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4.生プレイヤー

日中どたばたしているため、日付が変わる頃に更新していく予定です。

良かったら見ていってください。

 甲板を上った先でプレイヤーらしき人たちが腕っぷしの強そうな男と何やら会話をして、次の瞬間には姿が消えていく。やはり、何かあるんだろうと思い、例の男に話しかけてみる。

「あの、こんにちは。」


「なんだ兄ちゃん、あんたも一旦船に戻るのか?」

「船に戻ることができるのか?」

 気になって訪ねてみると男は呆れた顔をした。

「当たり前だろう、簡易拠点やこの先の居住地だけじゃ、これだけの開拓者の居場所を確保できねぇ。船室で寝泊まりくらいできるようにしておかねぇと。」

なんと、船は寝泊まり用のスペースとして利用できるらしい。詳しく聞いてみると、大きな模様替え等はできないが、船室をひとり1室ずつ簡易のホームとして登録できるようだ。ホームに登録することで、死に戻り時の場所に設定できたり、引き出しをアイテムボックスとして利用することができる。WWOはイベントリがあるため、基本的にアイテムはいくらでも所持することができる。だが、デスペナルティで所持金1~3割の消失と所持アイテムの1~3個の消失があるため、アイテムボックスなどに保管しておくことが推奨されている。

「教えてくれてありがとう。しばらくはここの船室を使っていてもいいか?」

「いいって、開拓者はみんな協力していかないとなぁ!えぇっと、基本的に利用期限みたいなものはないが、だいたいの奴はこんな簡易拠点に居座らずに一番近くの”カエルレウム居住地”を目指すぜ。そこは大きめの居住地だし、船室はなんだかんだ船の上だから揺れて心地よくはないだろう。」

[ マップ上に”カエルレウム居住地”が更新されました。]

 親切に色々と教えてくれた。しかも会話でキーワードが出たようで、マップ上になにやら居住地が更新されたみたいだ。

「色々とありがとう。遅くなったが俺はニックだ。これからよろしく。」

「そういや自己紹介がまだだったな。俺はドゼルフだ。船の整備をやってるからしばらくはここにいる。何かあったら遠慮質問しに来ていいからな。」

 挨拶を交わしてドゼルフと別れた。やはりNPCとは思えないクオリティだ。不自然さが全くなかった。”カエルレウム居住地”をの位置を見てみると拡大しているセーフティエリアの外周に重なるような場所にある。おそらく、セーフティエリアが拡大している間に行けってことだろう。

 他にも情報収集したかったが、一向にプレイヤー数が減らないし、むしろさらに増えてきているので先に居住地へ向かうことにしよう。


 船が到着した”アンカーの崖”にある広場のような簡易拠点を出るとすぐに森が広がっている。船が到着した際に辺りを見回したが、鬱蒼と木が生い茂る森のせいで大陸の奥がどうなっているかはわからなかった。だが、それがむしろ俺をワクワクさせる。

 森の中にも多くのプレイヤーの姿があった。だが、現在ここ周辺はセーフティエリアになっているため、みんなちょっとしてたハイキングのようなテンションだ。

 よく見ると動物もいるのだが、ノンアクティブモンスターのようでなにもしてこない。反対に何人かのプレイヤーが攻撃しようと試しているが、攻撃が当たる前に動物はどこかへ走り去ってしまうようで、モンスターを倒した様子はない。早くレベリングしたいプレイヤーにとったら嫌な仕様なのかもな。まぁ、さっさとセーフティエリア外に出て狩りを始めるだろう。

 そんなことよりも俺は採取に夢中だった。そこら辺にある草や木の実など何でも採取することができるのだ。


薬草

レア度1 品質2


木の実

レア度1 品質2


レア度1 品質3


キノコ

レア度1 品質2


レア度1 品質1


レア度1 品質1


 ただ、鑑定を持っていないからか最小限の情報しか表示されない。しかも、少し形や色が違うキノコなども「キノコ」と同じ名前で表示される。何かスキルを獲得することで分別できることができるのだろうか。とりあえず採れる物は取っておこう。虫もリアルで抵抗あったけど捕れました。カタツムリみたいな虫とカナブンみたいな虫で、他の虫には逃げられた。これも「虫」ひと括りなのね。


「えぇ…。そんなのよく捕まえられるわね…。」

「ん?」

 後ろを見るとあからさまに嫌そうな顔をした女性が立っていた。

「こいつは動きが遅かったから簡単に捕まえられたよ?」

「ひぃ、近づけないで!」

 今しがた捕まえたカタツムリ(仮)を彼女の方に向けるとひきつった顔で悲鳴をあげた。どうやら虫が苦手なようだ。よく捕まえられるなって、よく触れるなって意味だったのか。ちょっとした嫌がらせになってしまった。

「ごめん、苦手だとは知らず。」

「いえ、気になって私が近づいただけから君は悪くないわ。」

 俺が虫をしまうと安心したようでホッとした顔をしていた。怒ってはいないようだ。

「このゲーム、ちゃんとしたアイテムじゃなくても何でも拾えるみたいなんだ。それが面白くてつい。」

「あぁ、だから虫も?有用なアイテムだとしても虫は無理だわ…」

「反応を見てるとそんな感じだね。君も、なんとか居住区に向かってるの?」

「”カエルレウム居住区”ね。なんとか居住区って覚える気ないでしょ…。あと、私”フィーナ”よ。よろしく。」

「ニックだ。こちらこそよろしく。」

 何がツボに入ったのかフィーナはひとしきり笑ってから自己紹介してきた。俺と同じように開拓者の装備を身に付けたフィーナは深紅の髪を肩くらいまで伸ばした髪型で瞳も揃えて赤色だ。パッと見気が強そうだが話してみると至って普通の女性だ。さっきまでNPCとしか話してなかったから本物のプレイヤーと話すのはこれが初めてだ。内心テンションはかなり上がっている。

 フィーナの職業は【盗賊】で、短剣を扱うようだ。お互いに今のところソロで活動しているということで”カエルレウム居住区”まで同行することにした。


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