地下
エバァンが旗を取り終え、マリーも通行書をもらうために試験を受ける体制になっていた
「次は君だね」
「エバァンと同じでいいの?」
「構わない」
「カウントするわね、3.2.1.0…これでいいの?」
「!?、何をした」
「何って旗を取ったのよ。ちゃんと10本あるわよ、エバァン私変なことしたかしら?」
「マリー様、多分見えていなかったのだと思いますよ」
「そうなの、かなりゆっくりやったのに」
「エバァンは、見えていたでしょ」
「はい、もちろんでございます。ですが普通だと見えないと思われます」
「私、小走りで取ったのよ。それでも早いのね。少し考えないとダメかしら」
「いえ、マリー様。そんな事はございません。今のままでお願いいたします」
「わかったわ、どうするの?通行書を発行してくれるのかしら?」
「ああ、約束だ右の石に触れてくれ、そうすれば通行書が手に入る」
「わかったわ、エバァン行きましょう」
「はい」
(あいつら化け物か?)
(お前今の見えてか?)
(俺には見えなかったぞ)
(お前もか)
(俺もだ)
(どんな魔法を使えばあれだけの速さが出せるんだ)
(俺に聞くな)
(あんなやつこの世に居たんだな)
(俺たちが相手になるわけないだろ)
(そもそも、攻撃すら出来ずにただ立っていただけとかあり得ないだろ)
(ここで仕事するようになって15年はここにいるがそんなやつ一度も会った事がないし、聞いたこともないぞ)
(バカをゆうでない、わしはお前らよりもここで働いているのだぞ、このわしですらないんだ、お主らごときがわかるわけなかろう)
(爺さんいつからここにいるんだよ)
(わしか、40年位いるぞ)
(それを早く言え)
(行っておったではないか、人の話を聞きませんで)
(悪かったよ、本当だとは思わなくだんだよ)
(とにかく、あいつらには、関わらない方が賢明なだ。得体のしれんやつらだからな、下手をすればこっちがやばいからな)
(その意見には、賛成だ)
(終わったようだぞ)
「できたわよ」
「そのまま進んで構わない」
「ありがとう、また後でね」
「ああ」
(おい、なぜまた後でねなんだ、会うつもりはないぞ。そもそもここは入り口であって出口ではない。それなのにまたとはなんだ)
(あいつらここに戻ってくるって事だろう)
(それは無理だ、お前もわかるだろ)
(出口は、猛獣区に繋がっているだろうが)
(わかっている)
(ちゃんとしたルートを通らないと猛獣に襲われるんだぞ、あそこら辺は普通の猛獣とは違った猛獣がウヨウヨいるんだ、2人で倒せるほど甘くはないんだ)
(だがまたと…)
(それを言うな。ちゃんとしたルートの地図を手に入れるのに苦労する人が多すぎてここ最近この入り口に近づく者がいなくなっているではないか)
(たしかに、考えすぎか)
(当たり前だ、脅かすな)
(なんか今日は、特に疲れたな)
(今日は、早めに入り口塞いで帰ろうか)
(そうだな、その方ががいい)
なんかすごい会話聞こえてきたよ。そんな所に私行ってるのかな。
あの中に宿しがいたから、また後でって言ってしまったのよね。あれは多分属性は土ね。
奥へと進んでいく。
猛獣が私を襲うわけがないのよね。
そんなことしたら、クオンに殺されるわよ。
エバァンもそれを知ってるからのんびり歩いているのだけどね。
!?
「エバァン、ぼーっとしすぎよ」
エバァンに向かって襲いかかってきたので防御をした。
「申し訳ありません、まさか襲ってくるとは思いませんでしたので」
「たしかに、この子クオンに殺されそうなんだけど大丈夫かしら?」
「マリー様を襲った訳ではないので………」
鋭い爪が牙を向いたので、避けておいた。
「襲ってきたわね。さてどうしましょうか?クオン呼ぼうかしら、この子きっと宿しているわよ。もう少しで同化しそうなのだけれど、どうも興奮が続きすぎて我を忘れているみたいなのよね」
「エバァン、クオン呼ぶ?」
「その方がよろしいかと」
「クオン今すぐここへきなさい」
「ただ今向かいます」
1分後
「マリー様おまたせいたしました」
「クオン、この子配下でしょ」
「そうでございます」
「なら、我を忘れているみたいだからなんとかしてちょうだい」
殺しにかかって死にかけていた。クオンわかっていないわね。
「ク、オ、ン、殺したらどうなるかわかっているよね」
魔力を叩き込んだ。
青ざめたクオンが答える
「も、もちろんで御座います、どうかが安心ください」
魔力を解消し
「それなら良かった、クオンそれが終わったらその子連れて鍛え上げおいてね」
「仰せのままに」
今のは恐怖どころではない、一歩間違えれば俺が死んでいた。
マリー様を怒らせてはならない。
クオンが初めて味わう本当の恐怖だった。
その後、クオンは、猛獣を鍛えるべき場所に連れて行った。
マリー様も今のは俺でも厳しい程の魔力だった。もし自分だと思うとゾッとする。
普段から怒る事はほとんどない、ムッとする程度でそれ以上は、配下の者がそれを察して従うからなのだが、今クオンに強力な魔力をぶつけたのはきわめて珍しい。
こんな感じに昔私も一度、幼いマリー様にされたことがあるのだが、久々にゾッとした。
マリー様が怒ったらどうなるか、考えただけで恐ろしい。
――――――――――――
「エバァン、気がついた?」
「はい、土の属性を宿した者が5人ほどおりました。あそこに集まっているとは、嬉しい限りです」
「そうね、エバァンの配下にも23人ほど宿してたでしょ、もちろん同化するように手配はしてあるのでしょ?」
「その辺は抜かりなく進めております」
「エバァンは、頼りになるわ。わざわざ私が言わなくても進めてくれるんですもの」
「もったいないお言葉です、宿しで気になることが」
「何かしら」
「クオン、ファティマ、イブリースにも配下に宿した者がかなりの数いるようなのですが、それについてマリー様もお気づきだとは思います。どうなされますか?」
「それはね、今配下を連れてくるようにって言ってあるのよ、直属の配下でない者を連れてくるようにと、今やっている頃だと思うわよ」
「そうでしたか、先程3人を呼んでいたのはその為だったんですね」
目の前に門が現れた。
「その通り、すごい大きい門ね」
「そうですね、ここまで大きいのは初めて見ました、昔はこんなに大きくはなかったのですが」
「昔は昔よ、確かここのくぼみに手を入れれば良かったのよね」
「そのようですね」
「起動しないわよ」
「おかしいですね」
!?なんでこんなに猛獣だらけなのよ。多すぎでしょ
「もしかして、はめられたのかしら」
「みたいですね」
「仕方ないなもうー」
「マリー様、私が行きましょうか?」
「エバァンでもいいけど、それだと殺すでしょ」
「それは…」
「いいわよ、面倒だけど私がやるわよ」
「エバァンは後ろに下がってて、あと、体全部最大強化防御音波完全遮断しといて、死ぬわよ」
「仰せのままに」
「空中に漂う物 声なき声を届る物 私の声を皆に オンソウノー」
これで猛獣達に指示が出せるわね。
(今すぐに私に服従しなさい、お前達の王に殺されるか、好きな方を選ばせてあげる。お前達の王は、私の配下だ)
(そんなわけがあるか)
(今すぐに呼び寄せるわよ)
(お前俺たちの言葉がわかるのか)
(当たり前でしょ、貴方達の王の主人なんだから)
(信用できるか)
(面倒くさいなぁ、クオン!聞こえるの?こいつら、なんとかしなさい、本気で殺すわよ!)
早かった、さっきよりもさらに早く私の元にやってきた
「クオン、どうなってるの?貴方の配下は私を知らないというんだけど、クオン説明をしなさい」
クオンは、元の姿に戻り伏せている。
「申し訳ありません、全ての配下にマリー様の事を教えてありませんでした」
「クオン、それは一番最初にする事でしょ、貴方私をなんだと思ってるのよ、一回ならまだしもこれで2回もよ、いい加減にしないと私だって怒るわよ」
「今すぐに伝達し、作業に戻るようにいたします。今後このような事がないよう、肝に命じますので何卒良き計らいをお願いいたします」
「エバァン、貴方もよ。少しはクオンの配下に私をわからせてよ」
「マリー様、それをマリー様の方が早いのではないですか?あの魔法物達に教わっていたではありませんか」
「エバァン、貴方」
まずい怒らせたか
「すっかり忘れていたわ、そうよね。あれ使えば良かった」
「もうすこし早くに気が付けば良かったわね、エバァンありがとう、クオンも大きな声あげてごめんなさい」
「いえ、私が伝達していればこのようなことには、なっていなかったのも事実、このような事がないように努めます」
「もったいお言葉、良き計らいに感謝いたします」
全ての配下に告ぐ、私がマリー皆の主人です。顔を覚えておいて。
配下全員の脳に私の顔を浮かばせておいた。
「クオン、下がっていいわよ」
「では、これにて」
クオンは下がっていった
(わかったら、跪きなさい猛獣達よ)
(マリー様とは知らず申し訳ありませんでした)
(いいのよ、貴方達ここで待機。貴方達に命令できるのは私かクオンだけなのよ。いいわかった)
(仰せのままに)
「エバァン、魔法といていいわよ」
「魔法陣ヒビが入りましたよ」
「エバァンごめんなさい、ちょっと大きい声出しすぎたみたい」
「それよりもここに手は入れられませんね」
「ここの門あげる方法ね」
位置と姿を隠しますきっと誰かが入るのを見ていれば入れるものね。
しばらくすると10人がやってきて、口の中に手を入れた!?
どうなっているの?あの者は入れて私は入れないわよ
「キリウス、近くにいるでしょう」
「ここに」
「入れないのよ」
「マリー様、手を入れる場所がマリー様とエバァンは異なるんです」
「は!どういう事?」
「マリー様が手を入れた場所より上にある口に手を入れないといけないのです」
「キリウスありがとう」
「エバァンは私が入れた方ね私は、届かないわよあれ」
「入れてくれる気がないわね、これ」
「警戒してこれならいいけど、そうじぁなかったら嫌になるわね、ここ」
「猛獣、ここへ私を背にしてあそこまでジァンプして」
「ガォォォォォ」
すごい勢いで、ジァンプしたけど通り過ぎた。
「通り過ぎたわよ」
「グルル」
「今度はすこしだけにしてみて」
「グルルルルル」
これからいい感じ
「届いたわ」
これでって開かないわよ
「なんなのよこれちゃんと入れたわよ」
「君達に告ぐ、この中に入れるわけにはいかない」
「「それはなんで」」
「猛獣を自在に操る者など入れられるわけがない」
「それは、貴方の意思?それともここの中にいる主人の意思?」
「わざわざ主人に聞くまでもない。そんな危険な者を許すわけがない」
「要するに貴方の意思ね」
「それがどうした」
なるほどね、組織としてはまともか。
「エバァン帰りましょう」
「はい」
「猛獣達、今日はご苦労様でした、帰っていいわよ」
そういうと猛獣達は帰っていった。それと同じくらいに私もその場から歩いて帰っていった
「この洞窟からは出ることも出来ないがな」
「エバァン、そろそろいいかしらね」
「そのようですね」
「ふつうに入りたかったからルールに則ってしていたのだけど、ここでは意味があまりないみたいだから、向こうから開けてくるわね」
「わかりました、私は門の前で待っていればよろしいのですね」
「ええ、そうしてちょうだい」
「わかりました」
「いってくるわね」
門を開ける場所まで移動した。
なんかいっぱいいるけど、寝てもらおうかな。最近覚えた魔法唱えなくても使えるようになったや。
魔法起動発動した。これかなり強いかもね。しばらくは起きなさそう。
門を開けるのにこれ引っ張るの。
少しでもエバァン入れるからいいか。
力を込めて引っ張った。
エバァンが入ってきた。
入ったのを確認して閉めた。
エバァンの元に戻ってきた
「エバァン、今度からはエバァンと一緒入るわ、これ重いのよ。綱で引っ張るの、疲れるわよ」
「そうでしたか、マリー様お疲れ様でした」
「もちろんエバァン事だから、みてきたわよね」
「はい、特に魔法は、貼られているわけでも扉を強化してあるわけでもなく、ただの扉でした」
「やっぱエバァンね、私が知りたい事をしてきてくれるんだもの」
さっきのムッとしたマリー様ではなく、逆ニコニコとしていたのでエバァンは、ホットしていた。あれ以上の刺激はマリー様には、よくないからな。
「あと、洋服は変えましょ」
手を叩くと、服が変わった。
エバァンは、騎士の格好、私は魔女の格好に変えた。
「これならここの人達と同じだから平気ね」
「そうですね、ここは魔女、騎士が多いいようですね、武闘もあるみたいね」
周りは全て洞窟の中に作られているだけあって岩だらけなのだが建物は、レンガ風の建物になっている。
中央には大きな城っぽい建物があり、それを囲むようにお店が並んでいるその後ろの方は、住居だと思われる建物が並んでいた。
「かなり栄えているみたいだけど、ここにいるはずなのよね宿した者がキリウス、何か掴んでないの?」
「はい、調べるによると中央には、ここを収める者達が蘭日会議やら研究やらを行なっております、それ以外となると怪しい箇所が5箇所ございまして、そこには侵入防止の結界が張られており、空気のみが通れるようになっているので、中に入れずにいます」
その魔法私が見れはまだわかるんだけどな
「マリー様一度行ってみてはいかがでしょか?」
「それが近寄ることが不可能で」
「なにそれ」
「警戒が厳重過ぎてどうにもならないのです、わたしの分身水達が変化しただけでも警告音がする始末かなり厄介です」
「そうなの、場所は、特定しあるのでしょう?」
「はい、場所の特定は済ませてあります、そこに出入りするものの情報も得ております」
「なら、後にして宿に泊まり一度ゆっくりしましょ」
「キリウスも今日は、いいから一緒に来ない?もちろん警戒、監視はしておいて、それをしたままでもあなたなら私達と一緒に楽しむこと位できるでしょ」
「私がマリー様と一緒に………」
「よろしいのでしょうか、こんな私が一緒だと…」
「いいんだよ、マリー様がいいと言っているのだから」
「それでは、せんえつながらお供にさせてください」
「キリウス、硬い、行くわよ」
「はい」
宿に着くなり、キリウスを連れてお風呂に行ってみた。なんとここには温泉があるのだと聞いた。
「マ、マリー様、一緒になんでおこがましいです。私なんかと一緒は、よくないです」
「いいか、悪いかはキリウスが決めることではないわよ」
「ですが、えー」
洋服を脱がしてしまった。
「ちょっとお待ちを、待ちませんつべこべ言わず行きますよ」
「は…い…」
体を洗い終えお湯の中へ、異世界にもお風呂はあったのだと思った。気持ちーさっきまでのが嘘のようにムッとしたのが消えてリラックスタイムだ。
「キリウスどうしたのです、入りなさい」
キリウスも恐る恐るお湯の中へ
!?なにこれすごく気持ちいいんだけど
「キリウス、気持ちいいでしょう」
「はい、きてよかったです」
「それなら良かった疲れを癒しましょう」
「はい」
お風呂から上がってくるとエバァンも上がってきたところだった。
お風呂上がりの服装は、2人と白いワンピースだった。
ここに置いてある服を着てみたのだ。
「キリウス、この服ラクでいいわね。気に入っちゃった」
サラサラで軽くてきている感覚ないほどに手触りも良かった
「マリー様本当に、これいいです」
「エバァンの服もいいわね」
「なんかさましがなくて落ち着かない気がしますが、たまにはいいと私も思います」
「部屋に戻ると食事の用意がされていた」
「素敵ね、座って食べましょう」
「そうしましょう」
「その前に」
手を叩くいた。
「エバァンも食べましょう、きっと美味しいわよ」
「マリー様ありがとうございます」
「いいのよ、いただきます」
解毒を全て終わらせたのだ。毒は、全て無効にしたので安心して食べられんのよね。それにエバァンが気がついた、もちろんキリウスも
「あー、美味しかった。それならまた食べたいわね
「本当です、マリー様ありがとうございます。私幸せです」
「それは良かった。で、捕まえられた」
「もちろんです。抜かりはありません。どうなさいますか、ここに連れてくることも可能なのですが」
「もうすこしゆっくりしてからでもいいわよね、キリウスはどう思う」
「もし叶うなら、もう少しだけゆっくりしたいです」
「そうよね、ずっと働き詰めだからたまにはいいわよね」
「エバァンもそうでしょ」
「はい」
ここではいいえなんて言えん。出来ればさっさと終わらせたいのだが、それをしてしまったら間違いなく2人に睨まれそうだ。ここはあえて合わせるのが正解だ。後のことを考えるとな。
――――――――――――
「キリウス、そろそろ捕まえた者をここに連れてきてもらいましょうか」
「よろしいもですか」
「ええ、お仕事しないとね。疲れも癒されたことだし」
「ただいま連れてまいります」
「エバァンも付き合ってくれてありがとう、貴方の事だから早く片付けたかったのでしょけどね」
「マリー様がわかってくださっているのであれば私はそれで満足です。ゆっくりなさってください」
「そう言ってくれると嬉しい」
会話を楽しみつつキリウスが連れてくるのを待ったのだった