【5話】
冷たい視線が私の身体を突き刺す
皆が私を見ていた
でも皆ではないのだ
ただ、そう思えてならなかった。
さっきの強気な気持ちはどこへやら、私はぺしゃんこに押しつぶされていた。
私は顔を上げることが出来なかった。
自分が悪いことをしているわけじゃないのに、後ろめたかった。
これから毎日、毎日こんな風になるのかな・・・・・・・・
5・6時間目は、目からタオルが離せなかった。
涙が後から後から出てきてどうしようもなかった。
だけど、誰にも泣き顔は見られたくなかった。
だから声を押し殺して泣いていた。
それからの私は、私でなくなった。無意識のうちに机につっぷして、休み時間には
本を読むか漢検の勉強に明け暮れていた。
暗い雰囲気を放っていたからなのか、大切な友達がひとり・・・・またひとりと去り、
私はクラスで独りになった。
ある日の夕方、久しぶりにA子にメ−ルを送った。
「なんで最近話しかけてくれないの??(T_T;)」
すぐに返信が返ってきた。
『別に。なんもないけど』
冷たいメ−ルだった。明らかに前の態度とも違っていた。
私は引き下がらなかった。
限界だったのだ。 もう、独りでいるのは嫌だった。
「なんもないんだったらなんでそんな冷たく話すわけ??おかしくない?
なんかあるんだったら言えばいいじゃん。」
怒りを抑えることが出来なかった。
どうして私だけ??私だって普通にしてていいはずでしょ?
こんなの・・・絶対におかしい。
しばらく経ってから返信が来た。
『じゃぁ言うけど、あたしさぁハルカが手紙で嫌がらせされてたの知ってたのぉ。
それでK君に”犯人って誰??”って聞いたら【トキ】って言ってたん。
それであんたのこと信用出来なくなった。
今回のメ−ルもトキがやってんでしょ?』
絶望的だった。まさかA子にまで事件のことが伝わっていたなんて。しかも私のことを
”犯人”だって言いふらしてた奴がK君だったなんて・・・・
呆然とした。ただ、「信じて欲しい」という想いだけが私のことを強く叩いた。
私はすぐに返信を送った。
「違う、私じゃない。」
どんなに信じてもらえなくても
「A子が知ってることは全部誤解だよ。」
どんなに傷つくことを言われも
「最初から話したいけど…メ−ルだと長くなるの。だから今から電話していい??」
それでも・・・・・信じてくれる誰かが、私には必要でした。
読んでくださっている方、ありがとうございます。
引き続き頑張りますのでよろしくお願いします。
想像しながら読んでいただくと、よりどういう状況
なのかわかりやすいかもしれません。
それでは、次話も是非読んでくださいね。
感謝をこめて Shiena