【16話】
翌日の夜遅くに、私は昨夜の事の詳細を聞いた。
このときもまた、お母さんとお父さんは言葉を選んでいるようだった。
「どうだったの?」
私が聞くと、お母さんは慎重に答えた。
[なんか前面的に”トキが犯人だ”って感じだった。Hちゃんの親御さんがね、”アドレス
の登録画面がもう割れてるんですよ。もう認めたらどうですか?”って。疑ってるんじゃ
なくて、断定してるって感じだったかも・・・・・]
そこまでひどいとは思わなかった。自分にも私と同じ年の子供がいるくせに、よくそんなこ
とが言えたものだ。
胸のあたりに、何やらもやもやとする感じが残った。
それから、冬休みの部活のときなど、幾度となく嫌な視線を浴びた。その頃にはもうハル
カと同じ部活の人たちにもひどくののしられていた。ハルカは部活に来ていなかった。部
員の目が”あんたのせいだから”というように、私のことを突き刺した。
「なんで私がこんなこと言われなきゃなんないの・・・・」
こんな考え、もう何回思ったかもわからなくなっていた。
陰愚痴を言っているつもりだったのだろうが、私には丸聞こえだった。
わざとそうしていたのか、そうじゃなかったのかは今でもわからない。
だけど、いろいろなことが積み重なって「学校に行きたくない」と思ったのはまぎれもな
い事実だった。
精神的に、すごくきつくなっていた。
そんな中で、冬休みももう終わろうとしていた。
日に日に憂鬱になっていった。
そうなってしまうことを止められるものは何もなかった。
冬休みの終わりが近づくと共に、修学旅行の日も近づいていてきていた。
行動班は、私とハルカがまだ仲の良かった頃に組まれた。だから行動班の女子はふたり。
私とハルカだった。それに、ついでと言うにはあまりにも大きなことで、今ハルカの周り
をとりまいて、何だかんだと”おまえが犯人だ”という視線を必要以上に投げてくる男子
のほとんどとも同じ班だった。男子と女子が組むときはくじびきのはずだったのに、どう
してよりによってあいつらだったんだろう・・・・そう思ったところで今さらどうにもな
らないだろう。
始業式の日までの間、私はいろいろなことを考えた。
そして、その日は明日に迫っていた。
またあの学校に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・あいつらのいる教室に・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前とは違う私で
・・行かなければならないのだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読んでくださった方、ありがとうございます。
それから、最近ペ−スが遅れてしまってすみません。
そうか見守ってください。
感謝をこめて Shiena