五話
・・・・。夢ならさめてほしい。と思うが、これが、現実だ・・。
なぜか、ライオンとうさぎが目の前に仲良く話してる。普通、ライオンは肉食系。だから、うさぎを食べるはずなのに、食べない。少しだけ、別のおとぎ話と混じってるー!?
「えぇと・・ライオンさんは、目の前にいる白うさぎを食べないの?」と言うと、ライオンがこちらを見て威嚇した。うん、そうなるよね・・。
「これか・・?白兎、噂になってるぞ。」「何何~?噂なら、僕だい・・」「あのなぁ・・。」
ライオンも、話せるのだっけ・・?あ、でも『オズの魔法使い』で話してるか。ん・・?ちょっと待て待て・・。ライオンってことは、私は、別の世界に来たの?それとも、意味の分からない場所へ来てしまった?謎が多い・・いろいろと聞きたいことがある・・。
「あのっ・・。」「手。」「・・・?」「早く、手出せ。」「あ・・はい。」私は、手を出した。「違う、こっち。」ライオンは、包帯の方を見た。この人、コユキと一緒で人間に化けれるんだ・・なんか、私より、大きい・・。あたりまえだけど。
「あーやっぱり、深くなってる。」「何が・・?」「さっきのナイフ、あれ毒入り。」毒入りのナイフ?それで、体が重かったんだ。「大丈夫・・。」私は、少し苦笑いで言った。生きないと、自分の家へ帰れない。もし、帰れたら、そこで、目を・・
「ねぇねぇ、これ。音なってるんだけど・・開けていい?」「開けるな、馬鹿うさぎ。」音・・?確かに、ガタガタと鳴っている。あ、そういえば・・!
「あの、ライオンさん!小さい男の子・・。」「あ・・・!馬鹿、開けるなっ・・!」「えっ・・。」
箱の中には・・・。
「ワンっ!」と鳴いた犬が出てきた。もしかして・・私が・・「助けようとしたのって、犬っー!?」
小さい子犬・・。話さない。ただ『ワン』しか・・。とりあえず、落ち着こう。犬ってことは・・
犬のおとぎ話なんて、存在したか・・!?
「なーんだ。君犬なんだ。別に、閉じ込めなくてもいいじゃん。」「知るか。」
あれ・・また・・。頭痛い・・そして、目の間がぼやけている。まだ、治ってないのかな・・・。そうだよね、毒入りのナイフなんだから―――・・。