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#3 ギルド

―――――――南プシェムィシル村中央部 村立図書館―――――――

「俺の職場を探してほしい」

俺がそう言ったのはほんの三十秒前だった。しかし、イリーナからの返答がある三十秒間は何時間たったのだろうかと言うぐらい長く感じた。だって・・・黙り込んじゃったから・・・



「あなた・・・本気で言ってるの?」


「ああ。俺の予想だと、帰れる気がしないし、一応自分が生活するぐらい稼がないと思って・・・」

もし帰れるなら彼らは帰ろうとしただろう。帰る場所がないから自分達の国を作りたかったのだろう。ここで、自分達のしたいことをしたかったのだろう。

「あなたが働くにはオーレリシア大陸では厳しいわ。特定の職業に就くならまずポートランド皇国で戸籍登録しないと。もし役所で戸籍登録したならあなたはスルト、もしくは古代最終戦争のスルトの末裔ムスペル人と見られ迫害を受けるわ。戸籍を持たないで職を持つというならギルドに入ってソルジャーになるという方法があるわ」


「ギルド?」

ギルドってあれか?よくRPGとかで出てくる。もしくは、モンハンとか・・・

「ギルドとはギルド公社が経営している傭兵組織よ。戸籍を問わず、階級を問わない傭兵組織。私もそのギルドメンバーのソルジャーの一人よ。ポートランド皇国は皇国軍の下に警軍と呼ばれる治安維持の組織があるの。ポートランド皇国はたくさんの国と国境を接していて主に皇国軍はその国境警備に置かれていて国境警備以外に置かれている皇国軍は首都ウィーンペストに置かれている近衛師団のみ。国内で内乱がおきても警軍だけでは防げなく国境警備の兵士が動けない時、ソルジャーが徴収されるのよ。その他に他国との戦争の時兵士の頭数が足りない時とか、他モンスターの討伐、山賊狩り、海賊狩り、ルーシア征教狩り等。たまに雑用もやらされるわ」

つまり、簡単に言うとPMC(民間軍事会社)みたいなものだな。ブラックウォーターとか・・・

「成程。元軍人の俺にはもってこいだな。早速紹介してくれ」

イリーナは嫌そうな顔をして言った。

「いいけど、でもギルド内でも変な目で見られるわよ?」


「フードをかぶって行けば大丈夫だろう。」


「う~ん」


「納得していない様子だな」


「うん。だけど仕方がないわ。あなたが決めたことだし。手続きには手伝うわよ」


「ありがたい。感謝する」

そう言って俺はイリーナの手を握った。イリーナはなぜか顔を赤くして俺の手を離して後ろを向いてしまった。

「べ、別に・・・感謝されるようなことなんかしてないわ。・・・そ、それにあなたには一度助けられているし・・・」

照れくさそうにそう言うとイリーナは一人で外へ出てしまった。

「じゃあお相子さまってことで」


「・・・・おいて行くわよ」


「一人で行くなよ。イリーナだけ行ってもしょうがないだろ。俺が行きたいんだから」



―――――南プシェムィシル村北部 ギルド公社南プシェムィシル村支部

「こんにちは」


「あらイリーナ。どうしたの?依頼されていたルーシア征教狩り終わったの?」

イリーナはどうやらギルドの同僚の女性と話しているようだ。

「う、うん、まあね。私がやったわけではないけど・・・」


「誰が終わらしたの?・・・それとそこのフードをかぶっている人は誰?」


「いやあ、その・・・なんと言うか・・・」


「そこのお嬢さん。」

俺はイリーナと話していた女性に話しかけた

「あっはい」


「何処でギルドメンバーに加入できる?」


「そこの受付で申請すれば誰でもなれるわよ。その前に模擬戦をしたり、もし何か経歴があれば書いて、あと基本的な学力調査をして、総合的に点が高いほど与えられる階級が変わるけど、一番高くても准尉が最高だけれどね。特別なことがあれば特別階級待遇で特殊な模擬試験をやらしてもらえるわよ。」


「そうか、ありがとう。」


「いえ、こちらこそ」

俺は彼女の言われた方向に歩いて行った。ギルドで申請するために。

「珍しいわね。イリーナが男性を連れて歩くなんて。あの人誰?もしかしてイリーナのフィアンセとか?」


「ちょ、ユリア!!ちっ違うわよ!!」

イリーナはユリアと呼ばれる同僚に突然そんなことを言われて戸惑ってしまった

「そお?もしかしたら記憶失う前の人とか?」


「それは絶対に物理的にあり得ないわ!!」


「なんで?」


「なんでって・・・言われても・・・」

イリーナは答えようがなかった。彼はスルトだということを。

「ただ、彼は私の命の恩人なのよ」


「命の恩人?」


「そう。わたし、この前少尉階級の依頼掲示板で南プシェムィシル村周辺地域でのルーシア征教過激派の海賊の捕縛・状況によっては殺害を警軍からの依頼を受けていたんだけど、ルーシア征教過激派達が強くて襲われたのよ。」


「でどうなったの?」


「間一髪で彼が来て、助けてくれたの。しかも5人全員。殺してないから全員気絶だろうけど・・・」


「最近のルーシア征教の過激派は、たしか、METをあびて身体強化されているはずだから、しかも5人!!彼相当の実力者ね」


「ええ、だけど・・・」


「どうした?ついでに彼、何でフードかぶってるの?」


「深い事情があるのよ」


「ふーん・・・」



―――――ギルド公社南プシェムィシル村支部受付

「ちょっといいだろうか?」

俺は受付の女性に話しかけた。勿論ギルドメンバーに加入するためである。

「はい。ギルド公社南プシェムィシル村支部です。ギルドメンバーならギルド手帳を、新規加入なら申請を。どちらでしょうか?」


「新規加入だ」


「はい。ではこちらの用紙に・・・」

受付の女性がそう言おうとした時だった。

“ドゴオオオ”と言う音に続いて何かの爆発音が聞こえた。

「なんだ?」

俺はギルドに申請せず、フードをかぶったまま支部を出た。そうすると港の方に一隻の大きな船が駐留していた。大航海時代のような船で、旗は・・・

「鎌と槌?なんかどっかで見たことが・・・?」

どこだっけか?なんか見たことあるぞ・・・歴史で・・・えーと・・・まあいいや。

「あの旗は!!ルーシア征教の旗。それに、その下の旗は!!」

残念ながら俺の記憶ではルーシア征教じゃないんだよなあ。どっかで・・・。嫌それどころではない。船からたくさんの、先程倒したルーシア征教過激派集団らしい服装の人間と、赤いマントをつけた大男が出てきた。

「本当にここか?」


「はい。部下達はこの村のギルドに加入している失い人に倒されたそうです。」


「そうなるとギルド公社のソルジャーか。ギルド全部相手は無理があるな・・・時間がたてば海上基地のポートランド皇国海軍も来る。・・・おい、お前ら、村人どもを脅してここに集めろ。人質にするんだ」


「了解です!!」


「誰だか知らんがオーレリシア周辺海域を牛耳るルーシア征教隷下のバルバロッサ海賊団に喧嘩を売るとはいい度胸だ。ハイレディン・バルバロッサを怒らせるとは」

ハイレディンは間を開けて叫んだ。

「報復するぞ!!」



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