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玲奈とうさぎの✖✖  作者: 白狐
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八話

あ、歩いているうちに、噴水が見つけた!よかった。ここに・・ちょっとまって、様子がおかしい。噴水の近くにいる人たち・・。なにかを見張ってる?警備・・?あ、赤い色をしたダイヤの模様が刻まれている。ダイヤの模様・・赤の国の人たち!?どうしよう・・でも、私『アリス』じゃないし・・!大丈夫、きっと。

うん、だいじょ・・

「見つけたぞ、アリス」

あぁ・・やっぱり、こうなるよね。

「赤の国の女王が探していた。さて、来てもらおうか。」

逃げなくちゃ・・私は、白の国へ行くんだ。

「あっ・・!おいっ・・!」

逃げる、逃げる・・。息が切れたとしても、逃げ切るんだ。捕まったら白の国に行けない・・。それから・・

「あ・・壁が。」もう、あきらめるしかないよね。手にあった傷・・まだ治ってない。痛い・・。

ごめん・・謝ることしかできない私に、生きる価値なんて・・

『逃げてっ・・!』

声だけで背中を押された。

「あれ・・。いつの間にか・・。」まだ、走る場所がある。そして、あの声・・。本当に誰なの・・

ううん、今は、そんなことを考えている暇なんてない・・。逃げなくちゃ・・。

「っ・・!痛っ・・。」途中で私は、転んだ。

「いたぞー!」あぁ・・これじゃ、助けてもらった意味ないじゃん。帰りたい・・。ここより、私がいた場所の方が暖かくて・・それから・・

もう、涙が出そうだよ。

雨が降った。少し、小雨の。雨と一緒に、私の涙を消してくれないかな。そう思ってると、

時が止まった。

真っ暗で、何も見えない。でも、ほんの少し明かりがついている。どこかで見たことがある背景。どこだっけ・・。

思い出した。まだ、私が小さいころの時だ。確か・・

あの時・・とても悲しい色をしていた。でも、どうしてかな。そもそも、私は、いつからこんなに・・なってしまったのだろうか。

う~ん・・。ずっとここにいるから忘れてしまったのかも。

あ・・そんなこと考えている場合じゃなかった・・。

『こっち。ついてきて。』また・・。今度こそ空耳じゃない。

目の前には、黒い猫がいた。黒い猫はニャーと鳴いた。私に、話しかけている・・?

『早く、来て。』優しい声・・。私は、雨の中濡れながら、黒猫の後をついていった。



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