【11話】
今日は一段と疲れた。神経を使い過ぎたのかもしれない。
今私は自分の部屋にいる。しばらく眠っていたようだ。 空はにわかに暗さを増し、
次期夜が来ることを告げていた。そのとき、玄関ドアの開く音がした。お母さんが
帰ってきた。私はすぐ下におりていった。
「先生なんだって?」
気になってしょうがなかった。一体どんなことを話したのか・・・・・・
[うん。そうねぇ・・・]
お母さんは言葉を選んでいるようだった。でもそんなのは嫌だった。私が受けていること
なのに、なんで私に知る権がないの?
「早く。」
ついぶっきらぼうな声を出してしまう。
[うん、今日先生にね、詳しい今の状況を教えてもらってたの。物が切られたこととか
むこうの親御さんがどう言っているかとか、いろいろとね。それから・・・・]
お母さんは何かを言いかけた。だが少しためらって言葉を切った。
「それから?」
とうながした。言いかけたことは言って欲しかった。しばしの間があってから話始めた。
お母さんの口から出た言葉に、私は唖然とした。
[ついさっきのことなんだけど…理科室に移動するとき、最後まで教室に残ってたのが
ハルカちゃんと例の5人組の中のY君だったんだって。それから先生もね。そしたら
ハルカちゃんがいきなり【キャ−】ってすごい悲鳴あげたらしいの。っていうのもう
しろのロッカ−に教科書をとりにいって、そのあと自分の机の上にある筆箱をとりに
きたら、机の上に折られたカッタ−の刃が置いてあったんだって。それでそれを持っ
てすぐ先生のところにきて、【先生、こんなのものが私の机の上に…】って。
でも…先生の話によると、ハルカちゃんがそのカッタ−の刃を持ってくるまで机の上
には何も無かったんだって・・・・]
なんだって?どういう意味?混乱してしまった。そんな頭でひとつだけ濃い思考が浮か
んでいた。
・・・・・・・【自作自演】・・・・・・・
「何それ?それって今までの全部自分でやってたってことじゃん!は?意味わかんない。
なんで今まで気がつかなかったの。手紙の嫌がらせの頃だって、いつだって一番最初
に手紙を見つけたのはハルカだったのに・・・・」
もぉ、なんでよ・・・・
そのとき、電話が鳴った。
「もしもし。」
『もしもし、鈴木ですけど・・・・今話せるかしら?』
電話は、鈴木先生からだった。
読んでくださっている方、ありがとうございます。
11話は少し展開があったと思います。
引き続き次話も読んでください。
感謝をこめて Shiena