九話
「は・・はっ・・はくっしょんっ・・!動物でも、かぜは、でるか・・」
そういえば、雨いつの間にか降ってたしね・・。時、止めたはずなのに。人が動いている。まさか、僕の時計が壊れることなんて・・自分の時計を手に持ち見つめる。時計の針が5時を指したまま動かなかった。
「こ・・壊れてるじゃん・・!」僕は、時計をどこかへ投げた。
「イデッ!誰だ、これ投げたやつ出て来い!」
あっ・・(察し)
投げた時計が人の頭へ当たったみたい。謝るか・・許してもらえるだろう。(多分)
「ほう、お前か。」
大きい人間。背が高い、筋肉がついてる?これじゃ、勝てないよ。だって僕・・・小さい動物のうさぎですから。
「ん?よく見ると、お前。うさぎかよっ・・!それも、かわいい白兎!」
(あぁ・・早く帰りたい・・。)
「これ、お前のか。」
(そうです、だから。返して。)
男は、どこかへ行った。そして、数分後戻ってきて・・時計を渡した。
「もう、投げんなよ。直しといたから。」
(・・。ありがとうございます。)
僕は、言葉を話さずに、礼をした。外見は怖い人だが、中身が優しい人。
「なぁ、直したついでだが・・。ここに、住まねぇか?」
(住みたくない・・。僕は、探している人がいるから。さようなら。)
僕は、走ろうとした。そしたら、「おい、待て」と言われて、立ち止まった。まだ、何かあるだろうか。
「白兎、お前・・白の国で飼われているだろ。」
(それが、何?)
「あんまり、夜うろうろと動くなよ。夜になると赤の国の兵士がいるからな。そういえば、さっき『アリス』を見つけたらしいぞ。白兎、あんたの連れか?」
(早く・・探さないと)
「あっ・・!」
黒猫が頭を下げた。「ごめんなさい。」私は、「別に、いいよ。大したことじゃないし。あと、私足には少しだけ自信あるから大丈夫!」
黒猫が頭を上げてくれた。私は、別に、怒ってない。だから、頭なんて下げなくていいんだよ。簡単に、頭を下げられるなんて・・こっちが困る。
「あ、ここは安全ですので大丈夫です。」「敬語いらないよ。なんか堅苦しい。」「あ、はい。」「黒猫さん、名前はあるの?」黒猫は、黙っていた。そうか・・名前なんてないよね。白兎の『コユキ』もなかった。勝手につけてもいいかな・・
黒猫・・黒猫・・・。
「クロちゃん?じゃなくて・・『クロエ』・・!」
「えっ・・?」