三話
言葉がでてこない・・なぜかって・・?だって、このシクラスの町はこんなにも騒がしいの!?おとぎ話とは少しいや、だいぶ離れてる。ついたのはいいけど、ここからどうすればいいだろう・・。
人が多い・・人に声をかけるのも苦手だし・・。どうしよう・・。こんな時に限って一匹の白うさぎがいない。そういえば、さっき化けるって言ってたけど・・できるわけないよね・・あはは・・。
だって、うさぎが化けるなんて聞いたことないし・・それから・・
『・・けて・・。アリス・・。』誰かの声が聞こえてきた。でも、私は、無視した。だって、私は『アリス』じゃない。だから、関係ない・・。
『痛い・・苦しい・・助けてよ‥誰か・・・。だれ・・』関係ない・・・って言ってる場合じゃない!
本当は、『アリス』じゃないんだけど、こんな声聞いたら・・。もう、助けるしか・・。
道は、狭くてなかなか通りにくい。誰がいるのだろうと少し緊張感が出てきた。そして、狭かった道を抜け出して、暗いくらいところについた。
「誰もいない・・やっぱり、空耳。」少しだけほっとしていた。
「あ・・れ・・?君は・・あ・・リス・・?」声が聞こえた。振り返ると、血だらけの男の子が倒れてた。あざだらけ・・・。誰にこんなことを。
私は、『アリス』じゃない。けど、この世界でも、小さい命だけは助けたかった。だから、向かうよ・・
「大丈夫・・?」と心配そうに言うと男の子は笑っていた。とりあえず、運ぼう!今いる場所がどこなのかわからないが・・きっとこの子を見てくれる人がいるはず。だから・・
「なんだぁ?てめぇ・・?」
だから、お願い・・せめて・・この子だけでも――――。
「っ・・!痛い・・。」銀のナイフで・・初めて、刺された・・。手には、銀のナイフが刺さっていて血がたくさん流れていた。刺さっていたナイフを自分でとった。痛みは大きくなる。
「あのっ・・!この子を逃がしてもらえませんか?」と言うと、男はニヤリと笑っていた。「そうだ、こいつが言ってたんだけどよ。お前が『アリス』か?」違う・・違う・・言いたいけど・・。言えなかった。
「もし、そうなら・・あの子を逃がしてくれますか?」
「あぁ、いいとも。取引だな。」