攻防
イブリースは闇に刻印を同調し、探し始めた。
「イブリース様、何をされているのですか?」
「スルトか」
「マリー様に頼まれて人を探しているのだが、闇にいるとは思えないのだ。だかマリー様は探せと仰せだから、一応探している」
「闇には悪魔しかいないのでは?」
「そうなんだよ、悪魔になるやつがここにいるはずなんだがな」
そう思いながらも探していた。
あれはなんだ?
「おいスルト」
「はい」
「お前も一緒に来い」
「わかりました」
へんなやつがいるのがわかった。その場所にスルトと一緒に向かうのだった。
「イブリース様、これは?」
「スルト、お前もわからないか?」
「はい、人でありながら、悪魔でもある、魂が2つに分かれているように見えますが」
「お前もそう見えたか、ここに5人ほどいるぞ。導いてここに集めろ」
「わかりました」
そういう時漆黒を発動し、闇と漆黒を使い分け道を作ってその場所に誘導した。
「イブリース様、近いうちにここに集まります」
「わかった、待つとするか」
「はい、それまでこないだ開発したお茶を飲みますか?」
「なんだと」
「マリー様が来た時に出そうと思って作っておいたんです、イブリース様味見をしてください、よければマリー様に出そうと思うのです」
「お前な、ここの管理はどうした?」
「ちゃんとやっていますよ。手が空いた時に少しずつ進めていたんですよ」
「それならいいのだが、それでもあれはお前の見落としだぞ」
「申し訳ありません。ですがこれを見分けるのも難しいのではありませんか?」
「バカもん、お前はここの王だろうがお前が気がつかなかったら誰が気付くんだ」
殴られた。痛いという次元ではない。腹に穴が………
「ゔっ!」
「今回はこれで許してやる、次はないぞ」
「は……い………」
「お前は回復してろ」
「………………っふぅ」
「来たようだな、お前らこれから捕らえられるわかったら素直に従え」
「なんだお前は?スルト様は、どうした?」
「見ればわかるだろう、そこで回復中だ」
「お前、よくもスルト様を」
闇の魔法の連打をイブリースに叩きつけている。
さらに重力魔法、動けなくなる魔法を繰り出していた。
「これはすごいな、お前達他のやつなら無理だっただろうが、俺には通用しないぞ」
「何を言っている、膝をついているではないか」
「これか?これはな」
イブリースは地面に拘束魔法を施し足元まで移動させていただけだった。拘束魔法に魔力を封じるのも追加で組み込んであった。
イブリースが立ち上がると魔法が発動した。
「どうした?」
「なぜ戦わない?負けるのが怖いのか?」
「挑発は乗らないぞ、ここの連中よりも怖いやつを俺は知っているからな、死んだ方がましたと思わせるほどのやつをな」
「そいつは誰だ」
「お前に教える義理はない」
拘束て動けなくなったやつを結界にいれた。
「さてとここは大丈夫そうだから俺は帰るぞ」
「いつまで回復している」
「……っ」
「仕方ない、手伝ってやる」
スルトに回復を施した。
「イブリース様、やりすぎですよ。死ぬかと思いましたよ」
「何を言っている、死んでないだろ」
「そこではなくてですね、手加減をしていただかないと、ここで王になるものがいなくなりますよ。いいんですか?」
「生意気な、手加減しているから死なずに済んでいるというのに、お前はわからんのか」
「死ぬ一歩手前はやめてほしいだけですよ。せめて動ける程度にしていただかないと、対応できないです」
「今度からそうしてやる。ありがたく思え。普段はそんなことしないんだからな」
「お願いします」
「俺は戻るぞ」
「はい、また来てくださいね」
「わかっている」
川の向こう側に向かった。
あ!忘れていた。お茶を味見してもらうの。今度だな。
ーーーーーーーーーーーーー
「ファティマは、終わったようだな」
「イブリースも終わったみたいでよかったわね」
「そいつら、お前が全部見つけたのか?」
「違うわよ、一つは、私でほかの2個は、エブァンとクオンよ」
「それで、その肝心な2人はどこに行ったんだ?」
「それは、エブァンは、もう一箇所回るところがあるからって言ってそっちに向かったみたいよ、クオンはマリー様を追いかけていったわよ」
「お前はここで何をしているんだ?クオンと一緒にマリー様の元に行かなかったのか?」
「マリー様よりここで守ってて欲しいと言われたのよ」
「それならそうと先に言え」
「あなたね、性格悪くなってない?」
「悪い、スルトのやつが生意気な口を叩くものだからイライラしていただけだ」
「それならいいかど、イブリースはどうするのる?」
「俺はそうだな、エブァンの方を手伝うとするか」
「それエブァンからしたら余計だった思われない?」
「バカ言え、お前は知らないかもしれないが、マリー様に鍛えられた仲だぞ、お前にはわからんだろうがな」
「そうね、わからないわよ」
「俺はエブァンの方に行く、あとは宜しくな」
「イブリース言われるまでもないわよ」
ーーーーーーー同時刻より少し遅れる頃ーーーーーーー
キリウスは川に来ていただいた。
やれやれ、伝達が増え過ぎたせいか自分のが遅くなってしまったか。
遅れを取り戻さないといけないな。
水の配下を呼び出すことにした。
「お前達いるか?」
「ここに」
川から飛び出してきた。水の配下なのだが普段は川の流れに身を任せていることが多いい。
「悪いが手伝ってくれ」
「何を手伝えばよろしいのでしょうか?」
「上流から川の流れに乗って下ってきて欲しいのだ、それと同時に刻印を起動させる。それで探すものを特定する」
「わかりました、まずは上流に行けばよろしいのですね」
「そうだ、着いたら合図をよこせ」
「わかりました、すぐに参ります」
配下はその場から消えた。土を伝って上流に向かったのだった。
水分がある所を通ることが出来るため土の中でも進めるのだ。
「キリウス様、到着いたしました」
「5秒前からカウントして、ゼロになっらスタートしろ」
「了解です」
「5」
「4」
「3」
「2」
「1」
「0」
配下達は川の中に飛び込んだ。キリウスは、川に手を入れて刻印を発動しはじめた。
何が引っかかるかは楽しみだな。人と限定しない方がいいみたいだからな。
イブリースが捕まえたのは人?悪魔?どちらとも呼べるものが捕らえられている以上決めつけは良くないからな。
川を下りながら配下たちは考えていた。
(配下達が川の流れに沿って下って行っていた。キリウス様なにを探しているのかしら?)
(何だろうね)
(私達は、降っているだけなんだしいいんじぁないかな?)
(それもそうね)
(でもさ、知りたいよ)
(後で聞いたらいいかしら?)
(それだと自分で考えろって言わない?)
(言うわね、それでもわからないから聞きましたって言えば答えてくれるわよ、キリウス様お優しいから)
(教えてもらいましょうよ)
(そうしましょう)
そんな会話をしながら下っていたのだが、キリウスから伝達が入った。
「お前たち、そこら辺に何かないか?反応があるんだ」
「はい、今探します」
(この中にあるものって何かしら?)
(そっちにある?)
(こっちにはないわよ)
(こっちもないわよ)
(ちょっとあれなに?)
(人間?)
(違うわよ、あんな人間がいるわけないでしょ)
配下達が近寄っていった。
(やっぱり、水で出来た人よ)
(人が人体実験したのじぁない?)
(そうかもね、キリウス様に報告しないと)
「お前達は、誰?」
「!?、話せるの?」
「人間なんだから話せるに決まっているでしょう」
「貴方はなぜここに居るのよ?」
「貴方達に教えないといけないのよ」
「私達は、貴方に用があってきたの」
「私に?」
「そう、あってほしい方がいるの」
「誰?」
「言ってもわからないかもしれないけど、マリー様よ」
「知らないわね」
「その人があなたに用があるから話をして欲しいのよ」
「話をするのはいいけどそっちが来るのが常識でしょ」
「貴方気がついていないの?」
「何がよ?」
「やっぱ気がついてないのね」
「だから、なんだって言うのよ」
「貴方の体水に同化してるの気がつかないの?」
「知ってるわよ」
「なら、私達以外の人間と会話ができないのも知っているの?」
「!?どういう事?」
「そのままの意味よ」
「ちゃんと説明しなさいよ」
「私達は、水を司るものだから人間と会話ができない。それはこの世界の常識よ、植物と人間が喋れないのと同じ」
「嘘よ」
「嘘ではないわよ、水が人間と話せる?話せないでしょ」
「貴方達と話しても意味がないわ」
その場から行こうとした
「ダメよ、私達と来てもらうわ」
「嘘をつくやつと一緒に行くわけないでしょ」
渦を配下達に向かって放った
「危ないじぁない」
「攻撃しているのだから、当たり前でしょ」
「来て欲しいだけなのだから、それに貴方はこの川からは出られないわよ。ずっとここにいる気なの?」
「貴方達の嘘はいらない、そこをどいて」
「そう、それなら川の上に飛んでみるといいわよ、それが嘘か本当かわかるわよ」
「やるわけないでしょ、嘘つく奴の言うことなんて聞かない」
言いながら流れが激流に変わりはじめた。
「くっ……」
「だから言ったでしょ、貴方達がどかないからよ」
(キリウス様に……くっ…来てもらった方……いいわよ)
(流れに乗って行ってくるわ)
(お願い)
「キリウス様見たかったのですが苦戦していまして」
「今いく」
配下の元へ来た。
「苦戦しているようだな」
「キリウス様、申し訳ありません。説得をしたのですが」
「話せるのか?」
「私達なら会話が可能ですが、人との会話はできないことがわかりました」
「そうか、この激流を作る出しているのはこいつか?」
「はい、そうです」
「お前達、この中に入っていろ」
「は!」
キリウスは水の流れを緩やかにしている場所を作った。
あいつなんなの、ありえるの?だって私の激流をものともせずに、一部を流れを緩やかにしている。それ以外は激流のままだ。
キリウスは激流の流れの中に1人たち彼女と向き合った。
「すごいな、この激流は。これ使えるようになるのに大変だっただろ」
「聞かないと言ったでしょ」
「そうか残念だ、少しお前と話をしてみたくなったのだけど、それは今度の機会にとっておくとするよ」
「これでも食らえばいい」
キリウスに使って水の刃が降り注いできた。激流を利用しているから勢いをつけながら反則的に刃が来る。
いいね、俺の配下にしたいぐらいだな。
刃が来るのだが、キリウスの体の近くになると水刃ではなくなって水になって流れていく。
「貴方何者?私の攻撃が通用しないなんておかしい」
「おかしくはないよ。その理由を教えてやってもいいが、一緒来てもらうぞ」
「だから聞かない」
「自分は説明しろといい、我々には答えない。不公平と思わないのか?」
「思うも何も、嘘つくやつのことなんか信じるわけないでしょ」
「嘘はつけない。嘘を付くとまずい事になるからな」
「なにそれ、理由になってない」
「かもな、嘘をつくととんでもないことに、俺らはなる。それを目の当たりにしていればそれも無くなるさ」
「さっきから上から目線で物事を言うなよ、何様のつもり?」
「別に偉そうに言っているつもりはないが、そう捉えたのなら謝る。付いてきてくれるのであればな」
「だから行かないって言っているでしょ」
「しょうがない、無理やりは嫌なのだが仕方あるまいな」
「できるものならやってみればいい」
強がっていればいい。
こっちには奥の手があるんだからね
「そうさせてもらう」
一瞬の出来事だった。
彼女が奥の手を使う前に捕らえられていた。
「!?」
「悪いな、そこからは出ることはできないぞ。ましてやその中で攻撃も意味がないから、体力取っておくといい」
「バカにしないでよ」
「そうか、一応忠告はしたからな」
この中で奥の手を出してやる
水が彼女の手のひらに集まっていく凝縮した水に魔法崩壊魔法を入れて放った。
これで出られるわね。
「どうして?」
「何がだ?」
「何かだじぁない。なぜ破壊されないの?あらゆる魔法を破壊できるというのに」
「その答えは向こうに行きながら教えてやる」
移動しながら彼女に教えた。
「今の質問だが、この結界はかけた奴でなければ解けない。死んだらとしても同じだ、ここまでいいか?」
「それと破壊ができない理由がないわよ」
「慌てるな、今説明してやるから待て。それただ、その結界に吸収を組み込みながら魔法向こうも組み込むとどうなるか?」
「もしかして」
「そうだ魔法そのものは発動しても無効化が始まるだが距離が短いから届くだろ、だから吸収させているんだ。そして吸収した魔力は、結界を維持する為に使われる。もし、魔法を使わなかったとしてもだ、お前から魔法を維持するだけの魔力が常に奪われるようになっている」
「大人しくしていた方がいいという事なるのね」
「その通り、この結界の良いところは結界内に閉じ込めた者にだけ発動しているため、俺がその中に入る事も出る事も出来る点だな」
「なんでもありじぁないのそれ」
「確かにそうとも言える」
「バカバカしくて、やってらんない」
「俺もお前に答えてやった、次はお前の番だ」
「だから答えない」
「頑固者だな」
「勝手に言っていればいい」
「あの方が来たら、それも言えなくなるから、今は聞かないでおいてやる」
「ふん!」
「着いたぞ」
「キリウス終わったの?」
「ああ、他の奴らは?」
「イブリースはエブァンの所に向かったわよ、クオンはマリー様の所に向かったわ」
「そうか、なら俺はファティマの手伝いと警戒を強化に回っておくか。一応、マリー様の元に水を飛ばしておけば、すぐに向かうことができるからな」
「そうね、それで待機していればいいわね」
「そっちばっかり話してないでよ」
「キリウス、なんかマリー様が言っていたのとちょっと違うようね」
「そうなんだ、でも刻印起動してみろ」
「間違いないわねって刻印が起動した時に初めて人の形に見えたのだけど、そうしてないといるのかいないの分からないわね」
「ファティマも見えるようにこれを使え」
「これは?」
「水で覆ったやつだ、それで結界を見てみろ」
「本当だわね、ちゃんといるのがわかるわね」
(聞いてるの?なんで無視するのよ)
「何か言っているみたいだわよ、口がパクパクしてる」
「無視するなってさ」
「声が聞こえないと、そうだ。これに書いたらわかるかしら?」
「それならわかるだろ」
木の板に魔法で覆い、魔方陣を作る様に文字を書いてみたらうまく言ったみたいね。
(あなたの声、私には聞こえないからこれに書くわね)
「どういう事?なんで私の声が聞こえないのよ」
「さっきも言っただろ、人にはお前の声は聞こえないと」
「そんな、嘘よ」
「それなら、ここにいる子供達を連れてきてやる」
5人の子供が彼女の前に来た。
「お前たち、ここの結界から声は聞こえるか?」
「みんなはじめまして」
「キリウスのお兄ちゃん、この中に何かあるの?何も無いように見えるんだけど」
「いないよね?」
「いないね」
「それなら、何か聞こえないか?」
「みんな聞こえる?」
「聞こえないやー」
「私も聞こえない」
「僕も聞こえないよ」
「キリウスお兄ちゃん?」
「大丈夫だ、聞こえなくても、見えなくてもそれが普通だからな」
「そうなの?」
「ちゃんと勉強をしていれば見えるようになるから心配するな」
「ちゃんと見える?」
「もちろんだ」
「聞こえるようになる?」
「ちゃんと聞こえるようになる、それには何をしないといけないかわかな」
「頑張って勉強するよ」
「その域だ、戻っていいぞ」
子供達は、帰っていった
「そんな、信じたくないけど、子供が嘘を付いていないこと位魂を見ればわかる」
「それ、俺達にも使え」
「子供しか見えないのよ」
「なら、仕方ないか。これでわかっただろ。俺が嘘を言っていないことが」
「あいつらのせいだ、絶対に許さない。ここを出たら殺してやる」
「その前に、そろそろ俺たちの質問に答えてくれてもいいだろ」
「わかったわよ。私はとある研究施設にいたの建物はオンボロ木の板でできた家。その中に入るとテーブルと椅子があるのみなのだけど、テーブルの角4箇所を3回ずつ時計回りに叩くと地下へ行く階段が現れる場所だったの」
「それはどこだ?」
「今あるかはわからないけど、川の向こう側左奥に建物があるわ。その中よ」
「そこって、もしかしたらエブァン達が向かった先何じぁないかしら?」
「そうなのか?」
「多分だけど、あそこも森でしょ?だからエブァンの縄張りだと思うのよ、本人に聞いたことないから多分だけど」
「ここ川の向こう側なの?」
「そうよ、分からなかった?」
「わかるわけないでしょ。周りが見えないようにしてあったんだから」
「その話しは後にしてくれ、それでその地下に降りていくんだな」
「そう、地下はアウンダーグランにつながっていて、最初の扉を開けるとそこに出るの。それを通り越してさらに奥へ進むと2つ目の扉が現れるの。
そこを開けるとマグマの近くに出る。
そこで研究が行われている。
火を扱えるようにする研究や、水を体に変える魔法の研究などいろいろやっていたのだけど、その中でも一番危険な研究が魂を異世界に飛ばせるかの研究、それに私も関わっていた。
その時に水を体に変えて異世界に行けるか試した。その結果、私は行くことはてきなかったし、体は水のままで土の中に消えてしまったの。目が覚めたときには、あそこにいたの川なのはわかったけど場所を特定することができずに探して回っていた時に貴方達に会ったのよ」
「きっとマリー様はそこへ向かわれている可能性高いわね」
「そうみたいだぞ。水が映し出して俺に届けられている」
「そのマリー様って誰よ」
「それは俺達の主人だ、必ずここへ来られてお前たちに会うことになるよ。それまで大人しくしているんだな」
川の向こう側で会話が進んでいた頃、エブァンは建物に到着したのだった。




