【2話】
夏休み明け。まだ暑さが残り、始業式を待つ教室は蒸していた。
ハルカとタクヤが別れた次の日、犯人からの手紙が届きました。
{やった やっと別れたね じゃぁバイバイ}
この手紙を最後に、ハルカへの嫌がらせは止んだ。タクヤは、別れを告げられるそのとき
までハルカが嫌がらせをうけていることを知らなかった。ハルカが止めたから。気の毒
だった。事情がよくわからないままの別れだ。辛かっただろうと。
それからというもの、少しずつ元の生活に戻っていった。皆はあのいまわしい事件をちゃ
んと覚えているのだろうか。忘れて欲しくない。親友の辛い過去を忘れて欲しくはなかっ
た・・・・
そのとき、私はまだ知らなかった。決して終わったわけではないのだということを。
皆が前のように笑っていた・・・・・
こんなこと、誰が予想出来たであろうか。
ことが再び起こったのは、このわずか2週間後のことでした。
2学期の中間テストが近づく。授業もテストモードに入り、学校生活に緊張感が出る。
それと共に私がどん底に突き落とされる日が、刻一刻と迫ってきていました。
「トキ中間の勉強やってる?」
『まぁぼちぼち。相変わらずかな。テスト前にばぁっとね。』
笑いながら私は言った。ハルカも笑いながら「私も」と答えた。平和・・・・今なら
くさい言葉などとは思わないだろう。
数日後あっという間に中間テストの日が来て、これまた一息つく間もなくテスト期間
は終わった。木・金曜日と続いていたテストが終わった週の土・日休み。何の変わり
もないように思えた休日だが、このときすでにカウントダウンは始まっていた。そし
て悲劇の日まではあとわずか【2日】だった。
私はまだ
気づいていなかったんだ
引き続きこの小説を読んでくださった方、ありがとう
ございます。次話も、是非よろしくお願いします。
感謝をこめて Shiena