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スルト  作者: オーレリア解放同盟
最終章 独り復讐劇
66/70

#63 交渉-大和皇国 前編-

「これを運んでくれ」


「あいよ・・・・またこれか・・・」

プシェムィシル南港の貿易船に運ばれていくのは大量の箱。箱に張られているラベルには“アサルトガトリングライフル”“ポートランド=ソフィア製”と書かれている。

「最近多いんだよな・・・目的地はほとんどがプトレマイオス共和国の港なんだけど・・・」


「ならプトレマイオス共和国じゃないのか?」


「いや、それならまとめて国が輸入してくるだろう。違うんだよ。プトレマイオス共和国の港を中継地点として誰かが大量に購入しているんだよ」


「ふーん」


「しかも厄介なことに誰のいたずらか解らないけどリュートさんの名前使って安く大量購入しているんだ」


「そりゃ悪質な・・・」


「でも、その文字がやけにリュートさんに似てるんだよ」


「・・・どういうことだ?」


「さぁ?」







――――――――元ギルド公社プシェムィシル支部

「またですか!!」

机の上にある大量の紙にせっせと名前をかくローラ。

「お、俺に言われましても・・・・何もできません」

理不尽なやつあたりをされるエーリッヒ。

「まったく!!誰かしら?リュートさんの名前を使って武器の大量購入する人達は!!」




その頃

―――――――セールス・トルキスタン王朝レジスタンス本部

「へ、へ、へ、へっくしょん!!」

指令室と書かれた部屋の中でくしゃみを連呼するのはセールス・トルキスタン王朝レジスタンスのリーダー。いわゆる偉大なる指導者であるアルト・テギン。

「テ、テギン様!!大丈夫ですか?」


「んん?ああ、ったく誰か俺の噂でもしてんのか?だとしたらあのスルトだろうな・・・」





「へ、へ、へ、へっくしょん!!誰か俺の噂でもしてんのか?」

龍斗は今大和皇国へ向かう最中でコレリア半島を歩いている。






「しかも、購入していくのは同じ武器ばかり!!」

全ての紙に“アサルトガトリングライフル”と書かれている。今ゲリラたちに大人気の流行武器のようだ。

「まぁまぁ、いいじゃないですか。我が国の国益につながりますし、国が潤えば次第に国民も潤います。いいことばかりじゃないですか」

ローラの隣でローラを落ち着かせるエーリッヒ。彼も損な役回りだ。

「それでも人を殺す道具を売るってことは人殺しを推奨しているみたいで・・・」


「多分推奨しているのはあいつですよ・・・」


「あいつ?」


「そう、あいつですよ・・・」

エーリッヒは何処か遠いところを見るかのような目で上を向いていた。






「へっくしょん・・・・本日二回目。だれだろうな・・・俺の噂しているのは?」

連邦が崩壊して二カ月近くたつ。もう少しでオーレリシア大戦の開戦日だ。

「やよいになるまであと2週間か・・・」

龍斗は地図を広げて港を探す。

「港など待っていられるか・・・・時間がない。帝国をつぶすための」

今まで人目を避けるように悪魔化になるのをやめてきた。

帝国と戦う時だけ。でも、時間がない。

「五稜郭まで飛ぶか!!」

龍斗は右手にMETを集めることに集中する。その色は緑から漆黒へと変わっていく。

「悪魔化!!」

その掛け声と同時に龍斗の背中から黒い翼が羽ばたき、右手は忌々しい姿となる。

「五稜郭までノンストップだ!!」

九鬼龍斗は翼を広げ、そして空へ舞い上がる。

空には満天の星空にオーロラのようなMETベルト。いくつもの光に龍斗は導かれながら。






――――――新五稜郭

「ようやく落ち着いたな」

一年前に由利菜VSイリーナの大戦闘で半壊した五稜郭は新しく、そしてさらに強固に作り上げられた。新五稜郭として。

「まったくです」


「彼らはどうなったのじゃろうな?」

高須は部下の大鷹三等陸尉。そして皇皇太子妃とお茶をしている。

「さあな。今頃向こうにいるだろう」


「向こう?」


「ああ。あの大陸の向こう。コレリア半島を超えてもっと先の・・・」


「その先から何か来るのじゃが・・・」


「何?」

皇咲耶が五稜郭の天守閣から見える空へ指を向ける。それにつられて高須と大鷹も外へ出て見る。

「なんだありゃ?」


「黒い・・・物体・・・」


「・・・・悪魔とでも言うべきか?」

そんな事を話しているうちにどんどんと近づいてくる漆黒の何か。

「まずい、こっちに近付いている」


「逃げろ!!!!」


「こっちくんんなああああぁぁぁぁ!!」


――――――その刹那


何かがばらばらになる破壊音と10トントラックの正面衝突のような衝撃音が交わり複雑な効果音を奏でいていた。






形を残しているものの天守閣内部はぼろぼろで破壊されている。

中にいた3人は結果的に下へ逃げたため助かったが天守閣の中とお茶とお菓子は助からなかった。

「成程。再びここにきて破壊活動をしようと・・・・貴様が来てから何度目だ!!」


「いや、最初のあれはお前に対する復讐みたいだからお前の所為だろ?今回は俺が悪いけど・・」


「・・・・まぁ、最初に関してはむしろ迷惑かけたから許すが・・・・で、何しに来た?」


「いや、そろそろ国も落ち着いている頃かなと思って」


「戦争をしろとでもいう気か?」


「その通りだ。察しがいいな」


「却下」


「ええ?ここまではるばる一人で来たのに?」


「俺達が軍を派遣して何の得になる?何もないだろ?今国民は誰一人戦争を望んどりゃいない。解ったなら帰れ」


「はぁ~仕方ない。さっきのを見せるか」


「???」

龍斗はため息をつくと再び右手に集中する。

「はあああ!!」


「こ、これは・・・・悪魔契約魔法か?」


「そんな生易しいもんじゃねえぞ」

高須達3人はしだいに忌々しい姿になっていく龍斗を見て後ろずさりして行く。

その姿・・・悪魔契約魔法使用者の姿の数千倍は忌々しい。

由利菜など話にならなかった。

「こ、これは・・・」


「悪魔化魔法だ!!」



悪魔化魔法・・・・寿命のほとんどをささげることにより手に入れられる強力な力。


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