【3話】
テスト明けの翌週、月曜日。何が変わることもなく一日が過ぎていくかのように思えた。
1時間目・・・・ 2時間目と退屈で変わらぬ授業は終わっていった。 でも・・・・
もうこのときすでにカウントダウンは終わっていた。
「トキ。ちょっと話があるんだけど」
きつい口調だった。でもそれはあとから気付いたこと。私はまだ何も知らなかった。
『どうしたん?』
私は話し掛けるがハルカは答えない。そのまま下を向いて黙っているだけだった。
3時間目の授業の予鈴が鳴る
沈黙
数秒後、チャイムが鳴り響く
私は内心焦りを感じながらも校舎の外側の大きな壁の前にハルカと座っている。
『どうしたの?』
もう一度聞くと、やっとハルカが重い口を開いた。
「最近、さ。また嫌がらせ始まってるんだよね。今度はメ―ルで。テストの2日くらい
前からなんだけど」
私は空気をよんだ。ハルカが私に助け求めているのだと。でもそれは間違いだった。
「アドレスにね、【toki】って入ってたの。手紙のときに一緒に犯人捜した人達覚えてる
でしょ。皆がトキのこと、”犯人だ”って言ってる。」
パッ。一瞬耐えられない程の光で目が見えなくなり、気付いたときには目を開けていても
閉じていても、景色の差は全く感じられなかった。
『今、なんて言った?』
聞き間違えたのだろう・・・・そう思いたかった。溢れ出てくる感情を抑えることが出来
ず、それがいつしか涙に変わっても止まることはなかった。
なんで・・・・・・・・・
涙 哀しさ 抑えることの出来ない何か 犯人 【濡れ衣】
頭の中をぐるぐると回る言葉たち 全身が激しく震え始める。
どうして?なんで私が?なんで皆そんなあからさまなこと信じるの?
『なん、で…私じゃないよ』
泣きたくない、泣きたくない、泣きたくない
どうして涙が止まらない
泣いたら負けじゃんか。弱いじゃんか。余計皆が疑うじゃんか。 でも・・・・
”なんで・・・・?”
私は泣いた いっぱい泣いた 止めることなど、出来なかった
そのうち3時間目の授業も終わり、結局まる1時間授業をサボってしまった。
その場で泣き崩れてしまった私は、犯人にされているという事実以外何一つくわしい事
を聞いていなかった。だから、最終的に4時間目の授業も出ないで状況を聞くことにし
た。
ハルカは優しかった。
「出ているのはトキの名前だけだし、これって言う証拠があるわけでもないから、私は
半分疑って、半分トキのこと信じてる。」
ハルカは優しかったのだ。たとえそれが偽りの優しさや笑顔だったとしても、そのとき
の私に疑う余裕なの1mmの隙間だってなかったのだから。
読んでくださった方、ありがとうございます。
頑張って書きますので是非感想をください。