城の中
「中に入りたいのだけれども、通してくれないかしら?」
「約束がなければ、入ることはできない」
「そうなの、困ったわね」
「約束はないのだけれど、用はあるのよね」
マリーは、クロスされた槍の間に捕らえられていたのだが、槍に手を置くと2人の門番は眠りについて倒れた。
「ここでゆっくり寝ててね」
大門を手で押しながら中に入っていった、馬鹿力ではない、魔法で力を倍増させているので少しの力で動かせるのだ。
中庭なのねとても綺麗、ここが地下とは思えないほどに行き届いた庭が無数光の球体あたりを照らしていた。
特にこれといった魔法は、ここにはないようね。
さらに進むと中央の扉が見えてきた。
贅沢ね。城の外とは大違い、貧困の差が大きいわ。
扉を開こうとしたら、中から開いてくれたものがいた。
「ありがとう」
「ここに何の御用でしょうか」
「貴方は……そう学ばない民と学民の間に生まれた子なのですね」
「何故それを」
「魂がそれを教えてくれたから」
「魂が?」
「そう、魂が言っていたわ、学民を隠し続けていると」
「何者なのです」
「貴方に知る権利がある、でもここにいては知ることのできない事、知りたいのであればここから出なさい。この城から出たら、迎えをよこしましょう。その者と一緒に行けば、貴方の知らない出来事にたくさん会うことになりますが、それを教えてくれる者もいるのですよ、選ぶのは貴方好きにするといい」
「私はこの奥に進みます、どいてくれますよね」
「…………わかりました、奥に進んでください」
「奥に行く前に聞かせて欲しいのだけれど、貴方はどうするの?」
「外に出たいです、無理なのはわかってはいるのですがね」
「そう、それなら出られるようにしてあげましょう」
「無理です、私はこの城から外に出ることは出来ない体になっているのです。気持ちだけいただきますよ」
「だから、私がそれを出られるようにしてあげると言っているのですよ」
「出来るはずがない、どんなに頑張って学んでも出る方法を見つけることが出来ずに今に至るのだから」
「ふふふふ、言ったでしょ、貴方の知らない出来事が目の前にたくさん会うことがあると」
「そんなこと」
「あら、信じられないかしらそれならこれならどう?」
「瞬く星々に願いを込めよ 心の安らぎとともに願いを捧げよう 優しさの魂よ答えよ クリュシェン」
「それは、学民の長でなければ扱えない魔法」
「その通り、これ私が教えたのだから当たり前よ」
「教えた!?」
「そう、そして貴方は、今望むことが叶えられるようになっているのよ、この城から出たいと願えば、それを聞き入れてくれる、それは体の呪縛から解放される事の出来る魔法なのだから、貴方の体に刻まれている刻印は魂の近くて刻印されているのでもね、私が教えた魔法は、それすらも砕いて無かったことに出来る。ただし、願いが強くなければそれは叶わないの、でも貴方の魂はそれをひたすらに願っていただからこそ叶うのよ、行くといい、私の配下が待っているわよ」
「ほ、本当にで、出られる」
「これからきっとステキな人生が送れるわよ」
「………あ、あ、ぁぁぁ」
「泣かないで、泣くのはここから出て向こうについてからにしましょう」
「ゔぅぅ……は、い、なんてお礼を言えばいいか」
「次にあったときに貴方のステキな笑顔で会えることが私の望みそれは出来るかしら」
「エェェン……、は、い、できます」
「その時に会いましょう、さあ、行って」
「は、い」
彼女は、門に向かって走っていった。
「キリウス聞こえていたわね」
「は!」
「彼女を集合場所へ、今集合場所、幻覚魔法がかけられているからキリウスがわかるように目印つけてあるからそれ使って」
「御意」
奥へ足を進めた、中央階段を上って行くと一際大きな扉が見てきたが両サイドに扉を守るものが門番と同じように立っていた。
通してはくれなさそう
「中の者に謁見を申し立てたいのだけれども可能かしら」
「お待ちを」
……………
「申し訳ありませんがお引き取りを、謁見する必要などないとの事です」
「あら、それは残念ねここで引き下がれないから、私の相手を2人ともお願いしようかしら」
「出来れば、相手をしなくて済む方法はないものか」
「中に入れてくれればそれはないわね」
「そうか、なら相手になるとする」
――――――――――――――
城の門番が眠りについた頃城内部
「どうなっている」
「門番が通過されたぞ」
「それがですね、抵抗することもなく寝てしまったようなのです」
「バカな事を言うでないわ」
「この街の精鋭を揃えているのだぞ、他の奴らをここへ呼べ、秘密通路を使って来いと伝えろ」
「ただ今」
どうなっている、各施設が壊滅的な被害を出し、さらにここにまで来るとは、外の精鋭達は寝てるだけか、気を失っていただけだったのが幸いだ。
研究内容は、あいつらの頭の中にあるからなんとからっているだろうから、建物も被害は無と報告を受けている。
問題は、研究用に捕獲していた猛獣や学民の存在がバレた事だ。
余計な事をしてくれたものだ。あれは、機密事項他の街の奴らにバレると厄介だ。
どうしたものか。
あいつを呼び出すか。
「だれかいるか?」
「ここに」
「あいつをここに呼び出せ」
「彼の方を呼ばれるのですか?」
「そうだ急げ」
「ただ今」
これは大変なことになりそうだ。呼びに行くのは構わないが彼の方は我らでは手に負える方ではない。行きたくはないが行くしかないのか。
コンコン
「失礼致します」
「入れ」
「王がお呼びです、裏通路でお越しくださいとのこと」
「わかった、それでお前達は何をしていた。俺をが行かなければならない事自体あり得ない、何をしていた」
「申し訳ありません」
「謝る事など子供でも出来る、俺は何をしていたかを聞いている」
ほら、始まった。この方は、いつもこれだ。下手な事を言えばこっちが殺される。長年付き合ってはきたが慣れない。
「は、はい、申し上げます。ただ今各研究所が襲われ、対処しておりましたが、相手の方が優った為に被害は中に囚われていた、植物、猛獣他全て奪われました。さらにここの入り口の中にまた侵入を許してしまい申し訳ありません」
「最初から、そう言えばいいのだ。それで王は、俺を呼んだのだな」
「左様でございます」
「使えない部下を持つと疲れる。わかった急いで向かうとする、王にはそう伝えておけ」
「は!」
やれやれ、報告だけなのだが、いつか殺されると思う。いつもヒヤヒヤしているなどとは思ってないんだろうな。
「マテオ王、お呼びだそうで今参りました」
「来てくれたか、待っていたぞ、リアム」
「お呼びしたのはもしや私の配下がヘマをした件で間違い無いでしょうか?」
「そうだ、研究所全ての者達が奪われている」
「申し訳ありません、この報いは私が責任を持って対応いたしますゆえ、どうぞお許しを」
「わかっておる、今回の件で他の街に知られる可能性が出てきてしまった事だ、なんとかしろ」
「仰せのまま、その前に扉の前にて戦っている者をなんとかさせなければなりません」
「お前ならなんとか出来るのであろう」
「もちろんでございます」
「ただ、今戦っている者もかなりの腕を持っているので向こうで終わるやもしれません」
「それならばいいのだかな」
「様子を見るとしよう」
「かしこまりました」
結構、腕が立つのね。面白いわ、ちょっと実験してみようかな。
攻撃を交わしながら、唱え始めた。
「意思を持つもの 魂の思うがまま 束縛より解き放て
リーベラ」
兵達は、武器を捨て、攻撃をやめた。
目の前で兵達が跪いた。
「どうしたの?攻撃してきていいのよ」
「とんでもございません、俺らは、攻撃をするなどあってはならないのです」
実験成功ね、目の前の兵は、自分の意思で戦ったのではなく、命令で動いていたに過ぎない。なので魂の意思を頭に直接叩き込んだのだ。
それと同時に魂は逆らってはいけない存在だと知って、それが脳に叩き込まれるのだから、こうなって当たり前ね。
「それなら、ここを通してくれるのかしら」
「はい、もちろんでございます。もし、許されるのであれば、貴方様の元に下りたく思います」
「そこまでしなくても、ここでちゃんと守ってていいのよ」
「貴方達の気持ちを大事にして」
「俺は、いえ、私は配下になりたく思います」
「右に同じく」
「そこまで言うなら、いいわよ。その前に貴方達も一緒に中に入るわよ。私の背後にいるといいわ」
「仰せのまま」
扉の中に入っていった
なんかお城の王の間みたいね、そこには2人人物と左右には、配下達が並んでいた。
「大勢てのお出迎え、嬉しいわね」
そのまま背後の2人を連れて王の前までやってきた
王のとなりに立つ人物が声を上げた
「マテオ王の御膳だ、跪け」
背後の2人は、ビクンと体を震わせた。可愛そうなので2人の方に手を乗せ結界で全てを守るようにしてあげた。
「大丈夫よ私の背後いなさい」
「は!」
「ダメよ、脅かしたら、それに私王だからといって跪いたりはしないわよ」
「無礼な」
「どっちが無礼な態度をとっているのかしらね。それよりも本題に入らせて」
「ねぇ、あれはなに?研究所で捕らえられていた者達は?ちゃんと答えてね」
静かに怒りを抑えながら聞いた。
周りの兵が攻撃体制をとっているが御構い無し
王の横に立っているものが答えた。
「お前に教えることは無い」
「私は貴方に聞いているのでは無いのよ、わかっているのかしら、リアム」
「名乗った覚えはないぞ」
「そうね、貴方の頭は、名乗っていないわね」
「頭だと」
「ええ、あ、た、ま、はね」
「どう言う意味だ」
「あら、私が答えるとでも?貴方が答えないのに私が答えるはおかしいわ」
「質問の答えになっていない」
「貴方が私の問いに答えるのならいいわよ」
「マテオ王ちゃんと答えを用意しておいてね」
「リアム私の問いに答える気はあるのかしら?」
「いいだろう、答えてやるお前もさっきの答えを教えろ」
「いいわよ、まずは私の問いに答える。その後、私も答えるわ」
「嘘をつけばわかるからな」
「ええもちろん、嘘をついたことないもの」
「では、貴方は学民なのになぜ過ちを繰り返すのかしら?それを繰り返さない方法を見つけることが出来るのにそれを学ばないの?いえ、学ぼうとしないのかしら?」
「どこまで俺を知っているのだ」
「質問の答えではないわね」
「簡単だ、学んだところで、ここでは全て意味を成さないからだ、昔、散々やってきたその結果、学ばない民は、繰り返した。今もそうだ。決して学ばない、同じ過ちを繰り返す、どんなに紙に書き張り出したとしてもまた、繰り返す。俺は、学んだ。それこそがここでは意味を成さないことを、質問答えてやったぞ、次はお前の番だ」
「そうね、貴方の名前を教えてくれたのは貴方自身」
「何を言っている俺は教えた覚えはないと言っただろ」
「頭では教えていないだけであって、頭ではない貴方自身から聞いたのよ」
「だからそれはなんだ」
「学民ならば考えればわかるでしょ」
「くそ」
頭以外となると体か、だか聞いた言っていたのだから、かけるものということになる。だとすれば答えは一つか。
「心か?」
「少し違うわ、でもいい線ね、答えは魂そのものから聞いたのよ」
「そんなこと出来ること自体おかしいだろ」
「そうね、普通は魂が答えるわけがない」
「貴方達の普通はね」
「私の普通は、聞けるのよ」
「お前がここの世界にいることが危険だ」
「そうかもしれないわね、怖がって同然だわ」
その答えを言った時、横から攻撃が来た。
だが攻撃は全て無効にされていた。
「慌てないで、ちゃんと相手になってあげるから」
背後の2人は、頭を抱えて座り込んでいた。
「2人ともそのままでいてね」
「はい」
「どうなっている」
兵達がざわめき始めた。
「それで、マテオ王答えは出たのかしら」
「お前に答えるか」
「わかったわ、私はみんなを相手にしてあげなければいけないようね」
「お前らやってしまえ」
「皆さん、お手柔らかにね、そこの2人ちょっとジァマね、みんなの所に行ってて」
手を叩くと消えた。
「よくも部下を」
「殺してはいないわよ、移動しただけで勝手に勘違いしないで欲しいものよ」
「うるさい黙れ」
2人は集合場所に送られた。
上が何がが降ってきた。
ドス!クオンの頭の上に落ちてきた
「痛ー!?なんなんだ、何か上から降ってきたぞ」
「イタタタタ」
「お前らさっさとどけ」
「すいません」
「こいつらどっから入ってきた」
「あ!キリウスが緊急連絡きたよ」
「なんだって」
「そこの2人マリー様が送り込んだんだってマリー様の配下になったそうよ」
「なにー、マリー様は一体何をお考えか、こんな奴らを配下に入れるなど」
「イブリース、マリー様の決定に文句があるのか?」
「なんだと、文句はないが、説明をしてもらいたいだけだ」
「お前の言い方だと文句あるという言い方ではないか」
「そんな訳であるか」
「クオンにイブリースも、やめなさいよ」
「あとでマリー様の事だからちゃんと説明してくれるわよ」
「アイシェのいうとおりですわよ、今は言い争いではなくてよ」
「わかった」
「ほら、怖がっちゃったでしうが」
「すまなかった、そんなつもりはなかったんだ」
「俺も怖がらせるつもりはない。許してほしい」
2人は顔合わせ頷きあった。
攻撃がひたすら続いているのだけれどもこれは私の配下より弱すぎね、きっとうちの配下なら、かすり傷くらいは私に終わらられるとはおもうのだけれどもね。
「皆さんどうしたの?息が上がっているようだけど。私何もしていないわよ」
「何もしていないわけないだろ、攻撃が、はぁはぁ、きかない、はぁはぁ、だうが、はぁはぁ……」
「私ちゃんと当たるようにここにずっと立っているだけよ、傷一つつかないのは、攻撃が弱いせいなのよ、頑張ってちょうだい。待っててあげるから」
「ふざけやがって」
マリーに攻撃の嵐が降り注ぐのだが全く効いていない。
2時間ずっと待ってのだが疲れてきたの椅子を用意してお茶を飲んでいた。
魔法、物理全て吸収しているので全く痛くないし、カスリもしない。
お茶も飲んだし、そろそろ片付けますか。みんな集合場所集まったようだし遊びすぎると大変だものね
「さてと、そろそろいいかしら私動くわね」
一瞬で周りにいた兵を拘束した。
「あとは、貴方ねリアム」
「いつでも、かかってきていいわよ」
「マテオ王どうなさいますか?」
「許可を出す、やれ」
「は!」
その瞬間
「消えた」
周りの兵が叫んだ。
消えてないよ、なんて思っているんだけどね。
「いい腕してるわね、私を動かしたの久々、エブァン以来ね」
「それは褒められているのか?」
「もちろんよ、動くつもりなかったからね」
「他の時はそんなこと考えていなかったのだけれども、あまりにも弱すぎて、動くのがめんどくさくなったのよ」
「余裕でいられるのも今のうちにだ」
「さっきだって兵達をちゃんと動かないで拘束したでしょ、貴方ならわかったと思っていたのだけれども勘違いかしら」
「知っていたさ、王が俺に攻撃をするなと命じていたから動かなかっただけだ」
「そんなことだろうと思ったわよ」
「続きを始めましょう」
リアムは、剣両手に構えて攻撃をしてきた、剣には魔法来れるように魔法交付がしてあった、そこからの魔法攻撃と、防御も兼ね備えたものだった。
「リアム、その剣いいわね、私もそれつくちゃおう」
「作るだと」
「ええ、これが私の剣よ」
「同じように魔法交付今からつけるの」
「簡単に出来る………それ、反則だろ」
「あら、そう?ちゃんと交付できたわよ」
「そんな簡単にできるか」
「そうだったのね、そっちは大変なのね」
「もういい、本気で行く」
「待っていたわよ」
キィーン……剣が交わる音が聞こえてきた。
「次は私ね」
剣に当てるよう攻撃をしてきた。
「ふざけるな、手を抜くなど哀れみなどいらん」
「本当にいいのね」
「こい」
マリーがリアムに向かって間合いを詰めて拘束をした。
「これでも、優しいのよ。気がついたら拘束されていたでしょ」
「そうだ、さっさと殺せ」
「それは出来ないわ、それをしないといけないのは、リアム貴方が守らされていた、王なのよ」
「守らされていた?」
「そう、リアム貴方の刻印を壊してあげるわね、でも暴れちゃ嫌よ」
「俺が暴れるだと」
「きっと暴れるわね、そうだエブァンを呼びましょ」
「キリウス、聞いていたわね」
「は!」
「ちょっとそれ、まずいわよ、マリー様に言われるわよ」
「ちょっとだけだ」
「ダメに決まってる」
「ケチなことを言うな」
「その死体の結界破ったら、なくなっちゃうわよ」
「中に入ってちょっといじりたいだけなんだ、いいだろう」
「ダメだって言っているだろ」
そこへキリウスが入ってきた。
「エブァン様、マリー様がお呼びです」
「お前らのせいで呼び出しだ、ここにあるものいじったら、お前らマリー様に死よりもきついお仕置きが待っているからな覚悟しろよ」
「わ、わかったからマリー様には黙っててくれ」
「無理だ、マリー様はここでの会話、監視をしている。すでに手遅れだ」
「そんなー」
「俺は行ってくる、大人しく結界強化してろ」
目の前にひとりの男が現れた。
「マリー様、遅くなりました」
「エブァン、向こうの処理は任せましたよ。きついお仕置きがをしておいてね」
「は!」
「エブァン、リアムに保護魔法してくれるかしら?」
「この者にですか?恐れながら申し上げます。私は反対です」
「理由は?」
「はい、この者はマリー様を傷つけた事を自分は許せないのです」
「エブァン、もしそれが私自ら傷つけに行ったと言ったらどうするの?」
「マリー様からですか」
「私が、それを行う事で、確かめなければならない事をしたとしたら?」
「………申し訳有りません、今すぐにこの者に保護魔法を施します」
「エブァンは、わかってくれると思いました」
「は!」
魂の刻印を探すために近くに寄る必要あった、だから傷ついたのだと理解した。
魂の近くに刻印をされると魂の輝きで刻印が見えない。近寄らないと判別が難しいのだ。
今回マリー様の傷はかすり傷ですぐに塞がって痛くなるまでに回復をしているので問題はないのだが、俺とはでは、見たくはなかった。
エブァンは保護魔法をリアムに施していた。




