5.青の居住区
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ありがとうございます!
ちょっとした掲示板回をこの後更新するので今日は2話分になります。
「それじゃあまた。」
「うん、何かあったら連絡して。」
無事に”カエルレウム居住区”に到着したのでフレンド登録だけしてフィーナとは別れた。とりあえずフレンドもひとりできたし、目的地にもついたし順調だ。
いくつもの木を組んで作ったであろう塀にある門をくぐると、そこは広い村のようになっていた。拠点のひとつだが、だいぶ規模が大きい居住区のようだ。地面をならした大きな通りが門からまっすぐと延びており、木造の家がたくさん建っている。街にまでは発展していないようだが、1年でよくここまで造り上げたものだ。そういう”設定”とは分かっていても素で感動してしまう。
「新たな開拓者よ、ようこそ”青の居住区”へ。」
俺が居住区の姿に見入っていると、門の近くに立っていた門番らしき男がそう歓迎してくれた。
「青の居住区?」
そういえばどの建物も屋根が青い塗料で塗られている、この居住区のイメージカラーなのかな?
「そう、この”カエルレウム居住区”は青色を基調とした居住区。水の精霊の加護を受けているから、感謝と尊敬の意を込めて青色に染めているのだ。」
おお、水の精霊だと。ファンタジーっぽい要素きた!
「それで居住区全体が青いのか…。」
「おう、居住区中央の建物の中に水精霊様の祠があるから立ち寄った際には感謝を忘れるなよ。」
[クエスト【はじめてのお祈り(青)】が発生しました。]
なんかそんなテレビ番組があった気がする…。苦笑いしながらクエスト内容を確認する。
【はじめてのお祈り(青)】
難易度1
内容:水精霊様の祠へ行き、お祈りを行う。
報酬:不明
難易度も低いから初級のクエストだろう。居住区を探索しつつ祠へ行こう。
”カエルレウム居住地”は中央を貫く大きな通りを挟むように建物が並ぶ細長い作りになっている。周囲を高い塀で囲んでおり、俺や他のプレイヤーが入ってきた所と、通りの反対側の二ヶ所に門がある。そして、通りのちょうど中間地点、ひときわ大きい建物が通りに面する形で建っている。
”カエルレウム本部”と書かれたその建物に入ると、中はいわゆる”ギルド”になっていた。入った正面にカウンター状の受付があり、受付嬢が等間隔で立っている。右の方にはテーブルと椅子が並んでおり、飲み食いもできるようになっている。さらに奥に進むと掲示板があり、クエストの紙が貼られている。外観に比べて中身はさらに広い気がするので、ここもゲームの不思議仕様だろう。
空いている受付を選んで受付嬢に話しかけた。
「こんにちは。」
「こんにちは、新しく来られた開拓者様ですね。」
青を基調とした制服に身を包む黒髪ロングの受付嬢はにっこりと笑いながら対応してくれる。
「はい、そうです。」
「では、まずここでギルド登録をしていただきます。」
受付嬢の指示にしたがって登録をしていく。カウンターに敷いてあるA4サイズくらいの透き通った石板に右手のひらを置く。そうすると一瞬石板が光りすぐに元の状態に戻る。受付嬢は小さなカード状のものを渡してきた。受けとると光の粒子になって消えた。
「これでギルド登録は終了です。開拓者様の魔力とステータス情報を登録することで、開拓者様の生存確認が行える他、他の居住区にいった際には身分証の代わりにもなります。迷惑行為などを行った際にもギルドカードに記録が残りますので、その点はお気をつけください。」
「ありがとう。ところで、水精霊様の祠はどこにあるんですか?」
「水精霊様へのお祈りに来られたんですね。祠はこの建物の地下にあるのですが、現在立ち入り禁止となっております。申し訳ございません。」
「え、立ち入り禁止?」
「はい…、本日大規模な開拓者ご一行が到着されて、ギルドは忙しくなっております。祠は大変神聖な場所ですので、人手が足りない今解放することが難しくなっております。ご理解のほど宜しくお願い致します。」
まあ、そんなこともあるのか。おそらく何らかの条件で解放されるのだろう。
「わかりました。いつ頃になれば解放されるか予測はつきますか?」
「なんとも言えませんが…。よろしければ一つ頼まれごとを受けていただけませんか?」
[クエスト【助っ人を呼んできて】が発生しました。]
はいクエスト来ました。
【助っ人を呼んできて】
難易度1
内容:開拓者を運んできた船の乗組員の中には現在手が空いている人がいるはずだ。その人たちに声をかけてギルドを手伝ってもらおう。
報酬:不明
「わかりました、ちょっと行ってきます。」
「ありがとうございます。特に期限はありませんので出来ればお願い致します。」
クエストに次ぐクエストだ…。