表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
濡れ衣  作者: Shiena
20/26

【20話】

「うっわぁー・・・寒いよ」


新幹線を降りるなりマオが言った。寒いのが苦手ではない私は首をかしげただけだった。


「今日って奈良公園散策するだけ?」


「当たり前じゃん!本番は明日の班別自由行動なんだよぉ〜。今からとばしてたんじゃ


身体もたないって。トキばかだね」


「うっさいなぁもぉ」


そういうとお互いのことがおかしくてふたりして笑った。


最初は絶対に行かないと決めていた修学旅行だったけど、行ってみると私もやっぱり修学


旅行を楽しむ普通の女の子だった。行かないなんて考え、やっぱり間違ってたんだな・・・



駅の団体用改札口を皆ぞろぞろと通り過ぎ、駅の前で待っていたバスに乗り込む。


私達の班はバスの一番後ろの席を陣取っていた。席を決めるときにたまたまうちの班の班長


がじゃんけんに勝ったから。決められた時間以外おやつを食べてはいけない決まりだけれど


一番後ろの席は先生の目が届かない。だから私達はだらだらとずっとおやつを食べていた。


そうこうしているうちにバスは奈良公園の駐車場に停まった。


「あ!鹿いるよ。あっち、あっち」


皆いっせいに窓に集まる。


「まぢだぁー!!鹿せんべいあげなきゃだね」


「え、なんか買うと追っかけてくるらしいよ・・・・・」


「じゃあたしやめとこ」


楽しそうな会話がバスの中で飛び交う。つられて私も笑顔になった。私も鹿せんべい買う


のはやめよう。マオと買い物して、お寺観て、鹿も触ろう。いろいろと考えると楽しくて


しょうがなかった。


バスを降りて散り散りになった。


私はマオと一緒にお土産屋の並ぶあたり目指して駆け出した。途中、マオは鹿のフンを踏


んだ。それがおかしくて、私はあとあとになってまでずっと笑っていた。


「これ見て!この和柄の鉛筆可愛くない?」


「いいじゃんそれ!ねぇ、あたしこれ買おうと思うんだけど・・・どう思うよトキ」


「奈良っぽくていいんじゃない?買ったもん勝ちだよね」


「じゃぁトキもその鉛筆買って!」


「うん」


ふたり共それぞれお土産を買い、鹿を観に行ったりした。あっという間に3時間が経ち、


集合時間になった。


「そろそろ行く?」


「行きますか!」


駐車場に行くと、もうちらほらと皆が戻って来つつあった。私達はしばらくバスガイドの


ナオちゃんとおしゃべりをした。人が集まってくるとバスに乗った。


これから、2日の間泊まる旅館に向かう。


その夜、思ってもみなかったことを、私はカコから聞くことになった。

読んでくださった方、ありがとうございます。

次話も読んでくださいね。



感謝をこめて  Shiena

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ