」
「マリー様、こいつは本物!?……ですか?」
「うーん、分からないけど。多分そうなんじぁないかな?」
「マリー様で分からなければ俺たち余計にわかりませんよ」
「調べてみるからちょっと待って」
脳内の本や吸収した知識をフル回転で探してみた。
これでもないし、これも違う。やっぱりないな。
(マリー様)
!?
(この声、ロン?)
闇の人魚ロンが話しかけてきた。以前結界に囚われていたのを助けた以来私の配下になるといって、私の前に姿を現そうとしないようにしていたのを思い出した。たまに物達と絡んでいるのをチラッと見たことがあった。
(はい)
(急にどうしたの?って私の頭に声が聞こえるのだけど?)
(そのようにしております)
(あっそ)
半分呆れていた。いちいちツッコむのが面倒になっていた
(今目の前にいるやつは本物です)
(何でそれを知っているのよ)
(俺がここに連れてきたんですよ)
原因はロンだったのね
(それで連れてきた理由は?)
(配下にしてもらうためです)
(何を今更寝ぼけた事を言っているのよ。あの時からそれでいいと言ったでしょ)
(え!)
(え!ではないわよ。ロンは私の配下になっているでしょうが)
(初耳何ですが)
(あのね、私の配下でなければ物達やほかの人魚達とは会えないのよ。その前に物達の溜まり場にすら入れないんだからね。わかった?)
(もっと早くに教えていただきたかったです)
(これで分かったなら、こいつ何とかしてよ)
(それが先程の契約の紋を開いてしまったので、俺にもどうにもならないのです)
(厄介な事を私はしたのね)
(そいつは闇の招待諚で、使い魔になるのですが)
(この子使い魔?)
(はい、使い魔のお腹にあった紋を開かないと使い魔にはなりません。闇の使い魔の中で一番を誇るやつ。そいつを使い魔にしたくて人魚たちの間で争うっていたのですが、紋が現れても触ることができない、早すぎて追いつかない。捕まっても紋は開かない。そんなことばっかりしていたのです。そんな中で奴らに捕まり身動きが取れない俺を救ってくれたのがマリー様。そんなマリー様の配下になるにはと考え、こいつを捕まえて贈り物として渡そうとしてのに闇に紛れてしまい、見失っていた所に元の大きさになったやつを発見、ここにきた次第なんです)
(なら、私こいつを使い魔にしないとダメなの?)
(紋が開いてしまった以上、そうするしかないです)
(その紋を閉める方法はないと?)
(一度紋が開いたら紋は消えてしまい、解除は不可能。契約を交わすしかありません)
(もし、ほっといたら?)
(これは俺も多分としか言えませんが、掟の牢獄へ取られる可能性が高いと思います)
(方法がないなら、名をつけるしかないのね)
(はい、その方がよろしいと思います)
(この子、急に口調が変わったわよ)
目の前の大きい奴に目を向けた
《名をつけろ》
(急いだ方がいいです。時間があまりないと思います)
(分かったわよ)
「名前ね、今考えているから待ってほしい」
《我、待つ》
待ってくれるのね
フクロウ?に名前ねぇ。闇でしょ?闇のフクロウ……
「あなたの名前はストラス」
《我、名をストラスこれよりアンダーマリーを主と認め生涯主人に仕える》
「マリー様?どうしたのですか?」
「イブリース、スルト、カミラ。ストラスが使い魔になった」
「急にどうしたのです」
そうだった、さっきまでロンと話しててイブリース達には聴こえていなかったんだ
「えっとね、実は…………」
「マリー様こいつどうするんですか?」
「たしかにこんなに大きいと困るわね」
「いや、そうではなくて、使い魔にしてって事ですよ」
「え!私のペット?」
「使い魔をペットって聞いた事ないですよ。ほかにあると思いますよ」
「だってぇーこんな風になるとは思わなかったし。それに大きくなければ可愛かったよ。今は違うけど」
「俺が小さくなればいいのですか?」
めっちゃ流暢に話して、みんなに聞こえる様になってる!!
「え、ええ。せめてさっきの大きさ程がいいな。出来ないもんね」
勝手に決めつけた言い方になってるけど、無理よね普通は
「わかりました、マリー様」
どんどん小さくなって
「可愛いフクロウ」
って、私の普通に受け入れているけど、元の大きさより一回り小さくなっている。全長30センチ程になって私の肩に乗っている。
羽がコウモリは変わらないのね。残念
「マリー様できれば名をストラスとお呼びください」
「それって重要?」
「はい、とても」
「わかったわ、ストラスこれからよろしくね」
肩に乗ったストラスを撫でると目を細めて嬉しそう微笑んでいる
「ストラス何でみんなに聞こえる様になっているの?」
「契約が結ばれてたからです」
「それでなのね」
私もよく受け入れているよ。何かあると驚く事ばかりだし、だんだん理解するよりも受け入れる方が先になっているよね、慣れって怖いかも。
「はい、契約を交わすと契約者と言葉が同調し、話せるようになるんです」
「お前!?」
「イブリース、ちゃんと名前を呼べ」
バサバサ!!
「うわ!頭を鷲掴みにするな。痛いだろうが」
「イブリース、ちゃんと名前を呼んであげてね」
「マリー様が、って痛いからやめろ。分かった分かったからストラス」
私の肩に戻って
「分かってくれたか」
「ああ、それでこい!?」
バサ、羽を広げるストラス
「ストラス、闇から出たらどうなるんだ?」
「何も変わらない」
「どう言う意味なの?」
「そのままの意味です。マリー様」
「それって闇から出ても何も変わらないってこと?」
「はい、俺は闇でも光の中でも行動ができる生き物なんです」
「それも不思議よね。闇の住人は光が当たると力が弱まるのよ。それが変わらないとなるとね」
「俺は招待諚、諚を破る者を捉える者なのでそれが光の中であろうと変わらないですよ。ただ今まで諚を破る者が闇に多かっただけで、光の中でもいましたから」
「ちなみに何を掟に反するものと定めているの?」
「世界を乱すものですよ。マリー様ならその意味を一番理解しているのではないですか?」
「ストラス、あなたそれってもしかして?」
「今マリー様が考えている事です」
現代と異世界の事を言っているって事
「ストラス何者?」
「きっと、わかる時が来ます。その時を楽しみにしてください」
「答えになってないわよ」
「そのうちです」
それ以上その話をする事がなかった。口を閉ざしてしまった。
「イブリース、戻るわよ」
「マリー様カミラも連れて行きますか?」
「ええ」
「もう少し待ってはもらえませんか?」
「なぜ?」
「鍛え直しを少ししたいのです。今のままマリー様の所に行っても使い物になりません」
「ならイブリースが鍛えてやればいいのでは?」
「私が鍛えてしまって殺しそうなので、その前にスルトにもう一度鍛え直ししてから、俺が再度鍛えます」
「いいわよ、イブリースに任せる。でもずっと待っているのだから早めにお願いよ」
「わかりました。そのように致します」
「スルト、あれを使ってやれ」
「イブリース様よろしいのですか?」
「構わないが殺すなよ」
「もちろんです」
笑みを浮かべている2人に
強くなれるならと思うが、あの2人に鍛えられて死ぬよりも恐ろしい事が待っていそうなのが気がかりだった。
「スルトよろしくね、私戻るから」
3人が膝まずき
「「「仰せのままに」」」
漆黒のドレスを脱ぐと寝室に戻ってくる。
「はぁーなんか疲れたような」
「マリー様、俺はもう少しスルトを見てから戻りますね」
「ええ、わかったわ」
「ストラス、マリー様を頼んだぞ」
「任せておけ」
こいつなんで偉そうなんだ。そんな事よりも早く終わらせて戻ってくるか
闇の中へ姿を消した
「ストラス、そこの木を寝床にするといいわ」
「これですか?」
「ええ」
私のベットは大きな木をえぐった中にありその上を指差した。
「やっぱ、嫌だった?」
「いえ」
「あーそうだ。これならどう?」
現代で見た事がある感じのフクロウの巣穴をイメージした奴を作ってみた。魔法で穴を開けて穴が空いた所に木くずを中に入れた。
「これはいいです。マリー様ありがとうございます」
ストラスは中に入り、寝床を確かめて入り口から顔を覗かせていた。
めっちゃ可愛いんだけど。首傾げているよ、あれだけ見ると鳥なんだけどな。
そんなこんなで翌朝になっている事に気がつかなかった。
コンコン!
「マリー様、先程から話声が聞こえるのですが」
エブァンが中へ入ってくる
「おはようエブァン」
「おはようございますマリー様。先程の話声は?」
「そうそう、ストラス?」
「あれ?」
「聞いてるの?ストラスってば」
不思議に思い入り口を除きこんだ
「あ!寝てるよ。せっかく紹介しようとしたのに」
「どうされたのです?」
「エブァン、あのね今ここにストラスがあるんだけど」
「ストラスですか?」
エブァンにも説明しないと
「って事で私のペットとが配下に加わったのよ。それがストラスよ」
「マリー様、それペットっていいますかね」
「言うなよ。私のペット!」
ニコニコとしながら話すマリーに
昨日の事があるから、これでマリー様の機嫌が直るなら安いものか。
「よかったです。素敵な配下が来たわけですし、宿しを探しに出かけられそうですね」
「そうだった、宿し探さないと。あと何人だったかな」
魔法の帯を展開して確認をする事にした




