【17話】
始業式の日はあっという間に終わった。
3学期が始まって、今日でもう1週間が経っていた。
学校での状況は相変わらずだった。
そしてもうすぐ修学旅行がある。
行動班は先生の気遣いもあって、他の班に入れてもらった。
それだけで、充分恥ずかしい思いをした。
私は今回のこの修学旅行に行く意味を見出せないでいた。だから行かないつもりでいた。
こんなことがあって、あんな風にののしられて、犯人にされて、「何が思い出だよ」と
まで思っていた。私が行く意味はないと思った。私のその言葉に先生たちは『学年の全員
で行くのが修学旅行なんだよ』と口をそろえて行った。そんなの、肩書きにしか過ぎない
くせに。思いやりなんてないものだと必死で思っていた。優しさを信じたくはなかった。
誰かに裏切られるのが怖かった・・・・・・
そんなこんなで私は自由行動の日のコ−ス決めの話し合いに参加しないで、いつも寝てい
た。本当に何もかもがどうでもよくなるとはこのことだと思った。
そして日々は何につっかかることもなく過ぎていった。
気付けばもう2月になっていた。
あと少しで修学旅行・・・・・・・・・・私はまだ行くかどうか決めかねていた。
ある日、同じ行動班のSちゃんが言った。
<一緒に行こうよ。一番辛いのはトキかもしれないけど、行かなきゃ損するかもよ?>
なんてことないこの一言に、なぜか私の心は動かされた。
行こっかな・・・・・・そんな風に考えることが出来た。
そして、今日は修学旅行の2日前だった。
この日、お母さんの一言であの事件に大きな変化が起きた。
読んでくださった方、ありがとうございます。
次話で変化が起きます。
是非読んでくださいね。
感謝をこめて Shiena