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最底辺と果ての二重構造の現実世界

 


 俺は作者だ、そして此処は最底辺の現実世界だ。

 規定現実ってのが、まあ創作の中の世界。

 創作の中の世界において、此処は、考えられる限り最底辺の世界。

 

 つまり、この最底辺の、無限に劣悪な環境下、

 絶対に奇跡は起こらないし、絶対的に圧倒的に低スペックな俺がいる、世界。


 そんな場所で、”こんなにも色々と、あーだこーだ、がんばれている俺”は、

 はっきり言って、この無限大の世界で、無限大に意味と価値がある、最強無敵の特異点絶対存在なのだった。


「ばっかじゃないの、平気で他人を見捨てて、殺しても痛痒も感じない、性根が腐りきった外道人間の癖に」


 耳に心地よいソプラノボイス、萌え声で愛しい人の声だ。


「イリカ、ああ、イリカ、超かわいい声、心も体も震えて、超癒されるわ、大好きだよ、仕事の疲れも癒されて、明日も頑張れるよ」


「うるさいなあ、そのネコナデ声、きもいキモイって、いつも言ってるよね? やめてくれない?」


「またまた、本当は好きな癖に、いけずだなぁー」


「はあー、きも」


 この子はイリカ、本名はしらない。

 俺が、家の近くにある無駄に巨大な敷地面積を誇る、おそらく国立の不可解な某科学の研究所を、

 まあ休日に散歩していて、ちょっと不審な感じだったので知らんが、衛兵につかまって面倒な事になりそうだった所を、助けられたのだ。

 それからあーだこーだあって、今に至る、省略し過ぎだが、今はそれを創作する気力がない、

 この最底辺の世界と創作で銘打たれた、さらに底辺を突き抜けた、

 まさに特異点絶対的な、創造を絶する底辺の中の底辺の更に先の果て、で、俺は執筆しているのだからな、当然だ。

 ってまあ、地の分で言っているだけだ、ぶっちゃけ俺はリアルタイムでリアルに合ったことをドキュメンタリー風味で執筆していると言っておく。


「イリカちゃんって、デートとかしたことある?」


 ちなみに、このイリカちゃんは一言で言って、超絶美少女だ。

 アイドルとか全員ゴミ屑に感じられるほどに、自然美のような清楚な少女だ。

 やはりアイドルとか、基本的に精神が一線超えて強く、現実の荒波や不条理、

 つまり、自分の事を死ぬほど求めている人間がいても、無視する、そういう非人間的な態度がとれる、

 つまり、人間性が腐りきっているような人種、じゃないとできない、と俺は思っている。

 そういう存在とはやはり一線を画するのが、アイドルとかやってない系の超絶美少女である、それがイリカちゃんなのだった。


「ないよ? なに? したいの? わたしとデート?」


「いや別に、聞いてみただけ」


「貴方はどうなの? デートとかしたことある?」


「ないよ」


「そう、、、まあそうだよね、童貞にデートしたことあるか、聞くだけ野暮だったよね」


 ちょっと言いにくそうに、イリカちゃんは言った。

 

 そこで電話がかかってきた、わんこーるで取る。


「ああ、タクミ? 今ひま?」


「無理無理、イリカちゃん、俺今小説書いてるよ」


「ああ、そう、メールで送って、今すぐに」


「はいはい、てか更新するよ、執筆中だけど」


「はい、さっさとして、わたし今休憩中なんだよねぇ、暇つぶしになる話を全力で書いて送って、

 ハッキリ言って、わたしの研究は太陽光発電の実用化なみに最高のインフレ革命現象を起こすレベルだから、

 マジで世界を変えるプロジェクトを現在進行形でやっているっていうか、

 マジでガチで優遇されるべき少女っていうか?

 とにかく、毎日死んだ方がマシなレベルで組織に拘束されて、

 脱落したら、実質薬物で処分された方がマシなレベルの余生、

 てーかあんただけは、なぜか組織が認めた、無難な人生を低調に送る凡人の認定を得たみたいで、

 まあ監視付きだろうけど、わたしのストレス発散やらなんやら専属の人間って感じだから、まあ言うんだけど、

 どうやら同期の奴らが、脳みそ摘出されて、ほとんど睡眠なしの長時間知的労働をやってるっぽいんだよね、

 ああもちろん、そいつらは今の研究とかの脱落組、ぶっちゃけそれほど大変すぎるほどじゃないだけど、まあまあキツメ、

 人の体をなくしたら、もっと楽になると思ってんのかね、

 脳外科の違法研究の成果を、この違法の世界で試してるんだろうけど、モルモットにされても喜ぶような奴は流石に居なかったよ、

 まあそんなわけで、私は研究を続けなくちゃいけないの、

 でもぶっちゃけ、毎日死にたいよぉお、

 つまらなくて、刺激のない、詰まないだけの世界で、情報処理に特化した役割の研究成果を出すだけの機械化しているの。

 ぶっちゃけぶっちゃけ、

 貴方と一日中セックスしてた方がマシって、自分で自分を殺したくなるような妄想にふける日々になっちゃってるぅうううううううううう!!」


「アーはいはい、発狂すな、考えられる限り最高に面白そうな書くから、絶えてがんばれ」


 イリカは「はーいはーいのすけええ!」とか電波な声で言って切った。

 イリカちゃんの見た目は超絶美処女の清楚系、黒髪ボブカットの、なぜか青目、カラコンなのかもしれないが、

 そんな少女の先ほどのセリフ、はっきり言うが俺は発情して、しまくって、いろいろとヤバいのだが。


 小説の続き。


「イリカちゃん、とりま、デート行こうぜ?」


「嫌よ、絶対に嫌、貴方とデート行くくらいなら、今すぐ首を切って自殺するわ」


「ああもう、イリカちゃん、ぶっちゃけるとさあ、

 この世界って、俺の脳内妄想の現実なの、だから現実世界の、本当のリアルって意味のね、

 そのイリカちゃんが退屈で死にそうって言ってて、

 俺的には動きのある展開、デートとかしたいの、だからデートするって言ってよ」


「はあ? 馬鹿、貴方おもしろいこと言うね」


「まあね、とにかくデート行こうよ」


「うん、そうだね、その妄想付き合うよ、面白そうだし、

 現実世界のわたしって退屈してるんだ?」


「ああうん、なんかこの世界のイリカちゃんは、、、そういう設定とか曖昧にしているから微妙だけど、

 現実世界のイリカちゃんって、正体不明の謎の組織に拘束されてて、一日中研究三昧で、しかもそれが退屈みたいなの」


「ふーん、だったらさあ、もっと刺激的に、、、もっと刺激的なことすればいいんじゃないの? わたしたち」


「例えば?」


「セックスとか?」


「ああ、それダメなんだよ」


「なんで?」


「いや、なんというか、俺っていろいろと事情があって、某大規模ネット小説投稿サイトで、R18書けないところで執筆してるんだよ」


「そう、じゃあ他のところで書けばいいんじゃないの?」


「それもダメで、そもそもR18の、つまりは官能小説って事なんだけど、あまり書いてても面白くないし」


「まあねえ、小説だから楽しいってモンでもないだろうし、

 でも一応書いてみてよ、見ててあげるから」


「いやいや、此処じゃないと書けないよ、

 この話って300話くらいだから、なんか注目されてる感あるし、感想もレビューもいっぱいあって、なんか集客率或る感じで」


「はあ? ちょっとどういうこと?」


「ああもう、イリカちゃんは俺の脳内妄想のキャラクターなんだから、全部察してるはずでしょ? なんですっとぼけるのぉ!」


「いやいや、お兄さん、妄想に付き合うとは言ったけど、

 うううん、、、そうだ、その妄想物語の設定は、完全なリアル寄り、なの?」


「うん、一応、最底辺の世界の、俺の現実って事になってるよ」


「だったらさあ、私が察しちゃったら、完全にリアルでは、なくなるよね?」


「いやいや、そこはイリカちゃんが、完全なリアルの世界で超能力がありました、とかで良いんじゃないの?」


「いやいや、無理でしょ、こんなネットの発達した世の中で、

 万が一、億が一、いやいや、百億兆が一でも、そういう超常現象やその他のリアルって、もう無いって証明完全きゅーいでぃーされてるようなモンでしょ?

 本当にそんな凄いことがあったら、絶対信ぴょう性のある形で拡散されてる、

 そういうロマンに現実感が伴う事って、もう金輪際、ないんだよ。

 だから、リアル寄りの物語で、そういう事が起こるって、絶対にダメ、禁句禁忌なんだって」


「ああ、もう、めんどうだな、とにかくエッチはダメになりました」


「そうなの、それじゃあ、もうこういう雑談でいいじゃん、向こうのイリカさんも楽しいって言ってるよ」


「うん、聞いてみる」


 俺は電話でイリカに聞いてみる、ちなみに通話状態のままである。


「どう?」


「あううううううううううううううううううううううううううううううううううううう、

 だめだあああああああああああああああああああああああああああああああ」


 小説の中。


「って、イリカちゃんが言ってるよ」


「そうかあ、それじゃあ、明日あたりにデートにでも行って、面白い物語になるようにするしかないのかな?」


「いやぶっちゃけ、町で平凡にデートするだけで、このイリカちゃんが満足するとは思えないんだけど」


「うっふっふ、なにか策を練らなくちゃ、これはいけない予感だね」


 俺は嫌予感が的中的に確信しながらも、明日に備えるしかなかったのだった。

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