二話
「ねぇ・・。ここは、どこなの?」
「ここ・・?ここは、不思議の国と言われる。けど本当は違う・・。」
「それって・・アリス・・。」
アリスは、うさぎと出会って・・それから・・。
そういえば、このうさぎ・・名前はないのだろうか・・?
「うさぎは・・名前がないの・・?」と言うとうさぎは、苦笑いをした。
「そんなの、当たり前だよ・・。動物に名前なんか・・。」
確かに、名前は付けない・・。でも、さすがに、『うさぎ』って呼ぶのは・・白兎・・。
シロ・・シロ・・いい名前はないのだろうか・・少しだけ考えてみる。
あっ・・。
「こゆき・・?」
そうだ、この白うさぎは、小さい。そして、話さなければ、もっとかわいいはずなのに・・。
「決めた。今日から、白うさぎの名前は、『コユキ』。」
コユキは、無言になった。やっぱり、変だよね。動物に名前なんか・・。
「ごめん、やっぱり・・うさぎのままで・・。」
「れ・・いな・・。」「・・・?えっと・・うさぎ・・?」
「うぁぁぁぁぁぁぁっ・・!」えっ・・急に泣いた!?しかも、泣き顔があんまり、かわいくない・・。
「僕の名前・・くれた・・っしく・・。」「とりあえず、落ち着いて・・。」
「じゃ、玲奈!町へ行こう!」
いきなり・・!?「ちょっとまって・・先に帰る方法教えてよ。」と言うとコユキは真顔で「そんな方法わからない。」と言った。「えっ・・帰れないの?」「ううん、帰るには帰れるけど。白の女王のところに行かないと・・」「じゃ、先にっ・・!」「でも、ここから行くと結構かかるよ?」
そっか・・簡単には帰れないんだ・・。お母さんたち、心配してるかな・・?そんなわけないか・・。
「わかった・・。先に町へ行こう・・。」「うん!」うれしそうにコユキは言った。
「それじゃ、僕たちの向かう町はね。シクラスの町っていうんだ。」「そう・・。それじゃ、一ついいかな?」
さすがに・・「ねぇ、コユキ。私、動物は好きだよ。でも、さすがにウサギと歩くのは・・。」
そう、いくらなんでも、うさぎをペットとして歩くのは、自分が恥ずかしいぃ・・!
「それじゃ、化けるよ。人間。だから、先に行ってて!あ、これ地図。」そう言われて家を追い出された。
化ける・・?人に・・?
できるわけないじゃん。とりあえず、シクラスの町へ向かおう。
私は、地図を見ながら一歩ずつ歩いて行った。