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底辺から最底辺へ
ジリリリリリリリリ…!!!!
朝8時、目覚まし時計のけたたましい音が1kの部屋全体に響き渡る。
『ん…』
それをめんどくさそうに止めると部屋は急に静かになる。
30秒ほど布団の中でぼーっとしてから、青年はだるそうに起き上がる。
絵に描いたような煎餅布団を雑に畳み、毎朝の日課であるセブンスターに火をつける。
やめたほうがいいのに…
そんな声が聞こえてくる気がした
が、やめれない。
そんなもんだ。
そして、歯を磨き、液体歯磨きで口臭予防をする。
『さぁ、仕事行きますか』
独り言をボソっと呟き着なれたパーカーとジーンズに着替えて外に出た。
少し寒い春の朝だった。
徒歩で行ける距離だが、めんどくさい。そう思いボロボロのリード90にまたがり乾いた2ストエンジンの音が春の朝をコーティングする。
5分前に吸ったが、バイクに乗るや否やまたもやセブンスターに火をつける。
それを加えながらバイクのアクセルを捻る。